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「ちょうどの学習×ちょうどにする指導」の「これからの教室はどう創るか」(p133〜228)の「見通しは指導の命綱」(p192〜215)を読みました。(小林教室収蔵

入会したての生徒さんの学習の出発点を決めるために「学力診断テスト」を行います。「学力診断テスト」については、『ソフィスト伝』にも記述がありますし、この本の冒頭でも取り上げてありました。

《以下引用(p199)》
学力診断テストは、40人中何番程度の学力であるかを見定めるものであり、この結果から出発点と見通しを決めることができる。

…「学力診断テスト」の内容は当該の学年より三学年下程度の問題から始める(たとえば、小学四年生の場合なら、学年相当教材はD教材、「学力診断テストP4(小四相当)」)は小一相当のA教材から始まり、B,C,D教材の内容が入る。D教材の内容は最終ページにある。すなわち、小四の生徒の学力の診断は小一〜小四にまたがっている)。…

これをテストし、時間と得点の相関関係からわりだした結果を、『留意事項』にある「40人中何番」の表をつかって生徒の能力をみる。「40人中何番」とは、過去の経験上の能力差をあらわす言い方であり、「40人中何番」がわかれば、これも『留意事項』の、学年別能力別にわけてつくられた「進度モデル」にあてはめて、その生徒の「見通し」を得るのである。「進度モデル」は「40人中5番」〜「40人中35番」にいたるまで学年別に細かく分けてあるが、これは目安である。「40人中29番」もあれば、「1000人中1番」もあるから、『留意事項』にある「進度モデル」を手がかりにして具体的な指導モデルを指導者自身が想定することになる。

一応の「見通し」が決まれば、診断テストの中身を検討して、どこを出発点教材にするのがもっとも学習しやすく、モデルを達成しやすいかを考え、学習の出発点教材を決定していく(出発点を決めて見通しを得るのではない、これは逆である)。ここで決定された学習の出発点と見通しを実践するのは、指導者の意志である。

マニュアルでは、診断テストをおこない、即、出発点決定基準表という表から出発点を機械的に決めることにしているが、こうしたマニュアルどおりの出発点を「基準出発点」、指導者が自分の意志の表明として提示したものを「実出発点」という。ここでも『留意事項』が一律のマニュアルではなく、じっさいの指導者が意志をもって教材学習をどう出発し、どう展開していくかをきめる「方法」提示になっていることを忘れるべきではない。
《引用終り》

「この子は、こう導いていこう」という、その指導者自身の意志の表明…それは公文式の指導はマニュアル化できないということであり、教室によって指導が異なるということでもあります。逆に言うと、指導者としての裁量が許される(求められる)ということであり、職人の勘のようなものが発揮できるということでもあります。

《以下引用(p200)》
「学力診断テスト」はあくまでも生徒の現在の学力の実態を見るのが目的である。テスト結果を得点と時間だけで見るというのは、学力の実態把握という点からもふさわしくない。中学生などが小学校で学習した内容をほとんど整理できないままである場合がある。能力がないわけではないがテスト結果は下に出る。こうしたとき、実施済みのテストをその場で教材のように訂正させたうえ、再度テストすると、大きく結果が異なることがある。マニュアルどおりにすると、とんでもない失敗をする。斉田氏は、この点はしつこい。学力の実態をとことん追求する。テストといえども自己訂正をさせ、必要なら指導もおこなって、再テストをおこなったりもする。学力の実態の正確な判断なくしては、「ちょうどの学習」を継続できる出発点教材が見出せないからだ。
《引用終り》

確かに、せっかく生徒に問題を解いてもらったのに、得点の良し悪ししか見ないのは勿体ないですね…。

《インデックス》

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