相対論が時空間に対する我々の常識を覆し、量子力学が存在の独立性や因果関係に対する我々の常識を覆しました。その内容は仏教の「空」に確かに酷似しています。仏教の方では2世紀ごろにインドの哲学者龍樹によって体系化されたとのこと。その著作もいずれ読まなければいけないでしょう。

EPRパラドックスのような思考実験をしてしまうと、どんな存在も全てのものと関係があり「全く単独に存在するような固有の本性を持った現象はあり得ない」ということが当たり前に思えてきます。この現象を利用したものが量子暗号だと思います。実験室レベルではかなりのところまで行っているはずなので、仏教の「縁起」の考え方が実証されつつあると言ってもいいのかもしれません。

進化論→社会進化論→帝国主義という流れを考えると、科学の哲学や社会思想に対する影響力は大きいものです。量子力学が「空」と結びついて、新たな仏教的思想が起こっておかしくないと思うのですが。

続き(40%)を見る