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サイエンスZERO(10月10日放送分)を見ました。今年は3D元年と呼ばれ、3Dの映画が本格的に普及しそうな雰囲気です。

大画面でサラウンドのテレビが普及してしまった現在、映画館に行かなければ体験できないことは少なくなりました。むしろ、家でテレビを見ていた方が、暗い部屋にいなくてもいいし、ポップコーン以外の好きなものを食べながらでいいし、ポーズを押してトイレに行くこともできる。映画は以前ほど特別なものではなくなりました。

でも、3Dならば…カラーテレビが無かった頃のカラー映画、テレビがモノーラルだった頃のステレオ映画くらいの特別なものに復権することができそうです。

3Dの原理はかなり昔から開発されていました。基本は右目と左目に別々の映像を見せればいい。一番簡単で誰でも経験があるのは、赤いセロファンと青いセロファンのメガネをかけて見る方法。子供向けの雑誌によく載ってました。難点は色がおかしくなってしまうこと。

次に簡単なのがシャッタータイプのもの。画面に右目用の映像と左目用の映像を交互に映し出し、それと同期して右目と左目が交互に見えなくなるメガネをかける方法。

これは20年くらい前に、ビジネスホテルのテレビで視聴可能なところがありました。但し、対応しているソフトはアダルトものだけ。私も技術者として純粋にこの仕掛けに興味がありましたので、見たくもないアダルトを見ました!(ここ笑うところ

この方法の難点は、メガネが機械仕掛けですからカタカタと振動がありますし、若干重い。同期を取るためにテレビにコードがつながってますから、これも少し邪魔になる。さらに、1秒に何コマか知りませんが、右用の映像と左用の映像が切り替わるためにコマ数が半減してしまいます。だから、どうしても画面のチラつきが気になります。

さらに、出張で同僚と同じホテルに泊まっている場合、チェックアウトの時に「ビデオをご覧になりましたね?」とフロントが言うのを聞かれては困るので、早めにチェックアウトをしてフロントの脇で新聞を読みながら同僚が出てくるのを待たなければいけない。(ここ笑うところ

3D元年ということで用いられている方法は回折格子を使用する方法です。光には振動の方向がありまして、普通の光源はいろいろな方向の光が混在して放射されます。回折格子は一定方向の光しか通さないフィルタです。だから、例えば縦方向の光だけの映像と横方向の光だけの映像を同じスクリーンに重ねて投影しても、縦向きの回折格子と横向きの回折格子を左右別々にしたメガネをかけて見れば、左右の眼には別々の映像が見えるのです。

回折格子のサングラスも普通に商品化されているはずですから、一見全く普通のメガネです。映像も左右同時に投影されていますからコマ落ちもしません。色の制約もありません。上記2方式に比べれば、見る側には全く負担がありません。

この原理はずっと前から分かっていました。実用化を阻んでいたのは、右用の映写機と左用の映写機を同時に使う必要があり、両者のタイミングは絶対にずれてはいけないことです。最近の映写機はデジタル・コンテンツを使うようになりましたから、2台の映写機のタイミングを完全にコントロールすることが可能になりました。

我が東根にも新しい映画館が建つ予定とのこと。3D映像が見れたらいいな。でも、アダルトは見ませんよ!(ここ笑うところ