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「オランダの個別教育はなぜ成功したのか」の「第2部 オランダ・イエナプラン教育」(p79〜195)「第一章 イエナプラン校を訪ねる」(p82〜142)の「静かな学びの場」「学校職員のチームワーク」「保護者の参加」を読みました。(小林教室収蔵

まず、「静かな学びの場」の章に関してですが、「静か」というのがどの程度のものか、実際に見てみないと分からないですね。静か過ぎて集中できないという場合も無いとは言えません。国民性や個人によっても適度な静かさがあると思います。

ある学習塾では、集中力をつけるために敢えて静かにしないという方針を取っているという話を聞いたことがあります。蝉の声が聞こえる中でも閑かさを感じられるような精神力も必要な気がします。

《以下引用(p137)》
前もって答えが用意されておらずどんな発見があるかわからない、また、いくつもの答えが見つかるかもしれない、オープン・エンドの問いとしばらく向き合う、という経験は子どもの探求心や好奇心、洞察力を育てるきっかけになります。答えをすぐに教えたり説明したりすることが適切であるとは限らないのです。
《引用終り》

この点は全く同感です。

次に「学校職員のチームワーク」から。

《以下引用(p139)》
オランダでは、基本的に、学校ごとに教員を募集、採用します。つまり教員は、その学校の理念や教育方法をすでに知っており、その上で、自分で納得してその学校に就職していくのです。また、オランダの学校では、同じ教員が、2,30年にわたって一つの学校で教えるというのが一般的です。この自主的な選択による就職と一つの学校での永続的な勤務という慣行が、教員のチームスピリットを比較的作りやすい環境にしている、といえると思います。もちろん、人間は一人ひとり違いますから、時には、摩擦やすれ違いもあることでしょう。実際に、校長先生や教員チームのメンバーが、ほかの教員との円滑な関係を維持できずに、解雇されたり自主的に転任していくケースも現実にはたまに耳にします。
《引用終り》

オランダは、公立の小学校も同じ地域にいくつか散在し、競争関係にあるようです。保護者には選択の自由があります。であれば、教員の雇用形態はこのような形の方がいいのかもしれません。学校ごとに個性があり、その個性を理解した教員や保護者が子どもを教育していくのは非常に理想的だと思います。

しかし、日本の公立の小学校は基本的に学区制ですから、ユニークな校風はむしろ弊害の方が多くなるのかもしれません。教員も個性的でない方が望ましい。どこの店に行っても同じサービスが受けられる全国チェーンのお店のようになることが無難なわけです。

どちらも一長一短だと思いますが、塾経営の立場から言えば、日本の場合は個性的な塾に子どもを入れなければ、はっきりとした方向性のある教育はできないと言えます。さらに公文式について言えば、同じ公文式でも指導者によってやり方はかなり違っており、保護者は各教室が出しているアナウンスや評判を参考にして、近くのいくつかの教室の中から選択することができます。非常にうまい相補関係が築ける状況にあると見ることもできます。

最後に「保護者の参加」から。

《以下引用(p140)》
しかし、このようなオランダの一般的な学校と比べてみても、イエナプラン校は特に、保護者の学校活動への参加に積極的で、学校は、教員と保護者とが協力して子どもの養育・教育にあたる場である、という考え方を強く打ち出しています。
《引用終り》

この点に関しては、日本でも地域差があるかも知れませんが、うちの子が通っている小学校は一生懸命だという印象を(一応は)受けます。具体的には、親子参加の行事が多いということです。ただ、これが「保護者が学校活動への参加に積極的」と言うことになるかどうかは甚だ疑問です。去年もやったから今年もやりましょう、という流れになっていないかどうか…。また、親子行事の準備のために子どもと過ごす時間が削られるという事態もあるわけで、保護者間でも温度差はかなりあるような気がします。

前項の論点からすれば、公文式というオプショナルな教育をされている保護者さんは塾への理解と積極的な参加が基本的には期待できそうです。しかしながら、学校の行事、地区の行事、さらには他の習い事もやっているということになると、かなり多忙な方が多く、塾としての催し物を増やすのも憚られるところもあります。もちろん、これを何もしない言い訳にしてはいけないわけですが。

保護者の方々のすきまの時間に入り込んで、ご理解を深めていただく方法として、ネットは非常に有効だと思っています。もちろん、ここでデジタル・ディバイドが発生してもいけないわけですが…。

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