トトガノート

「鍼灸治療室.トガシ」と「公文式小林教室」と「その他もろもろ」の情報を載せています。

Tag:量子コンピュータ

 やっと読み終わりました。怪しい物好きの私にとって一番興味があったのは最終章のテレポーテーションとかパラレルワールドについての説明でした。私にとっては、学生時代,技術者時代,そして退職後に怪しい物に取り組んだ時代と、約20年の半生を振り返ることにもなり、とても楽しく読ませていただきました。

 量子コンピュータがどの程度まで開発されているか、私のレベルでは十分に理解できたと思います。アインシュタインも受け入れ難かった量子力学の摩訶不思議な部分が証明され、コンピュータ技術あるいは通信技術として利用されつつあります。技術者を辞めてしまった私としては、量子力学的世界観が東洋思想に近い点にとても興味があり、この本は是非読破したい一書でした。

 かつて、ダーウィンの進化論が世界に衝撃を与え、自然淘汰とか弱肉強食という考え方が社会思想にも影響を与え、帝国主義につながったと聞いています。量子コンピュータの実用化は、やがて同じような経緯を辿って、社会思想に影響を与えるのではないかと思います。その時に私の場合思い当たるのが、色即是空の般若心経なのです。20世紀中頃には東洋思想に傾倒する物理学者も多かったと聞いています。

 量子コンピュータの技術開発が進むことで、世界中の人が般若心経を唱えるようにならないか?「風が吹けば桶屋が儲かる」的な話ですが、社会思想の面でもいい影響を与えて欲しいものだと切に祈っております。

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 第8章まで読みました。やっとコンピュータ技術に関わる内容になってきました。電子が波の性質を持ち始める量子の世界、それは私にような出来の悪い学生にとってはお手上げであり、マイナスのイメージしか抱きませんでした。(特に不確定性原理などと言われると、人間はこれ以上小さな世界に足を踏み入れることはできないのだ!という諦めしか持ちませんでした。)

 しかし現在の最先端の研究は、そういうデメリット(私のような凡人から見ればデメリット)を逆手にとって、更に性能の高いコンピュータを開発していこう段階にあるわけです。1990年代の話であるということも面白いところです。

 その頃、自分は何をしていたんだろう…と、本から目を離し天井を見つめて、また凡人の無駄な時間が過ぎていきます。

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 第6章まで読みました。元素は人工的には(原則として)作れないということを聞いた時に、「原子核を変えればいいんじゃないの?」と、小学生の頃だったでしょうか、思ったことがあります。そんな突飛なことを安易に考えるから自分はダメなんだ、そうはいかない難しい理由があるんだ、それを自分は知らないだけなんだ、とその時は片付けていました。

 ところが、そんな突飛なことを長岡半太郎も考えていた!というのは大変な驚きでした。ドイツと日本で、実際に人工金の製造に成功していたそうです。10年ほど続けられたこの研究は、金の採取量が一向に増えなかったために立ち消えになったそうです。それこそ30年間の私の疑問が、この本のおかげで解決しました。

 と同時に、世が世であれば(長岡半太郎よりも早くさえ産まれていれば)、という変な悔しさと自信が生まれました。よく考えれば、長岡半太郎よりも後に産まれた人みんなに言えることなのですが…。

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 やっと第5章まで読みました。量子力学が成立していく過程を概観することができました。大学時代に量子力学の講義で、こういった歴史的背景にも触れて欲しかったと再び思いました。今、振り返ってみると「なんでこの学者さんの理論が重要なのだろう?」「なんでこの学者さんはこんな面倒な方法を考えたんだろう?」という疑問を常に抱きながら、なんだかわからないうちに大学時代が終わってしまいました。まあ、卒業できたから、担当教官の寛大さには感謝していますが…。

 この「なんで」は歴史的な要素だと思うのです。純粋に理論的な部分ばかりが講義されるのですが、歴史的背景,歴史的意義がわからないと理論の必然性を十分に理解したとは言えないのではないでしょうか?

 この本が大学時代に座右にあったら…と思います。そうしたら、勉強ができなかったまた別の理由を考え出したでしょうけど。

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 一ヶ月ほど前から、「量子コンピュータへの誘い」という本に取り組んでいます。時間がある日に数ページ読むだけという状態なので読書はなかなか進みません。「量子さんて誰?」と妻に聞かれて、女性の名前ではないことを説明したりしなければいけなかったので、いつも同様ゆっくり読んでいます。今日、第3章を読み終わりましたが、第1章の内容は殆ど憶えていない始末。

 著者は大学で物理学を学び、その後コンピュータの仕事をしてきた方で、私と経歴が似ているので、書かれてあることは全て興味ある内容です。それだけに、一行読むごとにブツブツ言いたくなって、なかなか進まないのです。

 第3章に「コーシー・コヴァレフスカヤの存在定理」というのが出てきますが、大学の教科書の中で一度お目にかかったような気がしました。この定理に関わった女性の研究者(ソーニャ)は、ドストエフスキーに恋をしたり、ロシアから脱出するために数学者(コヴァレフスキー)と結婚した、というエピソードを面白く読みました。大学の教科書の中にこういうことを書いておいてくれたら…あるいは大学の先生が講義の中で紹介してくれたら…もう少し勉強頑張ったんじゃないかなぁ〜というのが、第3章の感想です。

「量子コンピュータへの誘(いざな)い きまぐれな量子でなぜ計算できるのか」
目次
その2
その3
その4
その5
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