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「釈尊の生涯」(春秋社)
「5.出家の旅にのぼる」を読みました。

《以下引用》
当時のインドでは、バラモン階級だけでなく、他の新興階級の間にも、人生問題を解決するために、妻子を捨て家を出て、道を求めるという風習があったので、太子もこの風習に従って、出家求道の旅に出られたのである。…それはのちに成立し、制度化したインド上層階級の四時期の習慣と関係する。四時期とは、物心ついてからの男子の一生を四つの時期に区分したのであって、それは次のごとくである。
《引用終わり》

この風習は釈尊時代にはまだ完成していなかったようですが、ほぼこれに近い風習が釈尊時代にもあったと考えられるので、ノートしておきたいと思います。

1.学生期
7,8歳のころから約十二年間の修学時代。バラモンの学問の師の家に起居し、ヴェーダその他、人生に必要なあらゆる学問技術を学び、独身で厳格な訓練の下に生活する。梵行期とも言い、学生を梵行者という。

2.家長期
二十歳前後〜。家に帰って結婚し、家長として家業に従事する。家産や子孫や祭祀の火を絶やさぬこと、神々や祖先の霊をまつること、父母師長に孝養をつくし、客を歓待し、宗教者や困窮者に財物の施しをすること、などが義務付けられる。

3.林棲期
50歳ころになって、長子が家督を継ぐころになると、家を出て森林に隠棲する。妻を伴う場合と家に残す場合がある。林中では、神や祖先の霊をまつり、生産に従事することなく、他から食を乞うこともなく、林野に自生する穀物果実、草根木皮などを食べ、獣皮、樹皮などを身にまとい、断食や苦行をなし、祭祀のほかに坐禅瞑想をなし、哲学的思索をなして、聖音オーンを念じ、梵我一如の境地を得ることに努める。この時期の人を、シャモンとか牟尼(寂黙の聖者)と呼ぶ。

4.遊行期
林中での修行が完成し、人生問題が解決され、理想の境地が体得されると、森を出て、村落や都市を、一介の雲水として、無一物になって、托鉢遊行する。学生も托鉢するが、この時期の遊行者に対して家長は丁重に仕え、衣食を給することで、大きな利益功徳が得られるとされた。比丘(食を乞う者)と呼ばれた。

これをベースに考えると、釈尊の行動も特別変ったものでもなかったようです。

《つづく》