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「ちょうどの学習×ちょうどにする指導」の「自学自習と教材の力」(p229〜389)の「英語教材から考える:基礎基本とは何か」(p273〜307)を読みました。(小林教室収蔵

特に英語で起こりやすい問題点が指摘されています。

《以下引用(p302)》
学校英語を10年ちかく学んでも役に立つ英語どころか、日常会話すらできなかったという声はしばしば聞く。また、ヒアリングがよわい、スピーキング力がついていないと嘆く声もよく聞く。…

英語の文章をかなり読んできたのに、成果が外に出ないのは、本人は「かなり読んだ」というその「かなり」がじっさいのところ、そうでもなかったということなのだ。英文を読むには読んだが、翻訳を完成することが学習の自己目的となって、英語を自分のものにする「運用上の言葉のきまり」にまで学習がたどりつかなかったため、英語力の発展、その転化をはばんでいたのである。日本語訳を読んで英語の内容を理解したと思ったのは、じつは英語を理解したのではなく、対訳である日本語がわかったと感じたまでのことだったかもしれない。英語を理解したというのが錯覚で、学習者である自分の英語力の実態が見えにくく、かえって「学習の上すべり」を引き起こしている危険がたかい。
《引用終り》

学習者の側だけでなく、指導者の側でも…

《以下引用(p306)》
英語教育ほど、指導者の恣意的な指導がはびこる科目もないのではないだろうか。とくに自分自身、英語ができると考えている指導者ほど、この傾向がつよい。
《引用終り》

英語教育で陥りがちな問題は、格別に他の教科と違うことをしようと気負うところに起因しているようです。

《以下引用(p302)》
斉田先生の教室での英語指導は、数学となんら変わるところがない。学習中の生徒が教材を「ちょうどの学習」でしていないと知らせが来れば、先生はその生徒に自学自習で学習ができるまでにする、すなわち、「ちょうどにする指導」を個人別にするのである。自学自習にする指導をすることなく放置して、文法や語彙や音読についてのチェックをして指導をしたとする一般の教室とは大きく異なる。

さきに示した「運用上の言葉のきまり」が生徒の頭のなかで正確に位置を得て、課題に応じた英語をモノにするまで指導はおこなわれる。ときにノートに英文を書かせて読解力の指導をするときもある。先生の場合は、数学でもそうだが、生徒には学習用のノートを持たせている。このノートにその生徒の教材の学習で問題になる注意点を書かせる。定着だけをはかる目的ではない。あくまで宿題をはじめとした、これからさきの学習に役立つ内容をノートに書かせて、自学自習をしやすくするのである。しかし、これ以外の指導、たとえば、単語テストをしたり、英文を暗唱させたり、英会話の練習を加えたりなどは、いっさいしない。あくまで教材一枚の学習を徹底して掘りさげ、生徒の腑に落ちるまでにするのだ。「聞く・話す・読む・書く」の四領域にまたがるバランスのとれた習熟は、一枚の教材に必要十分なものにしぼって、すべては教材進度が解決していくものと考えている。だから、いきおい教材進度がはやくなる。英語のすきな指導者がこだわる発音のじょうずさやヒアリングの訓練、読みのスピードなど、あまり関心がない。…斉田先生の教室では、教材学習が音として読まれながら学習できているかどうかのほうが重要なのだ。この読みながら教材を解く学習態度が次の一枚の教材にとって必要になる。形だけのヒアリングにおちいっている生徒には、ヒアリングはしないで、教材の読解問題をつうじて読みの指導の徹底をおこなうのがふつうである。

先生が生徒をおこなう指導では、数学における計算過程での頭のうごき方をみるように、読解力のともなった余裕のある読みができているかどうかを診る。しっかりと読めないまま学習している生徒がいたなら、その読みの確認をしつつ、読解力の指導をおこなう。さらに必要な生徒には、学習中の生徒であっても読みの徹底した指導をおこなう。CDなどの音源を使ったほうがいい生徒には、プレイヤーでの学習を指示する。「声に出して読むスピード」で文や文章の内容が理解できるように指導するのである。

もし英語に堪能な指導者がいたとしたら、この斉田氏の指導の不十分さを批判するかもしれない。発音の仕方のぎこちなさや、音読のスピードの遅さを指摘する人もいるだろう。しかし、教材一枚一枚の学習を徹底して、「読んで、解って、書く」という学習を自学自習できるまで指導すれば、教材はそれほどの困難なく、二教材先三教材先、いや、それ以上に進む。そして、学年を大きく越えた教材であっても、同じように「読んで、解って、書く」という教材学習の指導を徹底していく。そうして、試みに、以前学習したところをさせてみる。発音の仕方も英文を読むスピードもきわだってよくなっている。リズム感のある読み方を習得している。それまでの読みのぎこちなさが消えているのである。
《引用終り》

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