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法華経化城喩品の回向偈、上げられるようになりました。20字だけですけどね。

回向偈はお勤めの最後の方で上げます。今お経を上げた功徳が自分たちだけではなく、この世の生きとし生けるもの全てに振り向けられますように…という意味です。これが大乗仏教の特長なのかもしれません。

最初は、これを余り重要だとは思いませんでした。が、あることをきっかけにして、とても大切だと思うようになりました。そのあることとは…

ひと月ほど前になります。家の周りを一匹の野良猫がウロウロしていたのです。子猫でしたが生まれて数か月くらいで、少しの間だけ飼っていた飼い主が捨てたのだと思います。お腹が空いているのでしょう。一晩中鳴いていました。

こういうことは何度か今までにもありまして、近所でも話題になっていました。そこで今回は私が決着を付けることにしました。まず、市役所に相談しました。すると、保健所を紹介されました。保健所に聞くと、動物指導センターを紹介されました。センターに問い合わせると、「処理するということでいいんですね?」と何回も念を押されました。

もちろん、私も猫は嫌いではないのでつらいものがありましたが、飼うこともできず、近所の人も困っているし、他に選択肢がないように思われました。捕獲し、センターに連れて行き、再び「処理するということでいいんですね?」と何回も念を押されました。「はい」と答えて置いてきました。

その後、やはりいい気持はしません。ある方に相談しました。そして、自責や後悔ではなく、懺悔の気持ち、それから猫のいのちがより良い輪廻をするよう回向するように、というアドバイスをいただきました。

このとき、お経に限らず善行を積み、その功徳がこの世の全てのものに振り向けられるように願うのが、回向であり大乗仏教であることを再認識したのでした。

功徳と回向の願いがこの世の全てのものに影響を与える可能性はあるはずです。回向(えこう)がエコーのように、繰り返し広がっていけばいいなと思います。

「猫、いなくなったねえ。あんなにうるさかったけど、一匹だけだったのかしらね。」という近所の声を翌日に聞きました。私がナニしたことは言っていません。ただひたすらにお経を上げ、善行を心がけるのみです。

《つづく》

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