なかなかうまく使いこなせない道具があったとします。「こいつ、なかなか言うこと聞かねぇーな」と、しげしげと見つめた時に、その道具の機能的な形・あるいは構造に気がついて、「こう使うといいのか!」とひらめく時があります。握り方とか力の入れ方とか、それまでの間違いに気づくのです。

それと同じことが、自分の体についても言えます。

一番わかりやすいのは足かもしれません。足は、親指の付け根(便宜上、点Aとします)と小指の付け根(点B)とかかと(点C)の3点で支持するように出来ています。そして、辺AB、辺BC、辺ACのそれぞれがアーチを作り、接地の際の衝撃を和らげる働きをしています。

この三角形ABCを意識すると接地の仕方が変わってきますし、重心がどっちに傾いているかを足裏の感覚から感じ取ることができます。

無意識のうちに体得してした人は、「足」という道具をうまく使いこなしているので、運動が得意だったり、足の故障が少なかったり、転倒が少なかったり、いろいろ得をすることになります。

偏平足の人は、脚を内側にひねった(内旋)使い方をしていると考えられます。辺ACが強く地面に押しつけられるので、ACのアーチに過重な負担がかかりヘタってしまいます。

足の中指の付け根辺りに胼胝(タコ)ができてしまう人は、辺ABのアーチがへたっていると考えられます。また、辺AC沿いにタコができてしまう人は、やはりそのアーチがへたっていると考えられます。

普通の歩き方の場合、かかとで接地してつま先で地面を蹴りますから、体重は点Cに最初かかり、次に辺CB上をBへと移動し、最後に辺BA上をAへと移動しながら足が地面を離れるという流れになります。

こんなふうに、「体の使い方」について、アレクサンダーテク二ークなどを参考にしながら、考えていきたいと思ってます。

トトガメモより加筆転載