私たちはオールインワン(全知全能)だった。

全て(オール)は私(ワン)だった。

でも、それは寂しいこと。独りぼっちということだから。

誰かを見つめたい。誰かと話したい。
誰かに見られたい。誰かに話しかけられたい。

そんな衝動から、私は私たちになった。

私からあなたが分離した。
私から彼も彼女も分離した。

一本の樹が、たくさんの葉っぱに分かれるように。
大海の水が、無数の波に分れるように。

それぞれが考えていることは、お互いには分からない。
分かったら、話す必要は無いからね。
分かり合える喜びに気づかないからね。

分かり合えないから寂しいのではない。
何もしなくても分かるのが寂しいから、分かり合えなくしてあるのさ。

《つづく》