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日本経済新聞に連載中の藤田紘一郎先生(人間総合科学大学教授)の記事からです。

水10ccにエタノール5ccを加えても14.6ccにしかならないそうです(25℃の場合)。エタノールが水の構造の隙間に入ったから、と考えられているそうです。「お酒」と考えると、ちょっと損した気分ですね。

水の体積の中で、水分子そのものが占める割合は38%程度だそうで、62%は隙間。ずいぶんスカスカなんですね。物が溶けるというのは、この隙間に分子が収まるということなのでしょう。

何年も寝かせて熟成させたお酒の味に丸みが出てくるのは、水分子の隙間に細長いアルコールの分子が入り込んで、水に包み込まれる形になるからだそうです。

この熟成が最も起こりやすいアルコール濃度は60%だそうで、溶液全体の体積の3%近くが減るそうです。

最も安定に保つ濃度は40%だそうで、アルコールが最も粘り気を持つ濃度でもあるそうです。

ちなみに、最も殺菌力が強くなる濃度は80%前後とされてます。これは鍼灸の学校で習いました。

今更ながらこんなことで新鮮に驚いてしまうのは、高校の「化学」で習わなかったからじゃないかと思います。試験問題には出せない内容ですから、教科書でも余計なこととして避けているのかもしれません。

でも、大人になると、かなり興味深い話です。参考書の片隅にでも書いててもらえれば、晩酌しているお父さんと親子の会話ができるんじゃないでしょうか。そして、お父さんは子どものおかげで飲み屋でウンチクを語れる…