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第5章「地球の年齢と古生物の発生について」を読みました。

ほとんどが古生物の進化について書かれておりますが、私はこういった内容をこの本には求めていないので、これについてはあまり言及しないでおきます。

気になった箇所だけ抜粋しておきます。

《以下引用》…進歩や急速な進化は、違う環境で成長した異なった種族の混じり合いや、遺伝的な改良における混乱があってはじめて可能になる、と考えるのが論理的なようだ。無性細胞は個体としての死を知らない。それは不滅である。しかし突然、有性生殖の時代を迎えるとともに、まったく新しく予知しがたかった循環的現象、すなわち個体の誕生や死が生じるのだ。受精をともなう有性生殖は、個体の不滅性を損なうものだが、ある種族を複雑なものへ進歩させていくのに、それが欠かせないことは明らかだ。実質の種類を混ぜ合わせ、すでに得られている形質を一まとめにすることで、遺伝に改良を加え、それを豊かにしていくことが必要だったのである。…《引用終わり》

《以下引用》…ある段階をすぎても生物学的な進化が続いたのは、ひとえに、空間的にも時間的にも制約のあるさまざまな個体のおかげである。…《引用終わり》

《以下引用》…かくして、すでに進化した個体の誕生は、種による違いこそあれ、一つの期間を経た後に、みずからの死を引き起こす。一個ないし数個の他の個体に生命を手渡したあと、みずからは消滅し、自分が奇跡的に脱してきた無機物の宇宙へと舞い戻るのだ。だから進化の見地からすれば、自然の最大の考案物は死であると言えるだろう。…《引用終わり》

《以下引用》…それ以降はつねに、つかの間の生命しかもたない個体を通じ、そしてこうした個体のおかげで、漸進的な進化が続いていく。…短命な個体が生物学的な進化の最初の要素を作り上げているわけだが、これはちょうど、後の時代において、心理学的な個体が精神の進化に欠かせない要素を作り上げていくのと同じである。…《引用終わり》

これから論を進める上での伏線のような気がします。

個体の死によって種の進化がもたらされたというのは、「死」に対するポジティブな捉え方の一例として面白いと思います。

DNAの中には細胞分裂の回数を制限する遺伝子(テロメアとか?)があるそうで、それが個体の寿命を決定する要因のひとつになるわけですが、その存在意義はこの辺りにあるのでしょうか。

個体の正常な成長過程でも、一部の細胞の死(アポトーシス)が必要です。それと同じように、種が進化・発展する過程においても、個体の死が必要だということなのかもしれません。

《つづく》