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この本は1992年に初版が出ておりますので、約20年も前の内容ということになります。公文式の英語教材も何度か改訂されているでしょうし、昨年からE-ペンシルという新兵器も登場していますから、その辺の事情は十分加味した上で読まなければなりません。
まず、従来の英語教育について文法教育への偏重が指摘されています。ただ、悪い点ばかりでもない。
《以下引用》
文法知識をつけることが目的ではないにもかかわらず、これを目的化するような英語教育は、否定されて然るべきです。しかし、外国語を効率よく学習するための文法は、もっと生かされて使われるべきです。
《引用終わり》
一方、その反省から盛んになった英会話教育ですが、これにも問題が無いとは言えない。
《以下引用》
本来、会話には、多岐にわたる言語の諸活動が、いちどに、しかも瞬時とも言える短い時間のうちに要求されています。相手の言ったことを口まねするだけならば、音のまねということですが、一般には、会話はまず聞く能力、それも、音として聞き取る能力と、聞いたものを即座に理解する能力が、同時に要求されます。そして、話す能力、伝えたい意味内容に従って文を組み立てる能力と、それを相手に伝わるよう発語する能力、さらに状況に見合う対応能力など、まさにさまざまな能力が凝縮された言語活動と言うことができ、難しいのは当然のことなのです。今述べた、本来の会話、コミュニケーションレベルの会話と、口まねやあいさつレベルの英語との間に、大きな溝があることがおわかりいただけることと思います。
会話が目的、だから会話を学ぶという誤りが、この点に潜んでいるのです。
《引用終わり》
英会話スクールは、ネイティヴの講師を起用したものも含めて、随分増えました。英語で歌って踊って…という楽しさをアピールすることで、かなり集客にも成功しているかもしれません。でも、そういう「口まねやあいさつレベル」の英会話教育なら、わざわざ金を払ってするまでもありません。そこを「掴み」として、その後、どこまでステップアップさせてくれるかが、教育としての真価だと思います。
この本のサブタイトル「子どもたちに英語の原書まで」が示すように、まず、「読み」の力からステップアップさせていこうというのが公文式英語教育の方法のようです。言語には「聞く・話す・読む・書く」という4つの領域がありますが、まず「読む」ことで底上げしていくということですね。「読む」ことを重視する方針は、公文の国語教材についても共通のような気がします。
公文式であっても、ビギナーは「口まねやあいさつレベル」から当然始まりますが、E−ペンシルの導入でとても良くなったと思います。発音を確認したくて同じ単語を繰り返し何度も聞きたいという気持ちは、幼児さんであっても抱きます。相手が大人であると(ネイティヴであれな尚更)、「もう一回言って!」というのは幼児さんであっても言いにくい。E−ペンシルならば何度も繰り返し再生させて喜んでいますから、発音の習得もよくできるようです。
《つづく》