【きょうの健康8月号から】
・膵臓では、インスリン(血糖値を下げる),グルカゴン(血糖値を上げる)などのホルモンを分泌。
・膵液にはアミラーゼ(炭水化物を分解),トリプシン(たんぱく質を分解),リパーゼ(脂肪を分解)などの消化酵素を含む。

◆原因
・膵液は十二指腸で活性化するが、何らかの原因で膵臓内で活性化が起こると「自己消化」が起こり、急性すい炎となる。
・アルコールが原因:♂50.1%♀9.6%:多量のアルコールを飲むと膵液が活発に作られ、膵管に過剰に膵液がたまり内圧が高まり、活性化が起こる。
・胆石が原因:♂17.7%♀37.0%:胆嚢にできた胆石が総胆管に落下、膵液が十二指腸に流れなくなり、膵管に膵液がたまり、自己消化が起こる。
・原因不明(突発性):♂17.0%♀34.5%

◆症状
・激しい腹痛。主にみぞおちや上腹部。背中や腰が痛むことも。
・重苦しい痛みが、弱まることなく、徐々に強まる。数時間から2〜3日続く。
・嘔吐,発熱,黄疸。
・重症急性膵炎:ショック症状となることもある。炎症が膵臓周囲まで広がり、炎症による有害物質が血流に乗って全身に運ばれ、多臓器不全(肺,腎臓など)が起こることも。特定疾患治療研究事業の対象(治療費の一部助成あり)。

◆検査
・血中と尿中のアミラーゼの値が上昇していないか。血液検査での炎症反応。
・腹部超音波検査・CT(コンピュータ断層撮影)検査。膵臓のむくみ、周辺の炎症、細菌感染などがわかる。

◆治療
・軽症の場合:2日〜一週間の入院。絶食(膵液の分泌を抑えるため)して、安静。点滴による水分補給と鎮痛薬。
・重症の場合:2〜3か月の入院。集中治療室(24時間全身の状態を管理)で循環器,呼吸器,腎臓など障害部位の治療。抗酵素薬や抗菌薬。血液浄化療法(血液を体外に導き出して浄化)。
・細菌感染が起こった場合:ドレナージ法(膵臓内部や周囲にたまった膿を体外から管を通して排出)、膵壊死部摘除術(摘除後も管を通して生食による洗浄を行う)。
・胆石に対する治療
・暴飲暴食や脂肪の取り過ぎに注意。アルコールが原因の場合は禁酒。