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NHK「爆笑問題のニッポンの教養#43」(7月8日・15日放送分)を見ました。宮田亮平さんは東京藝術大学学長!でも、とても気さくで面白い人でした。爆笑問題との話題も、予想に反して私の大好きなテーマ。

伝えたいことを言葉にするという作業は「デジタル化」である!と太田さんが以前から言っていたと知ってうれしくなりました。私も、ずっと前からそう思っていたから。

心で思っていることを一番ニュアンスの近い言葉に置き換えるわけだけれど、言葉というのは飛び飛びにしか存在しないから、心と言葉の間には必ず差が生じる。言葉にすればするほど嘘になるような感覚は、これが原因です。エンジニアはこれを量子化雑音と呼ぶ。

言葉に限らず、美術として音楽として表現するときにも必ずこの量子化雑音は発生する。その言葉を聞いた人、美術品を見た人、音楽を聴いた人は、そこから何かを感じ取り、自分の気持ちへと翻訳する。

だから、必ず、伝えたいことと伝わることの間には差が生じる。

宮田さんが言っていましたが、芸術家が作品を作りたいと思う最初の動機は何かと言えば、自分の頭に何か湧き上がったものがあり、「こいつはいいや。これを誰か他の人にも伝えたいな」という気持ち。これは、「ねえ、ちょっと聞いて!」と人の肩をたたくのと同じ気持ちだし、私がブログを書く理由でもある。

だから、「こいつはいいや」と思う気持ちが強ければ強いほど、相手には精確に伝わって欲しい。でも必ず差は生じる。

でも、相手がどう受け止めるかまで、こちらでどうのこうのはできないのですね、結局のところ。そういう諦めというか開き直りが必要なんじゃないだろうか?と思いました。

うまく伝わらないのはもどかしいし、口惜しいけれども、そういうことで生じる誤解も楽しく受け止める度量が必要なのかもしれない。世の中は、そうなっているんだから仕方がない。

心を伝える匠、宮田さんの笑顔には、そんな深いものを感じた。

《つづく》