第3章を読み終わりました。人は皆「責任」なく自然に生まれてきて、成長と共に自我を獲得していきますが、体の衰えと共にこれを失って自然に還っていくのが『老い』なのではないか?というのは興味深い意見です。

 成長と共に自然から離れ、周囲との隔絶や違和感を感じながら、鮮明な喜怒哀楽に満ちた人生をおくる。老いるということは、その鮮明さを徐々に失うことであり、自然に還ることである。

 露と落ち露と消える我が身と辞世を詠んだ太閤秀吉も、そんな人生観を持っていたのでしょうか?

 自然から離れようとしている娘たちと、自然との隔絶に悩む自分と、自然に還ろうとしている両親と…その対比は面白くもあり、つらいものでもあります。