宮内庁長官の発言が波紋を呼んでいるようです。近くに住んでいらっしゃるはずなのに、それしか会ってないの?という驚き。そして「嫁姑問題かな?」とため息をつく方が多いのではないかと思います。こういうプライベートな問題は触れるべきではなかったのでは?とも思います。

天皇家に嫁姑問題があるかどうかはわかりませんが、日ごろ社会勉強させていただく中で感じるのは、「仲がいい嫁と姑」などまずありえない!ということです。だから男としてできることは、まず第一に母と妻が仲よくすることなど諦めて、よその家庭の話を聞いて「そこよりもうちはマシだな」と思い、自分の母と妻に感謝することです。

「夫婦喧嘩は犬も食わない」と言いますが、同居している家族のいざこざというのはほぼ90%下らない内容です。下らないから解決できないのです。どちらが正しいとか間違っているとか決められません。どちらにも言い分があります。必ず水かけ論になります。

正しいか間違っているかの選択を迫られるわけではないので、岐路に立たされた男は決断できないのです。結局、親への孝を取るか、妻子への愛を取るか、なのです。そして苦しみながらも後者を取るのが「男の道」だと私は思います(もちろん、妻に著しい問題がある場合はその限りではありませんが、それはいわゆる下らない問題でこじれているケースではありません)。

だから、自分の卑近な経験と重ね合わせるのは大変失礼だとは思うのですが、「皇太子殿下頑張れ!」の気持ちでいっぱいなのです。次男の方が早く結婚が決まるとか、後継者にこだわる家ほど男児に恵まれないとか、身近で聞く話と天皇家の事情があまりにも似ているので、勝手に思い込んでしまっています。

お爺ちゃん、お婆ちゃん、お父さん、お母さん、みんな白黒はっきりしないまま、お互いに苦悩を抱いたまま暮すのが家庭なんじゃないかと思います。苦楽を共にするといいます。楽だけを求めて白黒はっきりさせようとすると皆が不幸になります。最終的に願うべきは子供の幸せです。

天皇家も典型的な一般家庭と同じような問題を抱えているかもしれない、ということが今回露見しました。やはり天皇は神ではなかった!でも、こんなことを言うと怒られるかもしれないけれど、この非常にプライベートな苦悩も、日本国民の象徴という務めのひとつかもしれない。そもそも宮内庁長官が言及したのだから、これは公務である。

ともかく願うべきは、ひとえに愛子さまの幸せ。それだけが皆の願いです。