11月25日に、関戸博樹さんの講演を聴いてきました。その中で、自己肯定感という言葉が出てきました。国際比較した時に、日本の子どもたちは著しく低いという調査結果が紹介されました。

この調査、最近、何度か目にしています。自己有用感と共に、「自信」を持つために必要なものです。

講演では、遊びとは「自分で自分の物差しを決める」ことという定義を基に、遊びが「自己肯定感」を育むから遊びは大切であるという流れだったと思います。

日本人は、自信過剰の弊害ばかりに着目してしまう傾向がありますが、行き過ぎになってしまったようですね。

私が「自己肯定感」という言葉を初めて見たのは、心理学の本、確かレジリエンス(resilience)の本だったと思います。レジリエンスは、気持ちが凹んだ時に元に戻る回復力のことです。「自信」は、レジリエンスを構成する大きな柱のひとつです。

さて、最近の私のバイブル「スタンフォードのストレスを力に変える教室」では、ストレスを受けた時の反応には望ましくない「脅威反応」と望ましい「チャレンジ反応」があり、後者を起こりやすくするための「もっとも効果的な方法は、自分の個人的な強みを認識すること(p198)」とあります。

「チャレンジ反応」は、試合とか試験とか、絶対に外せないという大きなプレッシャーを感じる舞台で、緊張をむしろエネルギーに変えてしまう反応。そのスイッチになるのが「自信」なのですから、日本人はこれからどんどんプレッシャーに弱い国民になる可能性があるということです。

また、p282には「逆境がレジリエンスを強化する」という言葉もあります。ここで言っている逆境は、PTSDに至るような絶望的な状況ですが、小さな逆境でもレジリエンスは強化できるはずです。

例えば、毎日遊んでいて「あ、やばいかも」と思うような瞬間。そこで、子どもなりの「認知→判断→行動」で、危険回避の実績を積むことで、たまには失敗をはさみながらも、自信を深めていけるでしょう。

そのため望ましい遊び場を考えると、「あ、やばいかも」と思う瞬間がほどほどに発生する場所ということになります。それは、ほどよい管理不行き届きな状態の場所に他ならないわけです。