トトガノート

All about TOTOGA

進化

「新・ヒトの解剖」の「3.力こぶ」(p54〜67)を読みました。(小林教室収蔵

筋肉には、平滑筋と横紋筋(骨格筋、心筋)がありました。

《以下引用(p54)》
平滑筋は、一本一本の筋線維が独立しているが、心筋ではそれらが細胞膜を介して連結し、骨格筋ではたくさんの筋線維が癒合して大きな線維の束をつくり、つよい収縮力をもつようになっている。
《引用終り》

骨格筋は随意筋ということになっていますが、
《以下引用(p54)》
…すべての運動が意識的におこなわれているのではなく、その大部分は無意識的におこなわれているのが実態である。
《引用終り》
力を抜いているつもりでも抜けないで緊張し続けている筋線維があったりします。これがコリの原因のひとつだと思います。

骨格筋には、筋原線維(伸び縮みのもとになる線維)を多く含む、瞬発力があるけれども疲れやすい白筋と、その逆の赤筋があります。魚の白身と赤身の違いがこれです。

下腿三頭筋は、表層の腓腹筋が白筋で、深層のヒラメ筋が赤筋だそうです。魚のヒラメは白身なのに、人体のヒラメは赤身なのですね…。

《インデックス》

◆◆◆鍼灸治療室.トガシ◆山形県東根市◆はりきゅうのトガシ◆◆◆
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

「新・ヒトの解剖」の「解剖のはじまり」(p32〜51)を読みました。(小林教室収蔵

《以下引用(p48)》
…乳腺の原基は胎児ではわきの下から内股のつけ根まで、おなかにある左右二本のすじ(乳腺)にそって、九対くらい形成される。ふつうヒトではこのうち上から4番目の一対だけが発達して胸の上のオッパイになる。しかし、ときにその上下にも乳腺にそって「副乳」というオッパイができることがあり、「多乳頭症」とよばれる。
《引用終り》

こういう人は結構多いのかもしれませんね。芸能人でも何人かいたような気がします。記憶に新しいところでは、森山未来さん。

《インデックス》

◆◆◆鍼灸治療室.トガシ◆山形県東根市◆はりきゅうのトガシ◆◆◆
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

「新・ヒトの解剖」の「解剖のはじまり」(p32〜51)を読みました。(小林教室収蔵

《以下引用(p39)》
…からだのどの部分であれ、皮はぎをするまえには、まず、その周囲の体表からの観察をすることになっている。かつては、多くの大学で解剖実習とはべつに「生体観察」という実習があり、学生どうしが水着をきて、おたがいに体表から皮下の骨や筋肉などを観察することがおこなわれていた。しかし、現在では、解剖学の授業時間数もへって、医学部・歯学部で生体観察をおこなっている大学はほとんどなくなってしまった(美術系の大学では、美術解剖学という授業があり、生体観察がおこなわれている)。
《引用終り》

お医者さんは外科的に切り開くこともありますが、私たち鍼灸師の場合は体表からの観察しかありません。「生体観察」という実習があっても良さそうですが、ありませんでした。クラスには若い女性もいましたので、残念(?)と言えば残念ですが、こちらの体を見せるのは自信(?)もありませんし…。医学部で行われなくなったのも、授業時間数だけの問題ではなくて、デリケートな問題があったんじゃないかとも思います。

p42に「毛流」の図があります。体毛の生え方には向きがあるというものです。小学校低学年のころに、身体測定とかでパンツ一丁で教室から保健室までクラスごとに移動していたような記憶があります。そのとき、この「毛流」の図のようにきれいにうぶげが生えている人がいました。いつも「きれいだな」と思って見ていたような気がします。これも生体観察ということですねw

《インデックス》

◆◆◆鍼灸治療室.トガシ◆山形県東根市◆はりきゅうのトガシ◆◆◆
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

「新・ヒトの解剖」の「解剖のはじまり」(p32〜51)を読みました。(小林教室収蔵

《以下引用(p38)》
解剖実習では、まず、体表の観察をしたのち、皮はぎをはじめるわけであるが、このとき、遺体によって皮下組織の厚さにかなりの違いがあることを思い知らされる。男女を問わず、やせて皮下脂肪のすくない遺体では、皮をはぐと図2−5の解剖図のとおりに、皮下の神経と血管が筋膜の上に配列し、筋膜をすかして筋肉の走りぐあいまではっきり見てとれる。これにたいし、ふとった遺体では、まったく事情が異なってくる。皮をはいでも、真皮に脂肪が厚くくっついてきてしまうだけでなく、皮下にはまるで「綿入れ」をまとったような分厚い脂肪層があって、皮下の神経や血管はそのなかにうずもれてしまい、筋肉などまったく見られないというありさまとなる。
《引用終り》

私たちの実習は、この作業が終わった後の遺体を見せていただいたので、この苦労は分かりません。ただ、取り除かれた黄色い脂肪の山が置いてあったような気がします。「これを取り除くのがとても大変なのです」と大学の先生もおっしゃっていたような…。

太っていると、死んでからも大変なんですね…

《インデックス》
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

「新・ヒトの解剖」の「解剖の秘密」(p8〜28)を読みました。(小林教室収蔵

《以下引用(p26)》
解剖実習室の扉をあけると、そこにはシートにおおわれた数十体の遺体が、防腐液の臭いがよどむ部屋のなかに無言で横たわっている。

そのうちの一体に近づき、黙祷をささげてから静かにシートをとり、ビニールとさらしの布をとりさる。そこには、一糸まとわない遺体が横たわっている。人体解剖の経験がない一般の人たちのなかには、解剖台に横たわる人体から、ヌードのようななま肌や、逆に、轢死体のようなむごい姿を想像するむきもあろうが、現実は、黄褐色の皮(皮膚)におおわれた埋もれ木を見るような感じである。…

解剖をやりはじめたばかりのころは、作業がおわると、ブラシと石鹸で、ていねいになんども手を洗い、それでも臭いがのこっているようで(それはおもにゴム手袋の臭いである)、おちつかないものだが、場数をふむと、さっと手を洗ったくらいですますようになる。
《引用終り》

私たちが行った実習は、東北大歯学部で行われている解剖実習の間に、ちょっとだけいじらせていただいたものでしたから、回数も少ないし、ピンセットやメスで筋肉を少し切り取ってみるくらいのもので、切り開いてあるものを取り出して解剖の本と照らし合わせるのが主な作業でした。

医学部や歯学部での実習では、徹夜に近い状態で遺体のスケッチに明け暮れると聞きました。そうやって「場数をふむと」遺体を前にして、コンビニの弁当も平気で食べられるようになるそうです。

何とコメントしていいか、分からない話でした。

《インデックス》
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

「新・ヒトの解剖」の「解剖の秘密」(p8〜28)を読みました。(小林教室収蔵

大学で行われる人体解剖は、献体という制度の下で、生前に本人が希望され、なおかつ遺族の反対も無い場合に行われます。

《以下引用(p12)》
死刑囚や行路死亡人を解剖していた時代とちがい、今では解剖体のほぼ100パーセントが篤志家によって提供されるようになり、解剖学実習の雰囲気が大きく変化してきている。すなわち、実習にのぞむ学生も教師も、「よい医師・歯科医師になるように私のからだを使って勉強してください」という献体者のご遺志むくいようと、感謝の気持ちをこめ、その期待にこたえる責任を自覚するようになったのである。それはそのまま、学生が将来医師になったさいに、患者さんにたいする思いやりの気持ちにつながることが期待されるからである。
《引用終り》

実習の時には、身体を提供して下さったこの方は生前どんな生活をされていたのだろう、と思うことがありました。医療関係の仕事に就いていた方がやはり比率としては多いだろうと、大学の先生がおっしゃっていました。この人、ひょっとして生前はドクターだったのだろうか?とか思ったりもしました。

顔には白い布はかぶせてありましたが、チラリと一瞬だけ取れて、お顔が見えた時がありました。その映像は、しばらく目から離れませんでした。

死刑囚だったと言われれば、解剖する方も穏やかではないはずです。死んでからもなお切り刻まれるということになれば、解剖実習も刑罰の一部のように思えてきたりします。行路死亡人だったということになれば、とてもとても気の毒でなりません。

しかし、本人の遺志であったということになると、しかも医療関係者だったとなれば、解剖実習の実態もある程度理解した上での希望なわけです。その上で、これから医師になろうという人たちのために我が身を捧げようというお気持ちには敬服しましたし、「ただただありがたい」という感謝の念を感じた覚えがあります。

《インデックス》
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

「新・ヒトの解剖」の「はじめに」(p2〜3)を読みました。(小林教室収蔵

《以下引用(p3)》
いまや、人体解剖学は、医学・歯学・人類学といった専門家だけの独占物ではなく、ひろく一般の人びとのものになろうとしている。医師の立場からも、一般の人びとが人体のしくみを理解し、その構造と機能を充分に知っていることが、最近その重要性を強調されているインフォームド・コンセント、すなわち、患者の理解と承諾にもとづく医療を実現するために、必要な条件となってきている。
《引用終り》

最近、人体の構造を描いた子ども向けの絵本、人体模型付きの本(どっちが本体でどっちが付録か分からない)、オモチャのような人体模型など、よく見かけるようになりました。

私の場合は、仕事上、触察して骨と筋肉の判別ができなければ話にならないので、等身大の骨格模型は購入し、毎日眺めています。患者さんに説明する場合にも有った方がいいのですが、出張専門のため、等身大のガイコツを車に乗せて走りまわるわけにもいかないので、上記の何分の1スケールかの人体模型は有った方がいいかなと日頃思っているところです。

筆者は、一般の人でも解剖実習ができるような設備や制度を確立したいと書いています。そこまでは、どうかな…と思いますが、この本を読み進むうちに考えが変わるかもしれません。

《インデックス》
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

「新・人体の矛盾」の「ノドチンコの謎」(p208〜210)を読みました。(小林教室収蔵

俗に「ノドチンコ」と呼ばれているものですが、正しい名前は「口蓋垂」というようです。口の上の方(口蓋)は骨が裏打ちしているので固いのですが、奥の方は柔らかくなっています。名前も「軟口蓋」。内部に筋肉があり、よって可動性があります。

軟口蓋は、物を飲み込む時に後ろの咽頭壁に跳ね上がって、鼻腔に蓋をします。このお陰で、食塊が鼻腔に入らないようになり、逆立ちしても水が飲めるとのこと。ノドチンコは、この密閉度を高める働きをしていると考えられています。

チンパンジーもノドチンコを持っているそうですが、イヌには無いそうです。

《以下引用(p209)》
イヌでは口蓋垂にあたるような突起はないものの、内部には立派な口蓋筋という人の口蓋垂筋とおなじ筋が見られる。ここで重要なことは、動物の軟口蓋のはたらきがヒトとは大きく異なっている点である。動物のばあい、軟口蓋の後ろに、気管の入口である喉頭の筒を鼻腔の方に挿入する形になっている。軟口蓋はこの喉頭の筒を押さえこむはたらきがある。

イヌは、喉頭を自在に鼻腔側に出し入れすることができる。ふだんは挿入状態にあるが、吠えたり口でハーハーと呼吸するときには、出すか半挿入状態にしている。餌を食べるには、喉頭を鼻腔に入れた状態にして呼吸を確保しておき、食塊は筒になった喉頭の脇を通って食道へ送りこまれるか、あるいは大きな食塊のばあいは、喉頭蓋が自動的に押し倒されて喉頭をふさぐ仕組みになっている。

これがヒトのばあいにはまったく事情が異なり喉頭がずっと下にさがっている。…そこで、ヒトは食物をのむ瞬間が大問題となる。下方でぽっかり口を開けている喉頭(気管の入口)に食塊がはいらないように、喉頭全体を持ちあげて蓋をする。つまりその瞬間は呼吸を止めて、喉頭を締めつけつつ食塊を押し下げて飲みくだすのである。
《引用終り》

これは、直立姿勢になることで首の角度が変わってしまったことが原因と考えられています。そのおかげで、自由な発声ができるようになりましたが、嚥下は非常に難しいものになったということのようです。

ものごころついた頃には特に意識することなく食べ物を飲み込んでいるわけで、そんなに難しい行為でもないと思っておりました。でも、高齢になると嚥下困難という状況はよく見られます。食物が肺に入って肺炎にでもなれば命取りになります。もう長くないと言われた方が、胃ろうの手術をしたことで何年も生きられるようになる例も少なくないようです。

それだけ、飲み込むことは難しいことなのですね。

《初めから読む》
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

「新・人体の矛盾」の「便器の進化とヒトの進化」(p164〜166)を読みました。(小林教室収蔵

《以下引用(p164)》
肛門のまわり、つまり外生殖器をふくめた会陰という領域は、その対極の顔面とよく似て解剖のむつかしいところである。この部分は脂肪と線維組織でみたされており、これをすっきりと取り除かなくてはならないからである。こうしてあらわれた肛門は、おどろくことに、まるで富士山のように盛りあがっている。この突出は肛門をとりかこむ外肛門括約筋と、これにつづいて裾野に広がるような肛門挙筋があるためである。
《引用終り》

さすがに、われわれの解剖実習では肛門は見ませんでした。肛門が富士山のような形だったとは…。しかし、これでもヒトの場合は退化している方で、他の動物の肛門はもっと発達しているらしいのです。

《以下引用(p165)》
ウシはまず尾を上げて背をややまるめる。肛門がもりあがるとともに、内側からピンク色の粘膜が反転してでてくる。そして排便した後は元どおりに戻ってしまう。
《引用終り》

どうやら、こういう構造があるので、ウシはトイレットペーパーやウォシュレットが要らないらしい。

イヌの場合は、直腸尾骨筋という、尾骨と直腸の間にある筋肉が、排便時に直腸ごと肛門を突きだし反転させるそうです。そしてもう一つの、尾骨肛門筋という、尾骨のつけ根と肛門(外肛門括約筋)の間にある筋肉が、終了後に肛門を元に戻します。

この筋肉は便に匂いを付けるための肛門嚢という袋を圧迫する働きもあるそうです。

イヌの場合には、この肛門嚢をしぼってもらったりするらしいですね。

イヌにはイヌの悩みがあるようです。

《つづく》
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

「新・人体の矛盾」の「表情筋の下には爬虫類の顔が!」(p50〜52)を読みました。(小林教室収蔵

表情筋というのは、解剖学ではほとんど話題になりません。筋肉を勉強する時には、起始・停止といって、どことどこに付着しているかをそれぞれの筋肉について覚えなければなりません。その場合、起始も停止もたいていは骨です。ところが、表情筋は「その一端が皮膚に付く特殊な筋である(p50)」と言われて、その特徴に初めて気づきました。

つまりは関節を動かすことを目的としない筋肉…じゃあ、何のためにあるんだ?と思ってしまいます。

目鼻口を開閉するために哺乳類にできたもので、口輪筋や頬筋の働きで口をしっかり閉じることができ、このお陰でオッパイを吸うことができる…ということで、哺乳類たらしめる重要な筋肉群であることに今更ながら初めて気づきました。

表情筋を剥ぎ取ると、爬虫類の顔が現れるとのこと。「顔面神経痛という病気は無い」という話を取っ掛かりに、講義でよく語られるのが、顔面神経と三叉神経の二重支配です。爬虫類までは顔を動かす必要が無かったので、顔面神経という運動神経は要らなかったわけなんですね。

もう一つ興味深かったのは、眼輪筋と涙の関係。眼輪筋は、目頭から始まって目の周りを一周し、また目頭に終る筋肉で、眼を閉じるときに働きます。一方、涙は目尻上方の涙腺から分泌されて、眼球を潤した後、目頭の上下にある涙小管から排出されます。涙小管には涙嚢という袋がつながっているのですが、スポイトのように機能するのでしょう。このスポイトを動かすのも眼輪筋だそうです。

だから、涙が流れそうになったとき、瞬きをくり返すと溢れずに済むそうです。涙腺がゆるい中年男にとって、これは貴重な情報です。

《つづく》
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

↑このページのトップヘ