ブログネタ
爆笑問題 に参加中!
NHK「爆笑問題のニッポンの教養#39」(6月3日放送分)を見ました。先生がむしろホストのような感じで、何を研究されているのかよくわかりませんでしたが、ゲスト?の太田さんの話がとても良かった。落語の「千両みかん」の話を紹介して、物の価値が非常に相対的であることを話しました。お笑いとして、落語も勉強しているんだなと、感心しました。

太田さんは、こんな話もしてくれました。

貧乏画家がいて、紙や絵具が手に入らないときには、その画材の価値はその画家にとって何ものにも代えがたいものです。やっと手に入って、絵が仕上がったとき、その価値は絵に移ります。その絵がそれなりの値段で売れた時、その価値は代金として手に入ったお金に移ります。そのお金でまた画材を買い、絵を売り、お金を得て…という循環を繰り返す中で、価値は目まぐるしくグルグルと移り変わるわけです。

さて、この画家にとって最終的に最も価値あるものは何か?と言えば、彼自身の画家としての技術であり才能です。お金を介して、お金と交換できる価値が、彼の前をグルグルと循環しましたが、それによって得られた最もかけがえのない価値あるものは、金では買えないものである…

いい話ですね。我々は毎日、お金を介して経済活動をするわけですが、われわれにとって最も価値あるものは、お金では買えないもの(その値打ちをお金と交換することができないもの)のはず。経済活動はそれを磨くための手段でしかない。そういう感覚が倫理ではないだろうか。それを忘れ、お金そのものが最終目的になってしまうと、村上ファンドの村上さんのように「お金儲けして何が悪いんですか?」という気持ちになってしまうんじゃないか?

「あの発言は間違いだとは思わないけど、あんな場所で言っちゃいけなかったね。」という橘木先生の発言は私も同感。ここだけ、先生に拍手。

お金で買える(代えられる)「価値」と代えられない「価値」。同じ「価値」という言葉だから混同しやすいですね。混同すると、本当に大切なものを見失ってしまう…

はっきり区別できる言葉、何かありませんかね…

《つづく》