「唯識入門」(春秋社)
「第六章.唯識の修行論」の「一.修行の階梯」の「さとりへの道のり」を読みました。
《以下要約》
瑜伽行派は、唯識説の完成をめざす実践の体系を『華厳経』の説く菩薩の十地説の上に位置づけ、五位の体系(資糧位・加行位・見道位・修道位・究竟道位)を仕上げました。
加行位(勝解行地とも、四種通達分とも、賢位の四善根位とも呼ばれる)の最終段階において唯識観を修した直後に唯識性に悟入し、菩薩の初地見道位を得るとされています。
このとき、無分別智が獲得され、識の機能が智のはたらきに転化します。これを転識得智とか「転依」とか「転依の転換(あるいは変貌)」とか言います。その後も修行は続いて、最後の究竟道に達して仏地に入ります。
この修行の完成までには無限の年数(3かける10の62乗)かかるとされています。これは「即身成仏」を説く密教と対蹠的見方と捉えることもできますが、菩薩は大悲心によって衆生済度のために永遠に成仏しない意と解することもできます。
《以上要約…詳しくは本書参照》
《つづく》
「第六章.唯識の修行論」の「一.修行の階梯」の「さとりへの道のり」を読みました。
《以下要約》
瑜伽行派は、唯識説の完成をめざす実践の体系を『華厳経』の説く菩薩の十地説の上に位置づけ、五位の体系(資糧位・加行位・見道位・修道位・究竟道位)を仕上げました。
加行位(勝解行地とも、四種通達分とも、賢位の四善根位とも呼ばれる)の最終段階において唯識観を修した直後に唯識性に悟入し、菩薩の初地見道位を得るとされています。
このとき、無分別智が獲得され、識の機能が智のはたらきに転化します。これを転識得智とか「転依」とか「転依の転換(あるいは変貌)」とか言います。その後も修行は続いて、最後の究竟道に達して仏地に入ります。
この修行の完成までには無限の年数(3かける10の62乗)かかるとされています。これは「即身成仏」を説く密教と対蹠的見方と捉えることもできますが、菩薩は大悲心によって衆生済度のために永遠に成仏しない意と解することもできます。
《以上要約…詳しくは本書参照》
《つづく》