「新・人体の矛盾」の「12 人体の矛盾」(p212〜229)を読みました。(小林教室収蔵

本のタイトルと同じ名前のこの章は、全体の総括から始まります。

《以下引用(p212)》
すでに11章にわたって、人体をつくっているいろいろな器官の起源をみてきたが、これらは、ほんの一例にすぎない。これとおなじ事態が、人体をつくっているその他の器官についても存在することは、もはや明白であろう。ヒトはみずからを、もっとも進化した最高の生物と信じてうたがわないが、予期に反して、その人体は起源を異にする、新旧さまざまな器官のよせあつめであることがわかる。…

それでは、このような新旧さまざまな器官が、なんらの統一もなく、たんなるよせあつめからできているかというと、むろんそのようなものではなく、全体として調和し、統一をたもっていなくてはならない。…

問題は、人体や生物体が、絶対的に調和のとれた完全なすがたではなく、統一されたなかにも、新旧の構成要素のあいだには矛盾が満ちている、という見解こそ、生物体の本質にせまるものである。
《引用終り》

そして、この矛盾の実例をいくつか挙げています。今回は直立姿勢に関する矛盾をノートしておきます。

まず、たちくらみ。直立姿勢になることで、心臓と脳の高低差が大きくなり、血圧の調整が追いつかなる現象らしい。

朝礼で立っている時に失神して倒れる小学生がいますが、多くの場合は腎臓下垂が原因なのだそうです。これは、腎臓の固定が未熟なために、立っていると腎臓が下にずり下がり、腎臓の血液循環がうまくいかなくなるものです。これも、四つん這いになっていたら起きないことです。

肋間静脈には血液の逆流を防ぐ静脈弁があります。肋間静脈では、血液は肋骨の間を背骨に向かって流れます。四つん這いならば、静脈血は垂直に上昇しますから、逆流防止の弁は重要です。しかし、直立姿勢ならば水平方向に流れますから、静脈弁は必要ないはずです。これは四つん這いのときの名残ということになります。

一方、腹部から心臓に帰る大静脈には静脈弁がありません。四つん這いならば水平方向に流れるので問題ないのですが、直立姿勢になった場合は重力に逆らって上昇する必要がありますから、逆流防止の工夫が欲しいところです。これが、たちくらみや痔の原因と考えられます。

《つづく》