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NHK「爆笑問題のニッポンの教養#49」(9月30日放送分)を見ました。姜尚中(かんさんじゅん)さんでした。

秋葉原の通り魔事件に関して、「お前が悪いんだ!他人を殺さないで自分を殺せ!」という感想と、「彼だけが特別ではない。この社会に問題があるんじゃないか?」という感想と、2つの方向性があるかと思います。

彼だけを悪者にする考え方と、彼を取り巻く社会を問題視する考え方と。でも、この間に答えを見つけるべきなのでしょう。個人ひとりひとりが社会の構成員であるわけだし、その相互関係によって社会はできあがっていくのですから、個人と社会を切り分けることはできません。

ただ、社会が複雑化しすぎていて、何か問題が起きても誰が悪者なのか分からない。姜さんが指摘していましたが、サブプライムローンの問題にしても、アメリカが悪いのかアメリカの金融機関が悪いのか他の何かが悪いのか分からない。解決しようにも何をしたらいいか分からない。

万事が責任の所在がはっきりしにくくなっている。ハッキリしない責任を取らされたくないから、みんな関わり合いを避けている。あるいはどこまでも見苦しい言い逃れをして逃げていく。そんな風潮の中で、誰からも関わってもらえなかった男が凶行に及んでしまったということなのか…

姜さん自身も、学生時代は友達も恋人もいなくて、強い孤独感を味わい、自分はカスなんじゃないか!?と思ったことはあるそうです。自分もそうだったし、姜さん程の人でもそうだとすると、誰でもそういう孤独感を味わうことはあるのかもしれません。それでも自分が自殺したり人を殺したりしなかったのは共同体の中に僅かながらの救いが有ったからだと、姜さんは言う。

「自分はカスなんじゃないか?」という絶望感。人間はこれに直面しないようではダメなんじゃないかと、最近、私は考えます。そう感じないような鈍感ではダメなんじゃないかと。

でも、そのどん底にはまった時に、自分や他人を殺してしまうのはもっとダメ。そこでとことん悩まなければいけないと思う。心身症の症状が出るかどうかは別にして、「うつ」になるほど悩むのが人間なのだと思う。

そして、社会を悪いと結論付けるならそれもいいと思う。そしたら次のステップは、どういう社会がいいのか、そういう社会を実現するにはどうしたらいいのか、考えて実行すべきだと思う。もちろん、合法的な方法で。

でも、世の中が複雑過ぎて、やっぱりどうしたらいいか分かんないな…

《つづく》