トトガノート

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筋トレ

「大人のラジオ体操」の5番目「体を横に曲げる運動」(p30〜p31)です。

《以下引用(p31)》
脇をまっすぐ横に伸ばすことで普段伸ばさない脇腹がストレッチされ腹斜筋を刺激するとともに、体側のリンパの流れもよくなります。この合わせ技で、脇のウエストラインをスッキリさせてくれる運動です。
《引用終わり》

背伸びの運動の時から注目の腹斜筋(内腹斜筋外腹斜筋)です。しっかり意識しましょう。

背骨はどのくらい横に曲がるのでしょう。運動学の本を見てみると、胸椎が78°(=6+6+6+6+6+6+6+6+6+7+9+8)、腰椎が29°(=6+6+8+6+3)で、全部足すと107°になります。

理論上そこまでは曲がるということですね。無理は禁物ですが、頑張りましょう。



《「大人のラジオ体操」インデックス》
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「大人のラジオ体操」の4番目「胸を反らす運動」(p28〜p29)です。

《以下引用(p29)》
この運動を、13番の深呼吸と同じと勘違いしてしまう方も多いのですが、この動きの目的は胸をしっかり反らすことです。
《引用終わり》
とあります。確かに、何のための運動なのか、効いてるという実感がなくて、私も深呼吸してたような気もします。「胸を反らす運動」の目的は「胸を反らすこと」。当たり前過ぎて気づかなかった(笑)。

胸を反らしてする仕事というのは、ちょっと思い浮かびません。目は天空を見つめなければいけないし、その視線の先に手先を持ってきたら胸(大胸筋)は拡がりませんから、OFFの状態以外でこの体勢をする人というのは背泳ぎの選手か背面跳びの選手くらいじゃないでしょうか。ONの時には縮みがちな大胸筋をリセットする、とても大切な運動ということになります。

説明を読んでみると、手首(前腕)を回内させる場合と回外させる場合があるようです。回外させた(小指を上げる)方が胸がしっかり開くという説明も。これは、前腕を回外させようとすると上腕骨も一緒に外旋されるので、内旋の働きをする大胸筋は引っ張られるということでしょう。

他に鍛えられる筋肉として挙げてあるのは、広頚筋、上腕三頭筋広背筋です。意識しましょう。

「胸郭も広がる」と書いてあります。大胸筋は肋軟骨を上外方(上腕骨の方)引っ張り上げて吸息の働きもしています。胸椎を反らせることでも胸郭の容積は広がります。つまりこの運動は、胸郭の容積を最大にするポーズであると言ってもいいかもしれません。

だから、いくら「胸を反らす運動」の時に深呼吸をするのは正しくないと言われても、深呼吸してしまうのは無理からぬことです。大の字になって寝るのが気持ちいいのは、胸郭が広がるからじゃないかなと思います。小指も立ててみると、もっと気持ちいいかもしれません。



《「大人のラジオ体操」インデックス》
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「大人のラジオ体操」の3番目「腕を回す運動」(p26〜p27)です。

《以下引用(p27)》
腕を回すときに前で小さく回すのではなく、正しい姿勢のまま背中の肩甲骨全体を使ってまるでバケツを回すように大きく腕を回してみましょう。
《引用終わり》

とあります。バケツを回したことが無いので「バケツを回すように」という例えはよく分かりませんが、「肩甲骨全体」というのが非常に重要だと思います。

肩甲骨は肋骨に固定されていて動かないものだと考えている人はいないでしょうか?腕は、肩を起点にして動くと考えている人はいないでしょうか?そういう固定観念が無い人でも、日頃スポーツをしていてダイナミックに腕を使っている人でない限り、しだいに肩甲骨を動かさなくなっているような気がします。

そして、それが肩こりの原因のひとつになっている…。

腕の動きの起点は胸鎖関節です。ネクタイの結び目の位置。腕は鎖骨から始まっているのです。

例えば上にある物を取ろうとして手を伸ばす時、肩甲骨も挙げればその分だけ上に手が届きますし、肩関節の角度も若干小さくて済むはずです。つまり、肩関節にかかる負担は減るはず。

「腕を回す運動」を行う際には、鎖骨の起点を中心に、肩を前後方向・上下方向に動かすことを意識してみましょう。腕の動きに肩甲骨をしっかり連動させる訓練をしておくことで、普段の腕の動きも大きくなるはずです。しかも、肩甲骨を動かす筋肉群が収縮と弛緩を繰り返しますから、肩こりの改善・予防になります。

特に肩甲骨を動かすことを目的とした運動として、「ひじまる体操」なるものがあります。襟の辺りをつかむことで肩関節を動かないようにして、肘をなるべく大きく動かします。鎖骨を中心とした肩甲骨の動きが、よく分かります。

ただ、この動画はちょっと気になることが2点あります。

一つめ。身体を動かすことを勧めておりまして、腰も動かすことによって腰痛対策もやってしまおうというような趣旨だとは思うのですが、肩甲骨の動きは分かりにくくなってしまいます。

二つめ。肘まる体操は五十肩の運動としてもよく薦められているのですが、この動画では襟の後ろの方を掴んでいて、これは五十肩の人はできないとされる結髪動作とほとんど同じです。だから、後ろではなく、前の方がいいのではないかと思います。



《「大人のラジオ体操」インデックス》
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「大人のラジオ体操」の2番目「腕を振って脚を曲げ伸ばす運動」(p22〜p25)です。

脚をガバッと開く動作をするこの運動、おかしな動きをさせるものだと子供のころから思ってました。どう見てもコミカル。お笑い芸人がやるならともかく、NHKのテレビ体操ではレオタードを着た若くてきれいなお姉さん方がやっています。いかがなものか…とずっと思ってました。

ところが、本書によれば、「ラジオ体操第一を代表する重要なエレメント」で、バレエの動きとのこと。

《以下引用(p23)》
バランスをとる際に体幹筋が鍛えられ、つま先立ちで大腿四頭筋と下腿三頭筋が刺激されて脚のラインを、また屈伸でハムストリングスと殿筋群が刺激されてお尻の形を整えます。
《引用終わり》

体幹筋は前回の「背伸びの運動」でしっかりスイッチが入っているはずです。

「かかとが床につくのは一瞬だけ」というのがポイントで、その一瞬以外は下腿三頭筋(腓腹筋ひらめ筋)に力が入ります。ハイヒールは、この筋肉を美しく見せるために発明されたとも言われています。美脚のポイントですね。

この運動は頑張ってやれば脚全体の筋肉を使うことになります。が、脚は開くときより閉じる時に力が必要になりますから、股関節なら内転・内旋動作に関与する筋肉がより鍛えられるはずです。薄筋小殿筋半腱様筋半膜様筋長内転筋大内転筋など、主に大腿の内側の筋肉です。

この内側の筋肉群は普段の動作では使われにくい筋肉です。これを鍛えるとO脚の予防にもなりますし、今さかんにテレビで宣伝しているEXABODYのレッグマジックとほぼ同じ効果が期待できます。

バレエをやっている人や新体操の選手がやたらガニ股をするのは、大腿の正面にある大腿直筋をなるべく使わないようにするためだと聞いたことがあります。この筋肉が鍛えられて太くなると、大腿は非常に逞しくなり、女性の美脚では無くなってしまします。内側の筋肉は隠れて見えにくいので、これを使って、細い美しい脚を保つのだそうです。

こんなふうに見ていくと、この運動は、美脚のために非常に優れた運動であることが分かります。



《「大人のラジオ体操」インデックス》
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「大人のラジオ体操」の一番目「背伸びの運動」(p20〜p21)です。

《以下引用(p21)》
これから始める体操を効果的に行うために、最初に正しい姿勢をとっていきます。正しい姿勢とは反りすぎず、前かがみにならず、床にしっかりと体の重心が乗っている状態です。
《引用終わり》

この「反りすぎず、前かがみにならず」というのが一番難しいところだと思います。中庸は、拮抗関係の均衡から実現するしかなく、姿勢の場合は背筋腹筋のバランスです。

大抵の人は、普段は腹筋をダラ〜ンと弛緩させていて、姿勢の維持作業はほとんど背筋に任せきりにしています。四つん這いの時は内臓が落ちないように自然と力が入っていたであろう腹筋ですが、直立になってしまったがためにサボることができるようになったのです。

この、背筋と腹筋のアンバランスが、内臓脂肪や皮下脂肪を付きやすくし、背筋だけが働き続け、腰痛を引き起こしています。また、ピラテスの理論が、腹筋の緊張が骨盤の歪みを矯正すると指摘していることを考えれば、骨盤の歪みを引き起こしていると言うこともできます。

背筋すなわち脊柱起立筋(腸肋筋最長筋棘筋)と腹筋群(腹横筋腹直筋内腹斜筋外腹斜筋)を均衡させることを、本書では「おなかを凹ませる」とか「上半身が上に引っぱられるイメージで!」と表現しています。

お腹を凹ませるということは、横隔膜を上に押し上げた状態ということで、腹式呼吸では吐き切った状態になります。そこで、「息を大きく吸いながら、腕を前から振り上げ」るので、完全な胸式呼吸になります。肋骨と背骨の動きによって、胸郭を前後左右上下に拡大することで息を吸います。両腕を挙げる動きは胸郭の拡大を助け、下げる動きは胸郭の縮小を助けます。

日常の作業でも、腹筋に力を入れるということは、腹式呼吸を(ある程度)諦めるということになります。抗ストレス・リラックスが声高に叫ばれる昨今、腹式呼吸は名声を博しましたが、「正しい姿勢」で腰を痛めずに作業を行うためには胸式呼吸を心がけるべきだと思います。

これから体操するぞ!という時に、この姿勢と胸式呼吸の確認を初めに行うことは重要ですし、これから仕事をするぞ!という時にも是非確認したいところです。

《「大人のラジオ体操」インデックス》
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昨年、そのまんま筋トレというのを考えました。筋トレなんて、運動なんて、やろうと思えばいつでもできる!というものでした。これといった形はありませんでした。構えの無い武道、偶像を拝まない宗教、思想で言えば「空」…究極とも言えますが、達人でないと難しい。私にすらできない…と言うか何もしないまま過ごしてしまう。という、致命的な問題が発覚しました(笑)

今年の初めに新聞で知ったのが、「大人のラジオ体操」。近代日本においては最も古典的と言える運動、誰もが知っている体操、これを医師が細部に注意点を設けることで身体に効く体操にリフォームされました。

一時は、NHKでさえ「ラジオ体操は身体づくりには効かない」という衝撃的な内容を放送したことがあります。しかし、やり方しだいということだと思います。

運動など何でも構わない、というのが「そのまんま筋トレ」ですから、「ラジオ体操」でも勿論いいわけです。「大人のラジオ体操」に乗っかって、ひとつひとつの体操を見ていきたいと思います。

《「大人のラジオ体操」インデックス》
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これまでの内容をまとめます。

普段の日常動作を、無駄に力を入れてやってみると、いいことがあるんじゃないだろうか?無駄な運動どころか、し「無」いと「駄」めな運動なんじゃないだろうか?というのが、そもそものスタートでありました。

まず、余計な力を入れるわけですから、ダイエットになると思われます。

昔の不便な生活では、こういう余計な力が必要とされたのではないだろうか?とも思いました。

仕事では一部の筋肉を酷使するでしょうから、そのアンバランスを是正することも期待できそうです。

体は放っておくと脆くなって、カロリーを節約し、それを脂肪として蓄えようとします。ですから、日常的に力を入れて、脆弱化を防ぐ必要があります

腰痛とかひざ痛とか、予防のための体操ということで筋肉を鍛える体操を薦められる場合があります。しかし、その時だけ力を入れても、日常的に力を入れなければ余り効果は期待できません

体に余計な力を入れると言うと、苦痛を伴うように思われるかもしれませんが、体を伸ばすのに似ていて結構気持ちがいいものです

力を入れるということに関連して、低周波治療器操体法について考察しました。

日常的に筋肉に力を入れておきますと、スタンバイ状態の筋肉になって、いざという時に「イタタタ」ということが起きにくくなります

ずっと座ったままとか、ずっと立ったままとか、動きが無い時も筋肉が痛くなることがあります。これは最も効率のよい姿勢(いわゆる正しい姿勢)を維持するよりも、姿勢のバリエーションを増やして、負担を分散させた方が良いと思います。そのためにも、日ごろからいろんな筋肉に力を入れる癖をつけておくのが良いと思います

このバリエーションを探す方法として、傾いてみることを紹介しました。

《最初から読む》
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治療法が効く理由は、すべて解明されているわけではありません。解明されているようで、実は単なる仮説に過ぎないというのが殆どかもしれません。ただ、その仮説にも説得力の有るものと無いものがある…。操体法に関しては、よく分かりません。

操体法の考え方を改めて読ませていただいて、やはりよく分かりません。「からだの設計にミスはない」という本は以前読ませていただきましたが、解剖学等の勉強をすればするほど、人体は矛盾だらけで「失敗の進化史」だという捉え方のほうが自然だと思えるからです。

また、実際に治療してもらったことがありますが、「こっちとこっちでどっちに動かすのが気持ちいいか?」ということを何度も聞かれて、患者としてはそれを考えるのに疲れてしまうし、「反対に動かすと余計悪くなる」と言われてしまい、怖くなりました。そもそも「あなたの症状ならこっちに動かす方が気持ちいいはずだ」と治療師の側で言い当てるべきものなんじゃないかと疑問を持ってしまいました。

そんなわけで、基本的なやり方は教わったのですが、自分の治療には取り入れていません。ただ、効果を否定しているわけではありません。

ある筋肉に力を入れるとその拮抗筋の緊張が取れることがあって、これは神経を介した反射であると説明されているのを、以前読んだことがあります。操体法の効果は、例えばこの反射のようなメカニズムで説明するのがいいんじゃないかと思っています。

ところで、この筋肉に力を入れると拮抗筋の緊張が取れるということ…これはそのまんま筋トレでも期待できる効果だと思います。

《つづく》
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治療法が効く理由は、すべて解明されているわけではありません。解明されているようで、実は単なる仮説に過ぎないというのが殆どかもしれません。ただ、その仮説にも説得力の有るものと無いものがある…。低周波治療器に関しては、よく分かりません。

私はデジタル回路の設計やハードシミュレーションの仕事をしていたことがあります。低周波治療器は、極めて単純なデジタル回路にちょっとした安全回路を付けたものと言えばいいでしょう。

低周波治療器の上位機種として干渉波をうたった物もあります。私は、空間における電波の干渉波に関するシミュレーションの仕事もしたことがあります。体内でどのように干渉波が作用するのか、そのシミュレーションなどを見てみたいと思うのですが、見たことがありません。学会の論文とか探せばあるのかもしれませんが。

鍼灸師になって、数百万もする治療院用の低周波治療器を修行時代に使いましたし、数万円程度の低周波治療器は自分で購入して試してみました。でも、そこにハイテクと呼ばれる先端技術と同レベルの高級な理論があるとはとても思えない。

パッドを通して通電した場合と、刺入した鍼を通して通電した場合とでは、電圧のレベルがかなり違います。皮膚というのはとても電気を通しにくいのですが、少しでも切皮していれば格段に流れやすくなります。パッドによる通電は、とても流れにくい箇所に、無理無理電圧をかけて電流を流しているのです。果たして、皮下のどういう経路を電流が流れるのか、予測することができるのかどうか。

プロによる治療であるならば、どの筋肉をターゲットとして通電するのか、そのためには皮膚のどの部分に当てればいいのか、そういう研究がなされなければいけないと思います。それをやっている治療院もあるのかもしれませんが、私は見たことがありません。鍼を使った通電なら標的を絞ることは可能でしょうが、パッドでは難しいんじゃないだろうか?と個人的には思います。どの筋肉に電流が流れるかは運まかせ。だから、効く時と効かない時があるんじゃないかな、と。

ただ、効果を否定するわけではありません。例えば、数百ヘルツとかそれ以上の周波数で通電する場合、これは鎮痛効果を狙っているわけですが、皮膚を素手で引っ叩いた状態を電気的に作っているんだと思います。神経は刺激を受けると鈍くなる性質があります。電気を流すのもいいけど、素手で引っ叩いてもOKなのです。

数ヘルツの周波数の場合は揉みほぐす効果があると言われています。これと回路的に全く同じ物がEMSフィットネスマシンとか言う名前で売られています。かたやリラックス、かたやエクササイズ…。これはどっかに書いた内容、そう「そのまんま筋トレ」なのです。

どうせ治療院に行ってお金を払って、自分の筋肉で自分のコリをほぐさせられるのなら、「そのまんま」で、タダでできるのです(しかも、リラックスにもなり、エクササイズにもなる)。自分の筋肉は、自分の運動神経が出す電気刺激によって動かす…それが健康的というものです。

《つづく》
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前回書きました複数の動作パターンを探す方法をもう少し詳しく書いてみましょう。

座った状態で、腰の筋肉に手を当ててみてください。そして、右に傾いてみます。すると、腰の筋肉の左側に力が入るのが分かるはずです。左に傾けば右側の筋肉に力が入ると同時に、左側の筋肉は力が抜けるはず。

今度はお腹に手を当ててみてください。そして後ろに傾いていきます。すると、腹筋が硬くなるのが分かるはずです。逆に腰の筋肉は緩んでいるはず。

後ろに傾いたままで、しばらく居て下さい。腹筋が苦しくなると思います。前傾姿勢で仕事をしているときは、腹筋では耐え難いこの負担に、腰の筋肉はじっと耐えているのです。

腰の右側が疲れていたり、左側が疲れていたり、個人差もあるし、その時々で違いますが、このようにちょっと傾いてみるだけで、疲れている筋肉の負担を軽減することはできると思います。

また、首に関しても同様で、肩こりの軽減に応用することができます。

《つづく》
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