11月25日に、関戸博樹さんの講演を聴いてきました。その中で、「生業(なりわい)と仕事」という言葉が出てきました。

生業(なりわい)とは収入を得るためにすること、仕事とは地域のためにすること、という定義です。最近は、生業の意味で「仕事」という言葉を使いますから、仕事をする人がいなくなってきているわけです。そういう人がいないとコミュニティは立ち行かなくなるわけですが、それを担おうとする使命感とか義務感を持つ人が激減しているというのが現状。

関戸さんがおっしゃるのだから、全国的な傾向なのですね。

さて、最近の私のバイブル「スタンフォードのストレスを力に変える教室」では、ストレスを受けた時、利己的な行動に出る人がいる反面、利他的な行動に出る人いる、と述べてあります。「ストレスを感じているときは、仲間を強く信頼し、寛大になり、自分のためを思うよりも仲間を守ろうとします。(p217)」

で、これは「思いやり・絆反応」と呼ばれ、ストレスホルモン(ストレスを感じた時に分泌されるホルモン)のひとつ、オキシトシンによることが分かっています。他にもドーパミン、セロトニンが分泌され、信頼、勇気、やる気、自信、知覚、直感、自制心などがアップし、恐怖は感じなくなります(p220)。

オキシトシンは、特に心臓細胞の再生や微小損傷の修復に役立ちます(p114)。そして、最後の章では以下のようにまとめてあります。

ストレスは健康問題のリスクを高めますが、周りの人の手助けをしたり、仲間やコミュニティのために定期的にボランティア活動を行ったりしている場合には、そのようなリスクは見られません。(p331)
Stress increases the risk of health problems, except when people regularly give back to their communities.

つまり、地域のための仕事をすると、健康になる(可能性がある)のです。まさに「情けは人の為ならず」と言ったところでしょうか。