「ハサミムシの母親は
子どもたちに自分の体を
食べさせるそうですよ!」

「えー、そうなの?
知らなかった!」

このお客様は、
昆虫の研究をされていた方。

転倒して、しばらく入院していました。

退院してからは
寝ていることが多くなりました。

おしゃべりだったのに
口数も少なくなりました。

でも、虫の話題なら乗ってくる筈。

今回みつけた本は本当に面白かった!

動物の驚きの生態が
たくさん紹介してあるのです。

「へえー、何ていう本なの?」
と聞かれて、ちょっとためらいました。

なぜなら本のタイトルは
「生き物の死にざま」
( https://amzn.to/3JddBhC )
だったから。

相手が若い人なら問題ありませんが、
そうでもない人に
「死にざま」はヤバいかな…。

あせってしまい、つい
こんなことを言ってしまいました。

「スマホで聴けるんですよ。
今、聴けますから聴いてみますか?」

これで更に気まずい感じに…。


こんにちは!
ス ー ッ と 楽 に な る !
出 張 は り き ゅ う 師 の
とがし としみつ です。


29の動物の生きざまというか、
死にざまが紹介してある短編集。

最初の話の主人公はセミです。

力尽きて木から落ち、
仰向けになって動けないでいる…

そんなセミの描写から始まります。

一方、お客様は仰向けになって
私の施術を受けています。

「仰向けになって
死を待つばかりのセミは、
空を見つめて何を思うのだろう…」

場をわきまえないスマホは
躊躇なく朗読を続けます。

ヤバイ…

今さら止められない…

結局、施術が終わるまで
止められずに聴き続けました。

セミの次がハサミムシ。その次は鮭。

どの話にも共通しているのは、
命懸けで子孫を残そうとする
生き物の壮絶な姿。

カマキリのオスが
交尾中にメスに食われるというのは
有名ですね。

(メスの魔の手から逃げ延びるオスも
多いらしいですが)

オスの場合、交尾すれば、
基本的にはミッションコンプリート。

安心したかのように
死んでいく種も多いようです。

メスは産卵で終わる場合もありますが、
蛇の一部や鳥のように
卵を守り続けるものも。

ハサミムシも卵を守りますが
虫としては非常に珍しい行動。

その上、産まれてきた子どもたちに
自分の身を捧げるという凄まじさ。

自分のDNAを次の世代に渡そうという
29種類の執念。

凄まじいとか、美しいとか、感動的とか
そんな感想は容易に思い浮かびます。

でも、当の本人、動物たちには
そんな感慨は全く無いのでしょう。

自分の中のプログラムに
当たり前のように従っているだけ。

その生態や習性がうまく機能するうちは
DNAのリレーが続いていく。

機能しなくなれば絶滅、
それが自然の掟です。

おそらく人間だけが、
人工の世界、虚構のシステムの中で
生きています。

お金という虚構を追い続け、
生存に必要な物は
それとの交換で手に入れています。

人間の捕食行動、防衛行動は
他の生き物とは全く異質。

そのお陰かどうか分かりませんが、
子どもを育てるだけでは飽き足らず
孫を見たいとか曾孫を見たいとか
言っています。

それが「人間らしい」ということ
なのかもしれません。

さて、目の前のお客様は
お子さんに恵まれ、
お孫さんもいらっしゃいます。

他の生き物なら、ずっと昔に
ミッションコンプリート。

「でも、そこから先が人間。
まだまだ終わっていませんよ!」

仰向けになっているセミと
仰向けになっている自分を
重ね合わせるような人に出会ったら、
こう言ってあげよう。

このお客様は、気づかないふりを
して下さったのかもしれません。

「(本が聴けるなんて)便利だね!
ありがとう!」
と言って下さいました。



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