今回は、チェックデジット(check digit)に関する問題です。
例えば「1234-2」の場合、貸し出しカードとして本当に必要なのは「1234」の4ケタだけです。しかし、コンピューターに入力する時などに間違ってしまう可能性があります。そこで、4ケタの数字を使って、ある計算をして、数字を1ケタ追加するのです。
コンピュータ−であれば、入力された4ケタの数字と1ケタの数字の関係が正しいかどうかを瞬時に計算することができます。数字を入力して、enterを押した瞬間に「入力された数字は正しくありません!」とアラームを表示することができます。
追加する1ケタの計算ルールは、どんなものでも構いません。まなぶさんの学校ではどんなルールにしてあるのでしょうか。
これは、もう、何か法則性を見つけるまで、じーっと見つめるしかありません。そうすると作業1では、
「3215」:
「3」+「2」→「5」、「1」+「5」→「6」という計算で、「56」
「4213」:
「4」+「2」→「6」、「1」+「3」→「4」という計算で、「64」
となっていることに気づくと思います。
※作業1の前の数字を斜字体で、後の数字を太字で表わしています。
作業2で算出されるチェックデジットは、0〜6の数字なので、割り算の余りみたいだな…と何となく気づきませんか?
余りが0〜6ということは、7で割っているはず。作業2の前の2ケタの数字を7で割ると、
56÷7=8…0, 36÷7=5…1, 51÷7=7…2,76÷7=10…6
チェックデジットは余りと同じですね。
※作業2の前の数字を太字で、後の数字を下線付で表わしています。
十の位が「3」になるのは、1年2組と2年1組の場合だけ。一の位が「5」となるのは、5番,14番,23番,32番だけ。したがって考えられる答えは、「1205」,「1214」,「1223」,「1232」,「2105」,「2114」,「2123」,「2132」の8通り。この中のひとつを答えれば正解です。
まず、(ア)(イ)(ウ)のどれが間違っているか、調べましょう。
(ア)4221→63→0 (イ)2117→38→3 (ウ)3216→57→1
ということで、(イ)が間違っています。
直す数字を「X」で表わすとして、「X117」「2X17」の場合、作業2の後は「?8」となります。一の位が8の2ケタの整数で、7で割った時の余りが6になるのは48のみ。答えは「3117-6」「2217-6」。
「21X7」「211X」の場合、作業2の後は「3?」となります。十の位が3の2ケタの整数で、7で割った時の余りが6になるのは34のみ。「21X7」では一の位を4にすることはできませんから、可能性があるのは「211X」の方だけで、答えは「2113-6」。
二通りだけ答えればいいので「3117-6」「2217-6」「2113-6」のうちのいずれか2つを答えればOKです。
デジタル信号のやり取りは、今や、いたるところで行われています。携帯電話と基地局、放送局とテレビ、リモコンとテレビ、リモコンとエアコン、パソコンとプロバイダーのサーバー、DVDとDVD再生機、パソコンや携帯電話の内部でもCPUとRAMの間など。おそらく、この信号のやり取り全てで、チェックデジットに相当するものが使われています。
デジタル信号を送る方では、送りたい信号の後ろにチェックデジットを計算して付け加え、一緒に送信します。デジタル信号を受け取った方では、(2)の問題で(ア)(イ)(ウ)に間違いがないか調べたのと同じように、誤り検出を行います。さらに、(2)でどの数字が間違ったかを推測したのと同じように、誤り訂正を行う機能も付いている場合があります。
こういったデジタル機器の現状を踏まえますと、このチェックデジットを出題した意図が理解できるかと思います。ただややこしい、数字のいたずらではないのです。
ところで、文科省では3月10日、大学入試センター試験を廃止して導入する予定の「達成度テスト(仮称)」の発展レベル試験の基本方針案を公表しました。特徴は、複数教科を融合した「合科目型」や教科試験で評価できない能力を測る「総合型」を導入することです。
この教科融合の出題形式は、中高一貫校適性検査問題の特徴でもあります。そういう意味では、中学受験が大学受験に先行していると言えるかもしれません。当然、高校入試も追随していくことになるでしょう。
参考文献:2014年度受検用公立中高一貫校適性検査問題集(みくに出版)(小林教室収蔵)
《教室だより増刊号インデックス》
※今後、大学入試や高校入試で一般的になると思われる合科目型・総合型の出題形式が公立中高一貫校適性検査では既に一般的になっているため、この増刊号で取り上げています。ですから、中高一貫校だけを特に意識しているわけではありません。もちろん、だからと言って東桜学館を全く意識していないわけでもありません(笑)。
◆◆◆公文式小林教室◆山形県東根市◆◆◆
例えば「1234-2」の場合、貸し出しカードとして本当に必要なのは「1234」の4ケタだけです。しかし、コンピューターに入力する時などに間違ってしまう可能性があります。そこで、4ケタの数字を使って、ある計算をして、数字を1ケタ追加するのです。
コンピュータ−であれば、入力された4ケタの数字と1ケタの数字の関係が正しいかどうかを瞬時に計算することができます。数字を入力して、enterを押した瞬間に「入力された数字は正しくありません!」とアラームを表示することができます。
追加する1ケタの計算ルールは、どんなものでも構いません。まなぶさんの学校ではどんなルールにしてあるのでしょうか。
これは、もう、何か法則性を見つけるまで、じーっと見つめるしかありません。そうすると作業1では、
「3215」:
「3」+「2」→「5」、「1」+「5」→「6」という計算で、「56」
「4213」:
「4」+「2」→「6」、「1」+「3」→「4」という計算で、「64」
となっていることに気づくと思います。
※作業1の前の数字を斜字体で、後の数字を太字で表わしています。
作業2で算出されるチェックデジットは、0〜6の数字なので、割り算の余りみたいだな…と何となく気づきませんか?
余りが0〜6ということは、7で割っているはず。作業2の前の2ケタの数字を7で割ると、
56÷7=8…0, 36÷7=5…1, 51÷7=7…2,76÷7=10…6
チェックデジットは余りと同じですね。
※作業2の前の数字を太字で、後の数字を下線付で表わしています。
十の位が「3」になるのは、1年2組と2年1組の場合だけ。一の位が「5」となるのは、5番,14番,23番,32番だけ。したがって考えられる答えは、「1205」,「1214」,「1223」,「1232」,「2105」,「2114」,「2123」,「2132」の8通り。この中のひとつを答えれば正解です。
まず、(ア)(イ)(ウ)のどれが間違っているか、調べましょう。
(ア)4221→63→0 (イ)2117→38→3 (ウ)3216→57→1
ということで、(イ)が間違っています。
直す数字を「X」で表わすとして、「X117」「2X17」の場合、作業2の後は「?8」となります。一の位が8の2ケタの整数で、7で割った時の余りが6になるのは48のみ。答えは「3117-6」「2217-6」。
「21X7」「211X」の場合、作業2の後は「3?」となります。十の位が3の2ケタの整数で、7で割った時の余りが6になるのは34のみ。「21X7」では一の位を4にすることはできませんから、可能性があるのは「211X」の方だけで、答えは「2113-6」。
二通りだけ答えればいいので「3117-6」「2217-6」「2113-6」のうちのいずれか2つを答えればOKです。
デジタル信号のやり取りは、今や、いたるところで行われています。携帯電話と基地局、放送局とテレビ、リモコンとテレビ、リモコンとエアコン、パソコンとプロバイダーのサーバー、DVDとDVD再生機、パソコンや携帯電話の内部でもCPUとRAMの間など。おそらく、この信号のやり取り全てで、チェックデジットに相当するものが使われています。
デジタル信号を送る方では、送りたい信号の後ろにチェックデジットを計算して付け加え、一緒に送信します。デジタル信号を受け取った方では、(2)の問題で(ア)(イ)(ウ)に間違いがないか調べたのと同じように、誤り検出を行います。さらに、(2)でどの数字が間違ったかを推測したのと同じように、誤り訂正を行う機能も付いている場合があります。
こういったデジタル機器の現状を踏まえますと、このチェックデジットを出題した意図が理解できるかと思います。ただややこしい、数字のいたずらではないのです。
ところで、文科省では3月10日、大学入試センター試験を廃止して導入する予定の「達成度テスト(仮称)」の発展レベル試験の基本方針案を公表しました。特徴は、複数教科を融合した「合科目型」や教科試験で評価できない能力を測る「総合型」を導入することです。
この教科融合の出題形式は、中高一貫校適性検査問題の特徴でもあります。そういう意味では、中学受験が大学受験に先行していると言えるかもしれません。当然、高校入試も追随していくことになるでしょう。
参考文献:2014年度受検用公立中高一貫校適性検査問題集(みくに出版)(小林教室収蔵)
《教室だより増刊号インデックス》
※今後、大学入試や高校入試で一般的になると思われる合科目型・総合型の出題形式が公立中高一貫校適性検査では既に一般的になっているため、この増刊号で取り上げています。ですから、中高一貫校だけを特に意識しているわけではありません。もちろん、だからと言って東桜学館を全く意識していないわけでもありません(笑)。
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