「新・ヒトの解剖」の「6.骨まで愛して」(p180〜207)を読みました。(小林教室収蔵

《以下引用(p198)》
…骨の数は、成長とともに増えるのではなく、逆に減少することが知られている。ある計算では、生まれたての赤ちゃん(新生児)では、約350個の骨があるのに、成人では、約206個に減るという。というのは、もともと別のいくつもの骨であったものが、成長の過程で癒合して、一つの骨になるからである。例えば、下顎骨は生まれた時は左右二つの骨であるが、成長の過程で二つの骨がくっついて一つになり、後頭骨は四つの骨が一つに癒合する。また、…、腸骨・恥骨・坐骨の三つの骨が癒合して寛骨になるといったぐあいである。

また、新生児では頭の骨にかなりのすきまがあいている。左右の前頭骨と頭頂骨のあいだには、大泉門という四角形のすきまがあり、頭頂骨と後ろの後頭骨のあいだには、小泉門という三角形のすきまがある。これは、赤ちゃんが狭い産道(膣)をとおって生まれてくるときに、頭の骨がひきのばされたり、あるいは折り重なったりして、頭が変形できるようになっているためである。このとき、産婦人科医や助産婦は、赤ちゃんの頭をさわって、骨のすきまの形から頭の前後を判断する。つまり、四角形の大泉門の側が赤ちゃんの顔のある方で、三角形の小泉門のある方が後ろ側だ、というわけである。
《引用終わり》

一つの鋳型では製造できないような複雑な形状を実現するために幾つかの部品に分けて製造するようなことが、人体の場合にもあるというのは面白いです。

新生児の体は柔らかいとはいえ、大切な頭がそんなふうに融通がきくというのもスゴイ仕組みです。

《インデックス》

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