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NHK「爆笑問題のニッポンの教養#38」(5月27日放送分)を見ました。技術者時代はシミュレーションが仕事でした。今回の放送内容は非常によく理解できたように思います。

私は回路動作のシミュレーションが多かったですが、仕様検討のシミュレーションが楽しかった。回路設計を行う前に、期待される動作を実現できるかどうか、プログラムを組んでシミュレーションするのです。シミュレーションをしなくても確率の計算をして理論値をはじき出して仕様を決めることはできますが、これでは具体的なイメージが湧かないし、微妙に条件を変えた時の影響はわかりません。

物事を理解するにはアプリオリ(先験的:経験しなくても分かる)な場合と、アポステリオリ(後験的:経験して分かる)な場合があります。シミュレーションは、バーチャルな世界に事象を起こさせて、その中でアポステリオリに解明していく手法と言えるでしょう。両者の中間に位置づけられるものかと思います。

コンピュータの性能アップによって、非常に複雑なシミュレーションも比較的短時間でできるようになってきました。初期設定条件を微妙に変えることによって、びっくりするほど違った結果が出ることもあります。バタフライ効果はいい例です。

この世はとても微妙なところで成り立っている!ということを再三、太田さんが言っていました。なかなかいい指摘だと思いました。完全なシミュレータを作ることができたとしても、微妙な紙一重の設定条件を完全に現実と一致させることはできない。

つまり、未来を予言することはできないのです。

《つづく》