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「龍樹」(講談社学術文庫版)
「?ナーガールジュナの思想」の「5論争の意義」の後半を読みました。

ナーガールジュナの思想を論敵の方から見ているので、ナーガールジュナ自身の思想がまだよくわかりません。

《以下引用》…以上「八不」を手がかりとしてかんたんに『中論』における否定の論理を検討したのであるが、このように『中論』が種々なる否定の論理によって<法有>の主張を排斥しているのは一体何を目的としていたのであろうか。
 簡単にまとめていえば、その最後の目的は、もろもろの事象が互いに相互依存または相互限定において成立(相因待)しているということを明らかにしようとするのである。すなわち、一つのものと他のものとは互いに相関関係をなして存在するから、もしもその相関関係を取り去るならば、何ら絶対的な、独立なものを認めることはできない、というのである。…《引用終わり》


随分、簡単にまとまったもんですね…

《以下引用》…この<相因待せること>を別の語で「縁起」とよんでいる。…チャンドラキールティは、「論書(『中論』)の闡明すべき目的は、不滅等の八つの特徴によって特徴づけられた縁起である」(『プラサンナパダー』)と断言している。八不がそのまま縁起なのである。…《引用終わり》

中観派の哲学は西洋の懐疑論者たちの哲学に似ているのだそうです。

・「反対として対立しているものは、互いに他の反対のものを含意している。悪を持たない善は論理的に不可能である」(クリシッポス)

・「悪が存在しなくても善は存在し得たと考える人々ほどばかげたものは無い。善と悪とは対立しているのであって、両者は対立において存立するにちがいない」(B.ラッセル)

・「浄と不浄とは互いに依存して成立する」(『中論』)

・「喧嘩するほど仲がいい」(昔の日本人)…ちょっと違うかな?

確かに似てますね。でも、ここで終わらずに、この論理を通して縁起を解明したのがナーガールジュナの凄いところのようです。

《つづく》