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大乗起信論(岩波文庫版)
第三段「解釈分」の第三章「実践に入る道程の解説(分別発趣道相)―乗の意味」まで読みました。以下、自分なりにまとめてみます。

発心には、信成就発心、解行発心、証発心の3種(★)がある。

★1.信成就発心 (信心の成就を通じてさとりに向けて発心すること)

不定聚衆生(さとりに向けての実践が後戻りするかもしれない人たち)に関する。

かれらは、熏習と、かつて積んだ善根のもたらす功徳の力で、業の果報のあることを信じ、十善業を修め、生死輪廻の苦を厭い、最高のさとりを求めようと願って、諸仏を供養することを通じて信心を養う。

かれらの発心の3種(◆)。
◆直心(素直な心):根本心。心の真実のあり方を思い浮かべる。
◆深心(深い宗教心):自覚。全ての善行を集め積もうと願う。
◆大悲心:覚他。全ての衆生の苦を抜き取ろうとする。


修行法は以下の4種(◇)。
◇1.行根本方便(一切の行の基本となる修行法。法を正しく見ること。)
まず、一切の現象は本来不生であると観得し、誤った見方を離れて、生死に執着しない。次に、一切の現象は諸因縁の結びつきによって存在するもので、業の果報は消滅しないと観得し、大悲心を起こして、諸々の福徳を集めては衆生に廻らして、自らその力があっても決して涅槃に安住しない。諸法の本性(真如)は本来、生死にも涅槃にもとどまらないことを受け入れるからである。

◇2.能止方便(悪行防止のための修行法)
自己のした行為に関して慙愧し、過ちを悔いて、一切の悪行をなさず、これ以上増やさないように努める。ものの本性は本来、過失を離れていることを受け入れるからである。

◇3.発起善根増長方便(積極的に善根を起こし、さらに増やさせる修行法)
すすんで仏法僧の三宝を供養し、礼拝し、諸仏の徳を讃え共感する。ものの本性が知的妨げを離れていることを受け入れるからである。

◇4.大願平等方便(他を救おうという大願を誰に対しても平等に抱く修行法)
未来の極限に至るまで一切衆生を教化・救済し、皆が身体というよりどころを持たない完全な涅槃を完成させようとする。ものの本性は断絶せず、広大で、一切衆生に遍く行きわたり、平等・無二で、誰彼を考えることなく静まっているからである。

★2.解行発心 (予備的な修行道を通じて発心すること)

心の真実のあり方について深い理解に達し、ものの本性は個別的特質を離れていること(離相)を知り、六種の完全な行(六波羅蜜)の実践に努める。

★3.証発心 (法身を体得しておこす発心)

ものの真実のあり方(真如)を体得する。主観と客観の別が無くなる。

かれらの発心の微細な3種の相(◆)。
◆真心:無分別智。法身の証得が無分別であることによる。
◆方便心:大悲心。真心にもとづいて自ずから現われて、遍く衆生を利益する。
◆業識心:業として潜在的にはたらく心。方便心が衆生の間ではたらくためには生滅の相をもたなければならず、そのために微細な起滅を示す。

《つづく》