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小林教室周辺の教室が共同で図書を購入して、巡回図書館のようにしています(通称「おにぎり文庫」)。今月の一冊でした。
一見すると、北国のきつねの親子の話。確かにそれだけでも悲しい話。でも、それだけじゃないんですよね。
さりげなく、ちらりちらりと見え隠れする「戦争」の影。きつねたちに酷いことをするのは兵隊さんたちだし、優しいおじいさんとおばあさんが戻って来れなかったのも戦争のせい。
人間社会とは無関係なはずの野生のきつねを描いているのに、戦争の暗い影を強く匂わせている。戦争がもたらす大きな悲しみを、きつねを題材にして描いている。
実に巧みな本です。