今回は、2012年の全国公立中高一貫校の適性検査問題の中から、論理的思考力を問う問題を見てみます。以下、滋賀県の問題です。
6年1組では、9月に各係を交代することになり、それまでの係活動についての感想をおたがいに発表しました。各係の感想についての問題が1〜5で出題されていますが、これは今回省略します。その続きが、6の問題です。
(A)〜(J)と(11)〜(44)は、説明の便宜上書き加えたものですから、もともとの問題には書かれていません。(A)〜(J)の発言をもとに、表2にある項目が、表3の(11)〜(44)のどの欄に当てはまるかを推理していきます。
発言を何度も読み直して、表を埋められる内容を見つけたら随時書き込んでいくことにしましょう。
●まず、(E)の発言から、(14)は「火曜日と金曜日」が入ります。
●(F)から、(32)は「クイズ係」。
●(I)から、(41)は「生き物係」、(43)は「4人」。
●(G)に着目します。「新しい係の活動日」が分かっていないのは夏子さん(24) と美和さん(44)ですが、美和さんの「前の係」(41)は「生き物係」です。よって、発言(G)に該当するのは夏子さんであることが分かります。よって、(21)は「クイズ係」、 (24)は「毎日」。そして、(44)には自動的に「いろいろ」が入ります。
●発言(J)から、和夫さんの「前の係」(11)は「かざり係」ではない。となると、残っているのは「新聞係」。自動的に、一郎さんの「前の係」(31)が「かざり係」。
●「新しい係」が空欄なのは、和夫さん(12)と夏子さん(22)で、生き物係とレクリエーション係が残っています。発言(J)は「(32)は(12)より人数が少ない」と言っており、発言 (H)は「新しい生き物係は3人」と言っています。3人より少ない人数の係はないので、(12)は生き物係ではない、つまり「レクリエーション係」。自動的に、(22)が「生き物係」、(23)が「3人」。
●空欄は和夫さん(13)と一郎さん(33)の「新しい係の人数」だけで、残っている人数は5人と6人。発言(J)は「(32)は(12)より人数が少ない」、つまり「(33)は(13)より少ない」と言っているので、一郎さん(33)が「5人」、和夫さん(13)が「6人」となります。
以上ですが、いかがでしょうか?制限時間内に、これだけの思考を展開するには、訓練が必要ですね。
次は、京都市立西京高等学校附属中学校の問題です。前問ほど複雑ではありませんが、表現がややこしいので混乱しがちです。条件を、よりシンプルに解釈し直すことができれば、簡単に解けます。
4人の希望をまとめると、次のようになります。
○花子:〔赤・白〕禁止。
○梅子:〔黄・赤〕と〔赤・黄〕を禁止。
○太郎:〔青・白〕と〔白・青〕を禁止。
○次郎:〔青・白〕か〔白・青〕を希望。
太郎と次郎の希望は正反対ですから、必ずどちらかの希望はかなえられます。「1人だけ希望がかないました」ということなので、この1人は太郎か次郎のどちらか一方。つまり、この問題は「太郎か次郎いずれかの希望をかなえた上で、花子と梅子の希望をかなえないパターンをすべて答えよ」と言い換えることができます。
まず、花子の意見を通さないために〔赤・白〕の並びになります。梅子の意見を通さないために赤の隣は黄です〔黄・赤・白〕。この二人の希望は常にかなえられないので、この三色の並びは固定です。後は、青をどっちに置くかだけ。
太郎の希望がかなう場合、青と白は並ばないので〔青・黄・赤・白〕。次郎の希望がかなう場合、青と白が隣り合うので〔黄・赤・白・青〕。
最後は、長崎県の問題。これは簡単ですよ。
●1番目のヒントで考えられるのは、以下の8通り。
[青黄○○○][○青黄○○][○○青黄○][○○○青黄]
[黄青○○○][○黄青○○][○○黄青○][○○○黄青]
●2番目と3番目のヒントで、[青黄○○赤][黄青○○赤][○黄青○赤]の3通りに絞られます。
●4番目と5番目のヒントで、[青黄黒緑赤]か[黄青黒緑赤]の2通り。
よって、位置が決まらない色は、青と黄。
七年後には、東京オリンピックが開催されます。出場したい人も観戦したい人も、近づくと勉強ができなくなります。今のうちに、公文の「学年を超えた学習」で学力の貯金をしておきましょう!
参考文献:2013年度受験用公立中高一貫校適性検査問題集(みくに出版)(小林教室収蔵)
《教室だより増刊号インデックス》
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6年1組では、9月に各係を交代することになり、それまでの係活動についての感想をおたがいに発表しました。各係の感想についての問題が1〜5で出題されていますが、これは今回省略します。その続きが、6の問題です。
(A)〜(J)と(11)〜(44)は、説明の便宜上書き加えたものですから、もともとの問題には書かれていません。(A)〜(J)の発言をもとに、表2にある項目が、表3の(11)〜(44)のどの欄に当てはまるかを推理していきます。
発言を何度も読み直して、表を埋められる内容を見つけたら随時書き込んでいくことにしましょう。
●まず、(E)の発言から、(14)は「火曜日と金曜日」が入ります。
●(F)から、(32)は「クイズ係」。
●(I)から、(41)は「生き物係」、(43)は「4人」。
●(G)に着目します。「新しい係の活動日」が分かっていないのは夏子さん(24) と美和さん(44)ですが、美和さんの「前の係」(41)は「生き物係」です。よって、発言(G)に該当するのは夏子さんであることが分かります。よって、(21)は「クイズ係」、 (24)は「毎日」。そして、(44)には自動的に「いろいろ」が入ります。
●発言(J)から、和夫さんの「前の係」(11)は「かざり係」ではない。となると、残っているのは「新聞係」。自動的に、一郎さんの「前の係」(31)が「かざり係」。
●「新しい係」が空欄なのは、和夫さん(12)と夏子さん(22)で、生き物係とレクリエーション係が残っています。発言(J)は「(32)は(12)より人数が少ない」と言っており、発言 (H)は「新しい生き物係は3人」と言っています。3人より少ない人数の係はないので、(12)は生き物係ではない、つまり「レクリエーション係」。自動的に、(22)が「生き物係」、(23)が「3人」。
●空欄は和夫さん(13)と一郎さん(33)の「新しい係の人数」だけで、残っている人数は5人と6人。発言(J)は「(32)は(12)より人数が少ない」、つまり「(33)は(13)より少ない」と言っているので、一郎さん(33)が「5人」、和夫さん(13)が「6人」となります。
以上ですが、いかがでしょうか?制限時間内に、これだけの思考を展開するには、訓練が必要ですね。
次は、京都市立西京高等学校附属中学校の問題です。前問ほど複雑ではありませんが、表現がややこしいので混乱しがちです。条件を、よりシンプルに解釈し直すことができれば、簡単に解けます。
4人の希望をまとめると、次のようになります。
○花子:〔赤・白〕禁止。
○梅子:〔黄・赤〕と〔赤・黄〕を禁止。
○太郎:〔青・白〕と〔白・青〕を禁止。
○次郎:〔青・白〕か〔白・青〕を希望。
太郎と次郎の希望は正反対ですから、必ずどちらかの希望はかなえられます。「1人だけ希望がかないました」ということなので、この1人は太郎か次郎のどちらか一方。つまり、この問題は「太郎か次郎いずれかの希望をかなえた上で、花子と梅子の希望をかなえないパターンをすべて答えよ」と言い換えることができます。
まず、花子の意見を通さないために〔赤・白〕の並びになります。梅子の意見を通さないために赤の隣は黄です〔黄・赤・白〕。この二人の希望は常にかなえられないので、この三色の並びは固定です。後は、青をどっちに置くかだけ。
太郎の希望がかなう場合、青と白は並ばないので〔青・黄・赤・白〕。次郎の希望がかなう場合、青と白が隣り合うので〔黄・赤・白・青〕。
最後は、長崎県の問題。これは簡単ですよ。
●1番目のヒントで考えられるのは、以下の8通り。
[青黄○○○][○青黄○○][○○青黄○][○○○青黄]
[黄青○○○][○黄青○○][○○黄青○][○○○黄青]
●2番目と3番目のヒントで、[青黄○○赤][黄青○○赤][○黄青○赤]の3通りに絞られます。
●4番目と5番目のヒントで、[青黄黒緑赤]か[黄青黒緑赤]の2通り。
よって、位置が決まらない色は、青と黄。
七年後には、東京オリンピックが開催されます。出場したい人も観戦したい人も、近づくと勉強ができなくなります。今のうちに、公文の「学年を超えた学習」で学力の貯金をしておきましょう!
参考文献:2013年度受験用公立中高一貫校適性検査問題集(みくに出版)(小林教室収蔵)
《教室だより増刊号インデックス》
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