今年の大河ドラマ、もうすぐ終わりますが、とても面白かった!井上靖さんの原作がいいのかな〜と思いました。「おはなし」というか、これがフィクションの面白さなのでしょう。

主人公山本勘助についてはあまり史料が残っていないはずで、であるが故に作家としては創作の自由度が大きいわけです。実際問題、武田・今川・北条・上杉といろんな大将とひょいひょい顔を合わせられるわけがない。だから、作り物であることは明々白々なんですが、それぞれの登場人物にドラマチックな出会いを与え、実にいいセリフを言わせている。一流の作品というのは、小説のみならず、彫刻でも絵画でも音楽でも、こう作るといいのか!という感銘を与えるものです。「風林火山」にはそれがある。

好き嫌いの問題だと思うのですが、堺屋太一さんがチンギス・ハンを描いた「世界を創った男」は小説(フィクション)としては面白くありませんでした。ただ、史実に基づいてチンギス・ハンを勉強するのにはいい本だと思います。ノンフィクションとして楽しめる。interestingだけれども、entertainingではないというところでしょうか。

「信長の棺」も、作り物としてなかなか良かったと思います。「敵は本能寺にあり」も楽しみにしています。