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「空海の夢」(春秋社)
「18.和光同塵」を読みました。

《以下引用》
…空海の神々にたいする態度はなかなか凛としている。

弘仁十年・空海は高野山の七里四方を結界するのであるが、そのときの啓白文は「敬って十方諸仏、両部大曼荼羅海会の衆、五類の諸天および国中の天神地祗、ならびに此の山中の地・水・火・風・空の諸鬼等に白さく」という高らかなファンファーレではじまっている。さらに壇場を結界するときの啓白文では、「諸々の悪鬼神等、みなことごとく我が結界するところ七里の外に出で去れ、正法を護らん善神鬼等の我が仏法の中に利益あらん者は意に随って住せよ」と、これまた決然と宣言する。神仏習合による七里結界によほどの自信があったかとおもわせる。…

…以上の高野結界にあたっての空海の活動はいわゆる和光同塵の先駆性が発揮された例として重視されるべきである。しかもこの傾向はその後もしだいに強まり、密教は日本全国の神仏習合に拍車をかける主役をになうことになる。

修験道ばかりではない。とくに台密がおこした山王一実神道や、中世において伊勢神宮の内宮と外宮を金胎両部のマンダラにしてしまった両部神道の出現はことのほかおもしろく、それこそ第七章にのべた密教のエントレインメントの特徴をよく体現したのであるが、残念ながら空海を主人公とした本書の主題からややはずれてしまうので割愛することにする。
《引用終わり》

エントレインメントとは習合のことなのかもしれません。

《つづく》