トトガノート

「鍼灸治療室.トガシ」と「公文式小林教室」と「その他もろもろ」の情報を載せています。

Tag:怒

ブログネタ
悟りへの道 に参加中!
仏の心と言えば、慈悲の心。どうして「悲」なのだろう?という素朴な疑問がありました。悲嘆にくれても仕方が無いじゃないか…という疑問。

「大悲とは、仏が常に衆生の苦難を救済しようとする大慈悲の心をもっていること。」ということですが、「救済しよう」という積極的な気持ちと「悲」という感情とが自分の中ではなかなか結びつかないでおりました。

それが、ある日、納得できるようになりました。「命のノート」を読んで、ボロボロ泣いているときに、「なるほど!これか!」と思いました。

何も悪いことをしてないのに、純粋無垢な小さな命が病気に負けて消えていかなければいけない。救う術は何もない。医者も最大限の努力をし、実の親のように悲しんでいるのだから、責めることはできない。このいたたまれない気持ち。何ともできない歯がゆさ。自分が何かできることはないのだろうか?何かをしてあげたい!という強い衝動。積極的であります。

積極的であるけれども、これは「怒」ではなくて、「悲」です。

このような「悲」は、自分と他者の区別が(涙で?)ぼやけてきます。「悲」は、利己的な気持ちを弱めます(自他の区別が薄らぐのですから)。そして「悲」は、他者を責める気持ちをも弱めます。

老・病・死という苦が無くならない現実は、誰の責任でもありません。そして、根絶することは絶対にできません。であれば、これを現実として「受け止める」必要があります。そして、この苦しみが少しでも減るように(量的改善)、少しでも緩和されるように(質的改善)、即ち救済を願い続けるしかありません。

痛み続ける胸に、両手を合わせてグッと押しつける…つまり、祈るしかありません。「非」の字のような手が、「心」の上にある。これを以って「悲」となす。

そんなことを考えながら、お盆を迎えようとしています。我が家は明日、墓参りです。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

ブログネタ
悟りへの道 に参加中!
現代は「怒」の時代だと思います。

何か問題が起きた時、即座にみんなが口にします。「誰が悪いのか?」犯人が見つかるまで、責任の譲り合い(一般的にはなすり合いと言う)も積極的に(臆面もなく)行われます。そして、犯人(いけにえ?)が見つかると、「責任を取れ!」と連呼して吊るし上げる。

これが定式化し、日常化し、当たり前のルーチンとなっているようです。天下国家の一大事から、テーブルにジュースがこぼれた!というような問題に至るまで、このルーチンで処理されています。

そこには、「世の中は誰か悪い人がいない限り、問題は起こらない」という前提があるかのようです。そして、「悪い人は徹底的に懲らしめなければならない」というルールもあるかのようです。

このルーチン処理を行っている時の感情は「怒」。何か問題が起きると、私たちは必ず「怒」に支配されます。まさに、私たちは「怒」の時代を生きていると言えます。

「怒」は、自分と他者を徹底的に区別します。「怒」は、他者とは違う自分を徹底的に正当化します(犯人たる他者に責任転嫁することの裏返しです)。そして「怒」は、正義の名の下に、徹底的に他者を排撃します。寛容が入り込む隙は有りません。

動物も持っているような単純な怒りは、身体の活動を奮い立たせ、天敵との戦闘や逃走に適した肉体的状態を作ります。人間が仕事をする場合でも、肉体労働に限らず精神的な労働においても、このような緊張状態は必要だと私は思います。

仏教とてこれを禁じてはいない、と私は解釈しています。

問題なのは、つまり仏教が禁じているのは、必要以上にあらゆることをこの「怒」の状態に持っていく思考回路、すなわちルーチンだと思います。このルーチンのプログラムを変更する必要がある。

それには、「世の中は誰か悪い人がいない限り、問題は起こらない」という暗黙の前提を捨てる必要があります。「世の中は誰も悪い人がいなくとも、問題が起こってしまうのだ」という前提に置き換えなくてはいけません。

そうすれば、問題が起きた時に、それを「受け入れる(妥協)」でもなく「受け付けない(拒否)」でもなく、「受け止める(中立)」ことができるはずです。

そうすれば、責任者とおぼしき人物が洗い出されたとしても、「本当にその人だけを責めることができるのか?」と思う余地が出てきます。つまり、寛容の入り込む隙が生まれます。

さらに正義は争いのもとであることを想起すれば、拳を振り上げるようなことも滅多に起こらないはずです。

このようなプログラム変更を行って、問題発生と「怒」が直結する回路を断ち切らなければなりません。「怒」ではなく、みんなの輪、つまりドーナツの「ド」につながる回路にしなければなりません。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

↑このページのトップヘ