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「如来蔵系経典」(中公文庫版)
「勝鬘経」の「一 序章」と「二 摂受正法章」を読みました。シュリーマンとかマーラーという名前があるのでヨーロッパみたいですが、シュリーマーラー夫人はインドの人です。

品行方正で有名なシュリーマーラー夫人のもとに世尊が現れました。そこで、夫人は世尊に対し10の誓いを立てます。

1.戒め(道徳的きまり)を逸脱するような心をけっして起こしません。
2.不敬の心をけっして起こしません。
3.衆生に対し怒ったり害したりする心をけっして起こしません。
4.他人の幸福や成功などに対し、羨望の念をけっして起こしません。
5.ほんの少しでも吝嗇の心を起こしません。
6.自分自身の享楽のためではなく、貧乏で苦しんだり身寄りのない衆生を成熟させるために、財産を蓄えます。
7.四摂事〔布施、愛語、利行、同時(自他平等の心がけ)〕によって衆生の役に立ちます。無雑念、無倦怠、不退転の心をもって、衆生を温かく包容します。(摂受:ひきつけること。すくい取ること。)
8.身寄りのないもの、牢につながれたもの、捕縛されたもの、病気で苦しむもの、思い悩むもの、貧しきもの、困窮者、大厄にあった衆生を見過ごしません。財産の蓄えをもって彼らを救助してはじめて、私は身を引くでしょう。
9.如来の説かれた教えや掟を蔑にするものたちを折伏(しゃくぶく:こらしめること。摂受の反対語。)します。
10.真実の教えを身につけること(摂受正法)を忘れません。

さらに、三つのお願い(三大願)をしました。

1.衆生たちに利益をもたらす福徳を積み重ね、いつも真実の教えを理解することができますように。
2.真実の教えを理解しえたのちも、怠けたり、おじけたりすることなく、衆生たちに教えを説くことができますように。
3.真実の教えを説くにあたっては、身命を顧みず、財産をなげうってでも、教えを護持し、教えを身につけることを望みます。

さらに、真実の教えを身につけることの意義について語ります。

摂受正法(真実の教えを身につけること)と言いますが、真実の教えそのもの(正法)とその真実の教えを身につけることとは、別々のことではありません。真実の教えをしっかりと身につけること自体が、真実の教えなのです。

そしてそれが六波羅蜜(布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧)の実践です。

真実の教えを身につけることと、この真実の教えを身につけたもの(摂受正法者)とは、別々ではありません…ということが再三繰り返されます。

自分が六波羅蜜と同化しているが如く実践に励みなさい、ということでしょうか。

《つづく》