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第4章「「生命」の進化の法則と進化の「終点」について」を読みました。

科学は、分子とか原子とかが放り投げられたボールのようにそのままひたすら転がっているという大前提の基に成り立っています。でも、この粒子の集合体である人間は意志を持っているのだから、おそらくは素粒子の集合体である原子が意志を持たないなどとは言い切れないはず。

個性が無いと批判され続けてきた日本人が個性を持ち始めたように、鉄原子が「おれたち明日から金みたいに振舞おうぜ!」と言い出して、翌日から金色に輝きだすことも無いとは言えない。そのくらい、科学は危ういものだというのが前回までの話です。

「そういう可能性もあるけれども、そうだとしたら私たちがやってきたことは全て崩れてしまうので、そうではないと信じるしかない。」というある学者の本音は、以前も書きました。

幸い今のところは、この「偶然の大前提」が成り立っているようです。粒子が無秩序な運動を永遠に続けることによってエントロピーが増大していく。それは対称性が増大し、エネルギーの平均化が進んでいくことです。それは宇宙が完全な暗黒と寒気が支配する均衡状態になるということで、世界の終焉ということになります。

少なくとも無機物は、その世界の終焉に向かって運動を続けているらしい…

しかしながら、生物はこれと全く逆の方向性を持っています。そして、進化の頂点と言える人間の脳細胞は非対称性を増大させ、シナプス結合をより複雑なものにしようと指向しているように見えます。

そこで、生命の進化が目指しているもの、さらには進化の頂点に立つ人間が行うべきこととは何か?ということが、これ以降の話になります。

《つづく》