【きょうの健康5月号から】
・一般にめまいの2/3は耳の病気、一割は脳の病気、他に心理的要因や血圧異常が原因
・三半規管や耳石器の情報を処理するのは脳幹小脳。ここでの出血,梗塞,腫瘍。激しい頭痛,手足が動かない,ろれつが回らない場合は重大。

良性発作性頭位めまい症:三半規管に剥がれ落ちた耳石や老廃物がたまるのが原因。「寝返りを打った時」「寝床から起き上がった時」「靴紐を結ぶため前かがみになった時」「棚の上の物を取ろうとして頭を反らせた時」など、頭を特定の方向に動かした時に起こる。一分程度で治まるが、同じ動作をするとまた起こる。吐き気、嘔吐も伴う。聴力の低下はない。骨粗鬆症などカルシウムが不足すると耳石がはがれやすくなるので、起こりやすい。薬は効果なし。三半規管内の耳石等を耳石器に戻す治療が有効。

メニエール病:三半規管,耳石器,蝸牛の内リンパ液の増加が原因。激しい回転性めまい。難聴と耳鳴りがほぼ同時に起こる。数十分〜半日程度の持続だが、繰り返す。吐き気を伴う。几帳面でストレスをためやすい人、働き盛りの人がなりやすい。利尿薬,循環改善薬,ステロイド(内耳の働きを改善),精神安定薬。趣味やスポーツで気分転換。手術(内リンパ嚢の切開)。

前庭神経炎:前庭神経の炎症や血流障害が原因。突然一回だけ激しい回転性めまい。聴力低下は起きない。軽いめまいや浮動感が続く。期間の長さは個人差。三半規管の情報が前庭神経の障害で脳に伝わらなくなる。風邪のあとになりやすい(ウイルス感染?)。入院し、ステロイド投与(神経の働きを改善)。

突発性難聴:蝸牛,蝸牛神経の炎症や血流障害が原因。突然片方の耳が聞こえなくなる。耳鳴りも。ひどいとめまいやふらつき。蝸牛(聴覚を司る)や蝸牛神経の障害で難聴となる。病変が三半規管,耳石器,前庭神経に及ぶと、めまいやふらつきを伴う。入院し、ステロイド投与(神経の働きを改善)。治療が遅れると聴力回復が困難。発症後1週間〜十日以内の治療開始が望ましい。

【取穴】
・水毒に対して:百会,失眠,腎兪
・消化器異常に対して:足三里,脾兪
・頚部筋の過緊張に対して:天柱,風池,百労(大椎の両脇)。