なぜ、それを好きになるのか?脳をその気にさせる錯覚の心理学の「第5章.すぐに使えるなんとなく好かれるテクニック」(p149〜184)の「第3節.行動が好みを変える」(p176〜184)を読みました。(小林教室収蔵

「認知的不調和」というそうですが、「おいしそうなのに食べられない」「大変な仕事なのに報酬が少ない」「自分が買った商品のレビューでの評価が低い」などなど、受け入れたくない現実に出くわした時は心穏やかでない状態になってしまいます。

これを落ち着かせるために、私たちはどうしているのか。

まず、「そうしたかった!」という自分を変えてしまうのだそうです。「あんなおいしそうに食べてるけど、そんなにおいしいはずがない」とか「お金のためにやっているわけではない」とか「そんなとこにケチつけるなんて神経質だな」とか。

教育で考えてみますと、そもそもテストで良い点を取りたくない、誉められたくない子どもなんていないはずなのです。だから、望ましくない点数(現実)に出くわしたときに、「別に勉強できなくたっていいもん」とか「このテストはどうでもいいもん」とか、向上心を変化させて適応してしまうのでしょう。何回かのテストでこれを繰り返せば、この適応が強化されていきます。これでは何のためにテストしているのか分からなくなります。

さらに、カルト教団の信者などに見られることだそうですが、自分を変えるだけに止まらず、周囲に対しても熱心になるようです。落ち着かない(信念が揺らいだ)状態が続けば、ますます熱心にのめり込んでいく傾向があるそうです。

オレオレにひっかかってるんじゃないか?と思いつつも大金を振り込んでしまうのも、この心理かもしれません。

勉強でこの状態になれば、成績はグングン伸びるかもしれません。もちろん、危険思想に染まってしまう可能性もあるわけですが…。

逆境が人間を強くするメカニズムの一つかもしれません。これをうまく使うことができれば、逆境は逆境ではなくなります。

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