トトガノート

「鍼灸治療室.トガシ」と「公文式小林教室」と「その他もろもろ」の情報を載せています。

Tag:人体

(p2〜3)はじめに
1.ヒトの解剖

(p8〜28)解剖の秘密
2.献体
3.解剖実習

(p32〜53)解剖のはじまり
4.解剖実習
5.生体観察
6.副乳

(p54〜67)力こぶ
7.筋肉の話
8.ロース、バラ、ヒレ、モモ
9.肋間筋と横隔膜
10.私たちのお腹は無防備か?

(p68〜141)五臓六腑
11.血管・赤血球・骨髄
12.肺・気管
13.脱腸のそもそもの原因
14.
15.小腸
16.肝臓
17.腎臓
18.骨盤、男の場合
19.骨盤、女の場合

(p142〜179)顔と頭
20.食べものをよく噛めるのは哺乳類だけ
21.鼻くそをほじるときの注意点
22.目玉と脳の関係
23.子どもの中耳炎が多い理由
24.哺乳類は歯が命
25.おいしく食べるための舌のテクニック
26.直立でできたノドの魔の十字路
27.声の十字路

(p180〜207)骨まで愛して
28.生きているときの「のど仏」と死んでからの「のど仏」
29.手が足になったのか、足が手になったのか
30.成長とともに骨は癒合する
31.「ものを食べる」ための頭と「ものを考える」ための頭
32.爬虫類の脳と植物状態
33.脳と脊髄の由来
34.サカナの脳・爬虫類の脳・哺乳類の脳
35.脳の地層学

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「新・ヒトの解剖」の「7.脳とこころ」(p208〜231)を読みました。(小林教室収蔵

前回と同様のことが、「解剖こぼれ話」として触れてあるのでメモっておきます。

《以下引用(p230)》
…その中心には五億年まえ(オルドビス紀初期)に出現した魚類〜爬虫類以来の脳である脳幹という生命活動を維持するための部分があり、つぎにそのまわりに2.1億年まえ(三畳紀末期)に現われた原始哺乳類で発達した本能や情動をつかさどる古い皮質である大脳辺縁系(旧皮質)があり、さらに最表層には一億年まえ(白亜紀中期)に出現した高等な哺乳類を特徴づける感覚と運動を統合する新皮質がある…。

そして、五万年まえ(第四紀後期)に出現したヒト(ホモ・サピエンス)の特徴であるものごとを理解して、意志をうみだす部分である新皮質の前頭葉が、その最前方に大きく発達しているのである。
《引用終わり》

前頭葉については、井尻さんや川島さんの所で以前触れています。

《インデックス》

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「新・ヒトの解剖」の「7.脳とこころ」(p208〜231)を読みました。(小林教室収蔵

《以下引用(p222)》
大脳のうち、もっとも古いのは「嗅脳」とよばれる部分で、ヒトでは前頭葉の下にある二本のヘラ状のもので、ヘラの先の部分を嗅球、柄の部分を嗅索という。その名のとおり、嗅覚に関係しており、嗅球からは多数の嗅神経がでて、頭蓋底の篩骨にあいている小さな孔をとおって、鼻の天井の粘膜に分布している。この部分はサカナなどでは大脳の中心部であったのだが、進化とともにしだいに大脳皮質が発達して、ついにヒトでは大きな大脳皮質の下にへばりついたヘラのようなものになったしまったのである。
《引用終わり》

サカナの脳ということですね。

《以下引用(p223)》
大脳半球でも、中心に近い帯状回などの「大脳辺縁系」とよばれる部分は、爬虫類や原始的な哺乳類の大脳皮質で「旧皮質」とか「古皮質」とよばれる。ここでは、本能的および情動的な機能をつかさどっている。これにたいして、大脳半球の表層は「新皮質」とよばれ、高等な哺乳類で発達した部分である。アルコールを飲むと、ふだん抑制的に働いている新皮質が麻痺して、旧皮質が活性化するために、職場の上司に失礼な言葉をあびせたり、いわゆる「酒の上のふらち」をおかしてしまうのである。
《引用終わり》

大脳辺縁系は「哺乳類の脳」と呼ばれているということでした。

《インデックス》

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「新・ヒトの解剖」の「7.脳とこころ」(p208〜231)を読みました。(小林教室収蔵

《以下引用(p215)》
脳と脊髄は、発生の途中、背中の外胚葉が内側にめくれこんだ神経管に由来し、その前方のふくらんだ部分を脳、後方の細長い部分を脊髄というわけである。脳は、はじめ神経管の三つのふくらみ、すなわち前脳・中脳・菱脳として形成され、前脳から大脳半球と間脳、中脳はそのままで、菱脳から橋と小脳と延髄がつくられる。もともと、前脳は鼻、中脳は目、菱脳は耳という感覚器の発達に対応したふくらみであったと考えられる。なお、脳の中心部には、左右の側脳室・第三脳室・中脳水道・第四脳室というすきまがあり、そこにはクモ膜下腔とおなじ髄液がながれており、脊髄の中心管につながっている。
《引用終わり》

発生学的な知識は、解剖学や生理学のように直接役に立つことは余りないかもしれませんが、示唆に富んでいて興味深いです。要するに歴史好きということかもしれませんが…。

《インデックス》

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「新・ヒトの解剖」の「7.脳とこころ」(p208〜231)を読みました。(小林教室収蔵

《以下引用(p213)》
脳幹(間脳・中脳・橋・延髄)は、私たちの基本的な生命維持活動をささえるところである。延髄には、呼吸と心臓の拍動、栄養分の消化・吸収の働きを調節する中枢があり、間脳の視床下部という部分は、体温調節や水の代謝、性欲・食欲・睡眠などをつかさどっている。つまり、脳幹の働きがなければ、私たちは片時も心臓や肺を動かすことができず、生きつづけることはできない。
《引用終わり》

脳幹は爬虫類の脳とも言われています。

《以下引用(p213)》
「脳死」というのは、この脳幹をふくむ脳全体の機能停止のことで、呼吸などの生命を維持する装置をつけないでは、みずから生命活動を維持することのできない状態である(これにたいして、脳幹はその機能をはたしているが、大脳に障害があって、意識をなくしている状態は「植物状態」とよばれる。植物状態にある人を「植物人間」といい、植物的な機能である呼吸・消化・循環から時には出産のいとなみまでできるが、動物的な機能である感覚・運動などのはたらきはなく、精神活動がない状態にある。頭を強く打って大きなけがをしたり、脳のなかで血管が切れて出血がおこったりすると、このような状態になることがある)。
《引用終わり》

基本ですが、引用しておきました。

《インデックス》

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「新・ヒトの解剖」の「6.骨まで愛して」(p180〜207)を読みました。(小林教室収蔵

《以下引用(p200)》
ゴリラとヒトの頭をくらべてみると、ゴリラでは頭のてっぺんにトサカのような突起があるが、それは下顎骨をもちあげる側頭筋という筋肉がはじまる場所である。また、頬骨の出っ張り(頬骨弓)が大きく両側にとびだしていて、そこから咬筋という筋肉が下顎骨についている。このように、ゴリラでは、頭全体がいわば「ものを食べる」ための装置=咀嚼器の役割をはたしている。
《引用終わり》




《以下引用(p201)》
これにたいして、ヒトでは、側頭筋がはじまる位置は、かなり下のほうの側頭部の側頭線までさがり、頬骨の出っ張りもわずかになり、側頭筋も咬筋もゴリラにくらべると、薄く貧弱で、くらべものにならない。その反面、脳の大きさをくらべてみると、ゴリラではわずか350〜700立方センチであるのにたいし、ヒトでは1300〜1600立方センチと数倍になっている。つまり、ゴリラの頭は「ものを食べる」ための道具であるのにたいし、ヒトの頭は大きな脳で「ものを考える」ための道具といえる。
《引用終わり》

「もっと頭を使いなさい」という言葉は、人間に対しては「もっと考えなさい」という意味になりますが、ゴリラに対しては「もっと食べなさい」という意味になるわけです(笑)。

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「新・ヒトの解剖」の「6.骨まで愛して」(p180〜207)を読みました。(小林教室収蔵

《以下引用(p198)》
…骨の数は、成長とともに増えるのではなく、逆に減少することが知られている。ある計算では、生まれたての赤ちゃん(新生児)では、約350個の骨があるのに、成人では、約206個に減るという。というのは、もともと別のいくつもの骨であったものが、成長の過程で癒合して、一つの骨になるからである。例えば、下顎骨は生まれた時は左右二つの骨であるが、成長の過程で二つの骨がくっついて一つになり、後頭骨は四つの骨が一つに癒合する。また、…、腸骨・恥骨・坐骨の三つの骨が癒合して寛骨になるといったぐあいである。

また、新生児では頭の骨にかなりのすきまがあいている。左右の前頭骨と頭頂骨のあいだには、大泉門という四角形のすきまがあり、頭頂骨と後ろの後頭骨のあいだには、小泉門という三角形のすきまがある。これは、赤ちゃんが狭い産道(膣)をとおって生まれてくるときに、頭の骨がひきのばされたり、あるいは折り重なったりして、頭が変形できるようになっているためである。このとき、産婦人科医や助産婦は、赤ちゃんの頭をさわって、骨のすきまの形から頭の前後を判断する。つまり、四角形の大泉門の側が赤ちゃんの顔のある方で、三角形の小泉門のある方が後ろ側だ、というわけである。
《引用終わり》

一つの鋳型では製造できないような複雑な形状を実現するために幾つかの部品に分けて製造するようなことが、人体の場合にもあるというのは面白いです。

新生児の体は柔らかいとはいえ、大切な頭がそんなふうに融通がきくというのもスゴイ仕組みです。

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「新・ヒトの解剖」の「6.骨まで愛して」(p180〜207)を読みました。(小林教室収蔵

《以下引用(p189)》
いまでは、ヒトの祖先が四つ足の哺乳類であることは常識になっているから、ヒトの手の祖先は足である、と考えがちである。この結論は、二億年以上におよぶ哺乳類の歴史、いや五億年にわたる脊椎動物の歴史からみても正しいにちがいないが、ことヒトの手足に関するかぎり間違いであって、ヒトの手足の源は、手であるといわなくてはならない。

というのは、ヒトの先祖にあたるサルの仲間は、四つ足の動物ではなく、四つ手の動物であって、その後手=足は、前の手とおなじように、ものをつかんだり、にぎったりする機能をもっている。つまり、手足の進化は、四足動物の四つ足から、サルの四つ手をへてから、ヒトの二手二足となったのであって、この意味で、ヒトの足は、あくまでも「足になった手」であって、「足になった足」ではない。
《引用終わり》

これと似たようなことは他にもいろいろあります。

聖書では男の体をベースに女の体を造ったことになっていますが、生物学的には女の体をベースに男の体ができていると考えた方が自然です。また、クジラは海に住んでいますから、海にいたまま魚から進化した方がスンナリ行きそうですが、実際は陸に上がって哺乳類に進化してから海に移っています。

《以下引用(p192)》
…ヒトの足の特徴は、足首から先の「足の骨」にみられる。まず、ヒトにはサルのなかまにはみられない、幅の広いかかとの骨(踵骨)が発達していて、からだの重心が、この骨を中心にしてかかっている。また、足の指の骨(指骨)はサルのそれや、手の指の骨(指骨)にくらべて短くなり、指骨と足のひらの骨(中足骨)の前端だけが地面につき、のこりの中足骨の後半や足の甲をつくる骨(足根骨の前部)は地面につかないようになっている。つまり、足の裏は、指さき(指骨)と足のひらの骨(中足骨)の前端と、かかとの骨(踵骨)だけで地面に接し、その結果、前後に長い(縦長の)骨のアーチができている。また、ヒトの足には左右方向のアーチもあるが、これは木登りをするサルが木の枝をつかむためにできたものである。この二つの骨のアーチによって、「土ふまず」ができている。そして、土ふまずは、ヒトの足に独特のもので、四つ手のサルの仲間にはみられないことは、みなさんが手のひらをテーブルの上につけてみれば一目瞭然であろう。

ヒトの足の関節は、一つ一つ丈夫な靱帯や筋肉でかたくむすびつけられているので、足の骨がアーチをつくるだけでなく、上等なスプリングにもなっている。そのため、かかとにかかっている重心を足指の先のほうへうつし、リズミカルに歩行ができる、という結果になる。
《引用終わり》

マッサージをするとき、手のひらで強くおす場合、小指側で押す方がやりやすいので、手のひらの親指側が浮いてきます。足が手だった頃、このような使い方で接地することにより、土ふまずが発生したのかなと思います。

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「新・ヒトの解剖」の「6.骨まで愛して」(p180〜207)を読みました。(小林教室収蔵

《以下引用(p187)》
椎骨と椎骨のあいだには、椎間円板という線維にとんだ軟骨(線維軟骨)がはさまっている。この椎間円板の中心部には、ゼリー状の髄核とよばれる部分があるが、これは原始の背骨であった脊索が残ったものといわれている。ヒトでは、首や腰をつよく打つと、椎骨のあいだのこの椎間円板がずれて、なかの脊髄を圧迫することになる。これが、鞭打ち症やぎっくり腰という病気である。こうなると、コルセットで首や腰を固定して、椎間円板のずれをなおさなければならない。
《引用終わり》

ぎっくり腰に関しては、こういう説明を聞いたことがないので、現在は違う捉え方をしているかもしれません。

《以下引用(p187)》
火葬場で骨ひろいをした経験をもっている人は知っていると思うが、骨つぼに骨をおさめるときに、最後にいちばん上に「のど仏」とよばれる骨をのせてふたをする。この骨は、横からみると座禅している仏さまのような形をしているのでそのように呼ばれるが、これは第二頸椎=軸椎である、というのが真相である。
《引用終わり》

通常、「のど仏」と呼ばれている場所は、甲状軟骨の正中部が突き出した喉頭隆起だそうです。

生きているうちの「のど仏」と死んでからの「のど仏」が別物だとは知りませんでした。

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「新・ヒトの解剖」の「5.顔と頭」(p142〜179)を読みました。(小林教室収蔵

《以下引用(p177)》
…生まれたばかりの赤ちゃんは、動物とおなじように口蓋と喉頭がつながっている。したがって、乳児では哺乳をしながら鼻でスースー息をすることができる反面、鼻でのみ呼吸し、口で息をすることができない。
《引用終わり》

イヌは喉頭を鼻腔に自在に出し入れできるという話がありました。人間も最初はつながっているというのは面白いですね。

鼻は呼吸専用、口は哺乳専用となっている赤ちゃんは誤嚥の可能性がないという利点があるのでしょうが、鼻がつまったら呼吸できないということなんでしょうか。乳児の窒息は、このことも原因しているのかもしれませんね。

《以下引用(p177)》
…喉頭の成長には男性ホルモンが関与しており、男の子が中学二年生くらいになると、精巣から男性ホルモンがでて、喉頭が発達して大きくなり、甲状軟骨が前方に突出して「のど仏」をつくり、声がわりをおこす。
《引用終わり》

大きくなれば、当然低音になるわけですが…

《以下引用(p179)》
…女性では声をだすときに、輪状軟骨と甲状軟骨のあいだに張っている輪状甲状筋という筋肉がいつも収縮しているのにたいして、男性では裏声をだすときにしかこの筋肉が緊張しないことも、男女の声の違いのもとになっている。
《引用終わり》

知らなかった…。

《インデックス》

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