*** To meet his wife, the old man went to the hospital every day. ***

老々介護の柴田連太郎さん(仮名)が歩けなくなったというのは一大事である。車で30分くらいのところに息子さん夫婦が住んでいるとは聞いていたので、とんでもない事態には至っていないだろうけれども。急いで柴田さんのお宅に伺った。

連太郎さんは立つことはできた。辛うじて歩くことも。ただ、左足に体重をかけられない。お尻の横、股関節の上に付いている中殿筋が凝り固まっているので、力を入れるたびに激痛が走るのだ。

施術していると、連太郎さんがポツリと言った。
「家内は病院に行ったんですよ。」
確かに朋子さんの姿が無かった。トイレにでも行っているのかと思っていた。

一年ほど前から老人ホームに移っていたらしい。そして先月から病院に入院しているとのこと。特に何か病気にかかったということでもないらしい。認知症が進んだということなのだろう。老人ホームに居るときは、毎週水曜日に息子さんの車で面会に行っていた。病院は老人ホームよりも家から近いので、毎日行っているとのこと。徒歩か自転車で。

「会いに行っても私が誰かは分からないから張り合いは無いんですけど。でも、行ってあげないとね…」

義務感から行っているような言い方をするのは、照れだと思う。会いたいという気持ちが無ければ、毎日続くはずがない。

「奥さんに会うためにも、早く治さないといけませんね。昨日なったばかりですし、押したときの痛みも嫌な痛みでなければすぐによくなると思いますよ。」と私は言った。

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