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NHK「爆笑問題のニッポンの教養#50」(10月7日放送分)を見ました。慈恵医科大学の近藤一博教授でした。今回は、この先生の研究内容が純粋に面白かった!

前に「疲れを感じるのはどこか?」ということで、自分の疲れを察知するメカニズムがまだ分かっていないということを書きました。この時点で、私はまだ、医学的に真の疲れとは何かを知りませんでした。

近藤先生のお話で、細胞内に疲労物質が蓄積するということがわかりました。これが十分に蓄積すると、その細胞は突然死してしまいます。それが例えば心筋の細胞だったりすれば、直接その人の突然死につながるわけです。

この疲労物質蓄積量が何%かというのは個々の細胞で違うでしょうから、全身の疲労がどのくらいかとか、致命的な疲労なのかどうか、何てことは脳は知る由もないわけですね。

それを一番最初に察知するのが、何と体内に潜入しているウイルス(HHV−6:ヒトヘルペスウイルス6)なのだそうです。幼児期に感染してから脳内などに潜伏し、普通はじっとしているのですが、疲労物質の蓄積を察知すると、「この人、疲れ過ぎてる。ヤバイんじゃないか?他の人に引っ越そうぜ。」ということで再活性化し、潜伏している場所から外に出てくる。活性化しているHHV−6がどれだけいるかを唾液などから調べると、その人の真の疲労度がわかる…というのが近藤教授の研究成果です。

ヘルペスですから、水疱瘡とか帯状疱疹の原因ウイルスと親戚だと思います。ひょっとしたらイコールなのかもしれない。疲れると帯状疱疹になることは以前から言われていまして、それは免疫力が低下するからだと思っていたのですが、疲れを察知したウイルスが活性化するという事情もあったのかもしれません。

休みの日にじっくり休むとかえって疲れが出てくる…という現象がありますが、これこそまさに、実際の疲れと脳が感じる疲れのミスマッチが生じている証拠と教授は考えています。休むことで脳が少し正気に戻って、疲れを察知できるようになるからではないか?とおっしゃっていました。

仕事の中に喜びを見つけて、疲れを忘れて没頭することがありますが、この状態が続くと鬱になったり突然死したりするんじゃないか?ということでした。「楽しければ疲れない」から、「仕事が趣味」というのは理想的な状態だと思っていたのですが、そうでもないようです。

ただ、極限まで疲労がたまってフラフラになった時に、ひらめいて難問を解決できたりするのも事実です。このひらめきは、再活性化したウイルスのお陰なのではないか?と教授はおっしゃっていました。「SFみたいな話だけど…」と言っていましたが、私もそれは突拍子もないことだと思います。教授もかなり疲れているようです。

《つづく》