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2013年度受験用公立中高一貫校適性検査問題集(みくに出版)の「東京都立南多摩中等教育学校」(p214〜221)を読みました。(小林教室収蔵

今回は、解説に関して私から補うところはありませんでした。ので、気になった「おやつ」の問題について。
3.
江戸時代の時刻表示については、私は高校の古文で初めて知ったような気がします。「九つ」で始まり「四つ」まで時刻はカウントダウンする。但し、「六つ」は夜明けと日暮れの時刻に固定なので、昼と夜で時刻の刻みが季節によって違ってくる。

現代人にしてみたら、時間が伸び縮みするなんて、相対論かドラえもんの世界…奇想天外奇妙奇天烈!

暦(旧暦:太陰暦)が月に連動していたように、時刻は太陽に連動していたのですね。だから、月を見れば何日かだいたい分かったように、太陽を見れば何時かだいたい分かったわけです。それはそれで、現代とは違った利便性があったわけですね。

「八つ」どきに食べたという「おやつ」。季節によって時刻が違っていたというのも面白い話です。

さて、解説の計算の仕方ですが、昼の長さを求めています。19:38−3:52=15:46.これを6で割って「ひとつ」の長さを割り出します。2時間37分40秒となりますが、〔決まり〕に従って2時間38分となります。

「八つ」は「六つ(3:52)」から“四つ(2時間38分×4)”だけ進んだ時刻なので、3:52+2:38×4=3:52+10:32=14:24となります。

私は、資料6の図を見て、「お八つ」は「暮れ六つ」までの3分の2だということで、15:46を3で割りました。5時間15分20秒となりましたが、〔決まり〕に従って5時間15分となります。3:52+5:15×2=3:52+10:30=14:22となり、2分ずれました。

時間というのは60進数ですから、3でも6でも割り切れます。だから四捨五入する必要もない。不必要な〔決まり〕を設けて、それに従えるか?という趣旨なのでしょう。

掛け算では端数がでませんから、掛け算と割り算が可換であることを利用して、割り算を一番最後に行うのが最も丸め誤差が生じない算出の仕方になります。その結果は14時22分40秒で、〔決まり〕を適用して14:23になります。

「どのように答えを求めたのかくわしく説明しなさい」という指示の中には、この3通りの答えのいずれの出し方をしたかを見極める意図があると思いたいです。

こういう疑問は「東京都立桜修館中等教育学校」の問題などでも感じました。最近の算数の文章題は、3×4は○だけど4×3は×というような場合があるらしいのですが、そういう採点だけはやめて欲しいと思います。

国語(?)は、海部宣男『科学のすすめ――宇宙への果てのない航海』〈岩波ジュニア新書〉からの出題です。

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