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《以下引用》…これまで考慮の対象にならなかった重要な経験的要素として、時間の心理的な価値がある。幼年時代とそれ以後の時代とでは、時間の価値は同じではない。子どもにとっての一年は、生理学的にも心理学的な面でも大人の一年よりはるかに長い。十歳の子どもの一年は二十歳の大人の二年分に相当する。年齢がもっと低くなれば、この差はさらに大きくなる。
三歳から七歳のあいだに流れる時間は、大人で言えば、おそらくは十五年から二十年にあたるだろう。ところで、将来の人生に起きる、あらゆる出来事に対応していくための精神的枠組み、とくに自分の道徳律を子どもが築き上げるのは、まさにこの時期と言える。だからこそ、生まれて数年のあいだに、かなりの量の知識が蓄えられていくのだ。親や教育者は、ぜひこの点を肝に銘じていただきたい。…《引用終わり》
著者のご専門はまさにこの部分です。生理学的時間を算出する方程式の考案者なのですから。そんなわけで、ここはメモらせていただきました。この定量化が妥当かはわかりませんが、早い時期の教育がいかに有効であるかは、子どもに接していると毎日気づくことがあります。
《以下引用》…基本的な原理は一つであっても、その提起のしかたや展開の方法は、学ぶ側の器にあわせなくてはならない。学ぶ側には、「教えの精神」を汲み取ってもらわねばならない。同じ言葉を使ったからといって、ポリネシア人や高校生や大学生に同じ結果をもたらすとはかぎらない。…《引用終わり》
この本は異教徒や途上国の人に対して侮蔑的な表現が多く、とても気になります。その辺は目をつぶって上の文章を読みますと、これって「方便」だよね!と思いました。
《つづく》
コメント
コメント一覧 (3)
今の時代の方が「差別差別」と騒ぎ過ぎな面もあるでしょうし、誰しもが「時代の子」ですしね。仕方ない部分ではあるのでしょう。
本の場合は、要は内容です(が、論理構成まで偏見ベースだと困ってしまいますよね)。
60年くらい前の世界では、こういう差別は当たり前だったのかもしれませんね。今となってはその偏見が気になって、本の内容を読み取るのに苦労するほどです。
だから、この本を絶賛して現代に紹介した人に、ちょっと疑問を抱き始めています。
ただ、その時代その時代でいろんな偏見があるんだな、と気付かせてくれます。歴史も妄念の積み重ねなんですね。
それはそうと、露骨に差別的な表現が出てきますね(汗
著者はいつ頃の人ですか?
少なくとも50年以上前の著書だとは思いますが、今どきこんな記述してたら、学者としても疑われますよね…。