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いつものようにNHKオンデマンドの番組を流しながら事務処理をしようと思いまして、「SONGS心に響く歌2010」というのを何気なく選びました。歌だったら画面見ないで聴くだけだから、ながら仕事にはちょうどいい…と思って。ところが、全然ダメでした。心に響き過ぎたのです。

クミコの「INORI〜祈り〜」。広島平和記念公園に立つ、折り鶴を掲げた「原爆の子の像」。2歳で被爆、12歳で亡くなった佐々木禎子さんがモデルになっています。

こういう重いテーマはいつも敬遠しているのですが、何気なく聞いてしまっただけにショックでした。

原爆症の薬を毎日飲む。昔、薬は正方形の紙に包まれていました。しかも、対角線に折られている。折り鶴の折り方と同じ。いつしか少女は薬の紙で折り鶴を折り始める。

もう自分は治らないだろうことに気づいている。近いうちに死が訪れることに気づいている。死が刻一刻と近づいてくる恐怖、「生きたい」という内からこみあげてくる悲鳴。しかし、それらを口にしても仕方がないことも少女は知っていた。

ただただ震えながら、毎日増え続ける折り鶴に語りかけた。そして祈りを込めた。千羽になったら…もしかしたら…


そんな光景をイメージして、ただただ私も泣いて泣いて泣いて…悲し過ぎます。

その後に衝撃的な番組を見てしまいました。NHKも憎いことしてくれます。それが「原爆投下を阻止せよ」という番組。

原爆のプロジェクトは秘密裡にバーンズという高官によって進められた。この人は予算集めが上手で、アメリカ史上最大規模の国家予算が「マンハッタン計画」に投入された。代わったばかりのトルーマン大統領に原爆の投下を強硬に勧めたが、その主な理由はどうやら2つ。1つは、当時東欧に勢力を伸ばしていたソ連を牽制するため(これはきちんと記録が残っている)。もう1つは、膨大な税金を投入してしまったために、原爆が不発に終わったのでは格好がつかない。原爆を使う前に日本に降伏されては困るので、日本に提示する降伏の条件から天皇制の維持を認める条項をバーンズは独断で削除している。

つまり、ヒロシマじゃなくても良かった。どこでも良かった。アメリカは、通り魔程度の動機で原爆を投下した…。

実は、この番組の主役はグルーという高官で、この人はバーンズの動きを阻止して原爆投下をやめさせようとしました。アメリカにもまともな人はいたのか…と思おうとしたのですが、グルーはウォール街の人間で、日本に投資した資金が無駄になるのを恐れて原爆投下に反対していたらしい。つまり銭ですね。

やれやれです。神も仏も無いのか…米大統領は聖書に手を置いて就任の誓いをするらしいから、やはりニーチェの時代に神は死んでいたんだなと思ってしまいます。死んで仏になったかもしれないから、やはり仏を拝むしかない…

こんな状況でも私たちは怒ってはいけないのですね。ただただ悲しみ、祈るしかない…