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「仏教入門」(東京大学出版会版)
「六章 悟りへの道」の前半を読みました。

今回は八正道について。

(1)正見:正しい見かた
四諦を観ずること。

(2)正思:正しい心の持ち方
出離を願い、瞋(いか)りや嫌悪を持たず、貪着をもたない。

(3)正語:正しい言葉
うそ、中傷(離間)、毀謗(麁害)、いやしい言葉(雑穢)を語らないこと。

(4)正業:正しい行為
殺生、盗み、淫欲の三種の行為をしないこと。

(5)正命:正しい生活
種々の邪な生活法より離れること。

(6)正精進:正しい努力
生じた悪を断ち、未生の悪を生じないように勤め、未来の善を生ぜしめ、生じた善を増大させるように勤める〔四正勤〕。

(7)正念:正しい憶念
この身は不浄であり、感覚(受)は苦であり、心は無常であり、諸法は無我であると観ずること(身受心法の四念処)。それによって、身は清らかで、人生は楽しく、心は常に変わらず、我はあると思う間違った見方(四顛倒)を無くす。

(8)正定:正しい禅定
四段階の瞑想〔四禅〕。

(1)四諦の教えを理解して、(2)〜(4)心と言葉と行い(身口意の三業)を正しく保ち、(5)規則正しい生活を送り、(6)悪を防ぎ、善を生ずべく努力を続けながら、(7)我々の真実の姿を直視、憶念し、(8)心の安定に向けて努める、ということ。

(2)〜(5)は総じて正しい生活態度であり、「戒」に相当する。(6)〜(8)は総じて仏教の具体的実践方法(四正勤・四念処・四禅)で、「禅」の一語に帰する。そこには一貫して智慧のはたらきも要求される。禅定と智慧が並行して、釣り合いが取れているのが仏教の理想である(止観双運、定慧均等)。

三学と言われる「戒」「定」「慧」については、次回のお楽しみ…

《つづく》