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「オランダの個別教育はなぜ成功したのか」の「第2部 オランダ・イエナプラン教育」(p79〜195)「第一章 イエナプラン校を訪ねる」(p82〜142)の「ワールドオリエンテーション――探究する心・共に生きる社会」を読みました。(小林教室収蔵

前出のサークルという形で、ワールドオリエンテーションも行われます。

《以下引用(p110)》
まず、グループリーダー(…)が、クラス全員の子どもと共にサークルを作り、地球儀について学びます。地球儀はどのようにできているのか、北極はどこにあるのか、オランダはどこにあるのか、地球儀での方角と、実際の教室での方角はどう違うのか、といったことです。それから、子どもたちはテーブルグループに分かれて方位磁石を作ります。棒磁石を使って縫い針に磁気を与え、それを発砲スチロールの一片にテープで貼りつけ、小さな器の水に浮かべるのです。

次の時間には、実際に北極に行くためには、どんなルートを辿るのか、どんな交通手段があるのか、何日くらいの時間がかかるのかといったことを地図やコンピュータなどを使って調べます。それから、途中通過するのはどんな国か、ぞれぞれの国で使われている言葉や通貨について情報を集め、時間が許せば、それらの国の簡単な言葉を学んだり、通貨を作ってみたりします。また、北極探検に出るには、どんな書類を携帯していなければならないのか、ほかにどんなものを持っていくのか、どこに泊まり、食事はどうするのか、などといった問いかけから、必要となるいろいろな情報を集めていきます。当然、北極の気温や日照時間についての情報も必要になります。

このような準備段階を経て、今度は実際に北極に着いてからのことです。講堂などの広い場所を使って、グループごとにテントを張ります。北極にいるつもりで、何日間かにわたって、降水量や風力・風向を観測し、雲の様子を観察し記録していきます。グループごとに、観測係、記録係などの役割分担をします。また、北極で撮られた写真などを雑誌やインターネットなどから集めます。それらの写真を素材にして、子どもたちはそれぞれ詩を作ります。

それが終わると、北極を去る準備です。次の訪問者のためにどんな記録を残そうか話し合って、みんなでそれを作ります。オランダの家族にどんなお土産を持って帰るかを決めます。そうして北極探検から無事に帰ってくると、まずは、現地で(!)観測したデータを整理し、それをグラフにします。このほか、北極での観察を含め、「まだ北極に行ったことのないオランダの人たち」を想定して、グループごとに、北極探検旅行の報告をします。報告の際にも、当然、グループの中で役割分担を決めます。…

この北極旅行をテーマとした総合学習が行われている間、子どもたちの教室は、どんどん様変わりしていきました。窓には、雪をかたどった綿や発泡スチロールの破片が散りばめられ、背後の壁には、シロクマやセイウチなどの北極の動物や氷山をかたどった白い紙が貼りつけられます。教室は白い雪の世界になりました。挙句の果てに、子どもたちは、普段は20度に保たれている暖房のスイッチを切って「北極らしくしよう」などとグループリーダーに言い出し始める始末です。

一見雑然としているようですが、それでいて、どの子をみても、何もしないでいる、誰かの指示を待っているということがありません。

授業時間の終りが近づき、グループリーダーが、片づけ始めるように合図すると、それぞれ思い思いの場所で身の回りの道具を片づけ、誰が言うでもなく、学校の倉庫から掃除機を取り出してきて、床の片づけが始まります。役割が決まっているわけでも、グループリーダーが指示するわけでもないのに、雑然としていた教室が短時間のうちに片づけられていきました。…

…イエナプラン教育では、意図的に、科目ということをあまり強く意識しないように努めているように思えます。言い換えると、小学校に行く年齢の子どもたちに対して、はじめから、科目という枠をもって教えることをあえて避けているということです。科目を前提とした教育に入る前の段階、というのがより正しいかと思います。
《引用終り》

現在の日本でも、中高一貫校の適性検査は科目を意識しない問題構成になっていますし、高校入試問題もこの問題は数学じゃないの?と思うような問題が社会に出たりしているので、「科目を超えた学習」が始まっているのだと思います。

子どもは、こういう「北極に行ったつもり」みたいな遊びをよくやります。「ここは○○の国です。」とか「これは魔法の杖です」とか、どんどんと架空のものを作り出して、一緒に共有して、その世界で遊ぶのが好きなようです。だから、ワールドオリエンテーションのような授業はむしろ違和感がないかもしれないし、格別面白いことでしょう。

《インデックス》

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「オランダの個別教育はなぜ成功したのか」の「第2部 オランダ・イエナプラン教育」(p79〜195)「第一章 イエナプラン校を訪ねる」(p82〜142)の「サークル対話」を読みました。(小林教室収蔵

イエナプラン教育では、いろいろな形の「サークル対話」が行われています。

前出のブロックアワーで、グループリーダーが10人ほどの子どもたちを集めて何かを教える時、問題の解き方を説明するのは「インストラクション・サークル」、実験や見学や調査の仕方を説明するのは、「イントロダクション・サークル」。

登校して間もなく行われるのは「始業のサークル」、下校時に行うのが「下校時のサークル」、読み聞かせや朗読の練習をする「読みのサークル」、自分が書いた作文をお互いに声を読んで披露する「作文のサークル」、いろんなものを観察して意見を出し合う「観察サークル」、見学・調査・実験などの結果を報告する「報告サークル」などなど。

このサークルで、グループリーダーが気をつける点をメモっておきます。

《以下引用(p107)》
1.サークルの中で子どもが発言する場合には、必ず一人だけが発言するようにして、複数の子どもたちが同時に発言して混乱しないようにすること。
2.サークル対話で子どもが発言を始める時のルール(手を挙げるなど)を決めておいて、できるだけ子どもが自主的に発言するようにすること。
3.二人以上の子どもが同時に発言を求める時には、それまでに発言していない子ども、または発言の少ない子どもを優先するようにすること。
4.サークルに加わっている子どもたち全員が、サークル対話に加わっているか、つまり発言者の言葉に耳を傾けているかに注意を払うこと。
5.サークル対話は長く続ける必要はない。どんな場合にも、20〜30分以内には切り上げること。
6.サークル対話のテーマについては、繰り返しを避け、子どもたち自身のアイディアを取り入れること。これによって根幹グループの子どもたちが、一種の、独自の文化を作り上げるように導くこと。
7.まったく話をしない子、少ししか話をしない子どもに対しては、強制的に発言させることはせずに、発言を引き出すよう何らかの形で努力すること。
8.根幹グループ全体のサークル対話のテーマづくりやその準備などを、テーブルグループのような小グループでするよう、子どもたち自身に任せること。
9.子どもたちができるだけ小さい頃から、ほかの子どもの発言に対して何らかのコメントを加えることに慣れるよう刺激すること。
《引用終り》

前半の項目は当たり前のような気もしますが、最も基本的だと思われる「1」を守れない保護者(先生が学級懇談で保護者全員に対して連絡事項を告げている時に全く関係ないことを大声で話して平気な人)も最近はいるので、基本とも決めつけられないかもしれません。

「5」は、ダラダラするのを禁じていて、良いことだと思います。

「9」は、自分の意見をしっかり持ち、他人の意見も批判できるようにし、批判するなら傷つかないような言い方を身につける、ということだと思います。

《インデックス》

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「オランダの個別教育はなぜ成功したのか」の「第2部 オランダ・イエナプラン教育」(p79〜195)「第一章 イエナプラン校を訪ねる」(p82〜142)の「生と学びのための学校――リビングルームとしての教室」「マルチエイジの根幹グループ」を読みました。(小林教室収蔵

イエナプランの小学校では、教室はリビングルーム(Woonkamer)、担任の先生はグループリーダーと呼ばれています。

《以下引用(p83)》
それぞれの教室に入ってみると、グループリーダーの人柄や個性を窺わせるものがいろいろとあることに気づきます。たとえば、「ドルフィン・グループ」と名づけられた男性のグループリーダーの教室には、このグループリーダーの名前を刺繍したクッションが、教室の真ん中の籐椅子に置かれています。多分、何年か前に、このグループで過ごし、上の学級へ進級していった子どものお母さんたちが、思い出と感謝の気持ちをこめてグループリーダーに贈ったものでしょう。

また、教室の壁の色、本棚やコンピューターの置き方、読書コーナーなどにかけられたカーテンの色なども、教室ごとに違います。こういう教室の内装も、学年のはじめに、グループリーダーが子どもたちと一緒に話し合いながら決めていくのです。このような教室の内装づくりの背景には、学校を、子どもと教員が共に参加して作る共同体として捉える考え方があります。学校は、単に、知識や技能を学ぶ場に留まらず、子どもたちが、子ども同士、また、教員や、保護者たちと生活を共にする場なのです。
《引用終り》

教室のレイアウトは本書85ページの図をご覧下さい。グループリーダーの事務机は教室の片隅にあり、教壇はありません。その代わり、黒板の正面には、10人未満の生徒を集めて指導するための大きなテーブルが一つ置いてあります。また、教室の中央には、子どもたちが作業(工作)するための大きなテーブルが一つ置いてあります。

子どもたちのテーブル5つくらいあって、壁際や窓際に配置され、5〜6人で一つのテーブルグループを構成します。その他、空いているスペースには、読書コーナーやコンピューターコーナーが設けられています。また、ありとあらゆるところに棚が設けられ、様々な教材や備品が備えてあります。

イエナプランでは、3学年混合のグループを「根幹(ファミリー)グループ」と呼んで、学校での様々な活動の基本的な単位にしています。幼児グループ(4歳児〜6歳児)、低学年グループ(6歳児〜9歳児)、高学年グループ(9歳児〜12歳児)に分かれています。

例えば低学年グループならば…
《以下引用(p90)》
日本の学校でいうと、小学一年生から三年生までのグループです。子どもは、同じグループリーダー(担任教員)の同じ教室に三年間留まることになります。一年経過すると、三年生(普通は9歳児)が高学年グループに移動し、幼児グループから新一年生が入ってきます。つまり、グループ全体の三分の一の子どもが交替し、残りの三分のニの子どもたちは、そのままそのグループに留まることになります。

このような三学年にわたる子どもたちからなる根幹グループの教室の中で、子どもたちは、さらに、5〜6人ずつの机を向かい合わせて座る「テーブルグループ」に分かれ、ここで、自立学習や共同学習の多くが行われます。この「テーブルグループ」も、必ず、三学年にわたる子どもたちを組み合わせて作ることになっています。つまり、6人のグループであれば、二人が一年生、二人が二年生、二人が三年生という形です。
《引用終り》

これは複式学級に似ていますが、特別な事情がない限り、このようなクラス編成をするのは世界的にも珍しいようです。そのメリットは…
《以下引用(p91)》
…根幹グループでは、子どもたちはそれぞれ、年少・年中・年長の三つの立場を順に体験することになります。それに伴って子どもたちは、教えたり助けたりする立場、教えられたり助けられたりする立場というような役割を、交互に体験することになります。…また、その立場を三年の間に交替して体験することによって、自分以外の人の立場を理解する助けとなり、人間関係の築き方の訓練となります。…たとえば病欠などで、一時的に学習が遅れたような場合にも、子どもは不必要に疎外感を感じずにすむのです。なぜなら、そうした子どもの遅れを取り戻すために手助けするくらいの力を、テーブルグループの仲間の子どもたちが持っているからです。
《引用終り》

かねがね私は、複式学級の方が子どもにとっては恵まれた環境なのではないかと思っていました。上記の根幹グループのメリットがある程度期待できるからです。しかしながら、日本で複式学級に入るためには僻地に引っ越さなければなりません。しかも、そのような学校は次々と閉校になっています。

さて、イエナプランの教室では学習時間の多くが自立学習に割かれ、同じテーブルグループの子どもでも、それぞれが異なるレベルの課題に取り組んでいます。

新しい知識や技能について学ぶときにはグループリーダーの指導が必要になりますが、このときは通常学年ごとに、黒板正面の大きなテーブルでグループリーダーを囲んで座ります。このような指導は15分くらいで足りるそうです。まず、一年生が集まって指導を受け、その次は二年生、最後に三年生となります。

グループリーダーからの指導が終わった子どもたちは、それぞれが自分の課題に取り組みます。全ての学年の指導を終えたグループリーダーは机間巡視を行い、必要に応じて助言をしたり、質問に答えたりします。

このような教え方・学び方の時は1時限(50分間)では足りないので、2時限分をくっつけたブロックアワーで行われます。

《以下引用(p100)》
文法なり、計算の仕方なり、ある知識や技能を教える際、グループリーダーは、大きなテーブルに子どもたちを集めて、まず、10人の子ども全員に対してゆっくりと説明します。一回目の説明で、理論なり方法なりを理解した子どもがいるとします。この子どもたちを、自分の席に返して自立学習で復習させ、次に、残った子どもを相手にもう一度説明をします。子どもたちの理解度によって、また、教える内容によって、説明の仕方を変えるかもしれません。この二回目の説明で理解できた子どもたちが出てくるでしょう。この子どもたちを席に返し、自立学習で、問題集の復習問題などに取り組ませます。そうしても、それでもまだ理解できない少数の子どもたちに対して、もう一度、わかるように懇切に説明します。それでもまだやや不確実な子どももいるかもしれませんが、一旦みんな席に返します。

こうして、三回ほどの説明を終えて、子どもたちを全員席に戻し自立学習を始めさせると、グループリーダーは、教室の子どもたちの間を静かにゆっくりと巡回します。当然、巡回しながら、先ほどの説明の際に最後までよくわからずにいた子どもたちには、特別の注意を払います。自立学習で問題を解いたり作業をしたりしている子どもたちの様子を観察し、理解度が十分でない場合には、その場で、必要なアドバイスを与えます。
《引用終り》

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「オランダの個別教育はなぜ成功したのか」の「第1部 オランダの個別教育」(p9〜77)「第三章 落ちこぼれをなくすために」(p57〜77)を読みました。(小林教室収蔵

1917年の憲法改正から始まった、オランダでの教育改革の歴史が書いてあります。興味のある方は、この章をご覧下さい。

「落ちこぼれ」という言葉が出てきますが、オランダでは「落ちこぼれ」はほぼ留年と同義のようです。留年がほとんど有り得ない日本とは事情がちょっと違うかもしれません。

《以下引用(p64)》
多様な価値観を持った市民の社会参加意欲が高まり、また、政治的発言が増える中、教育界ではこれまでの画一的な教育方法に対する疑問や批判が各方面から寄せられ、教育改革の必要を迫る報告書が次々に出されるようになります。中でも、K.ドールンボスが書いた「落ちこぼれへの抵抗」(1969)は、落ちこぼれの問題は、まさに、旧来の画一的な一斉授業が生んでいると真正面から指摘し、その解決の糸口として、オールタナティブ教育の実績に学ぶべきだとした、重要な報告書でした。…

特に、古い画一的な教育では、同じ内容をただ反復するという授業形態が留年の原因になっていること、また、留年する子どもは、わかっていない部分をもう一度学ぶために、わかっている部分も繰り返して学ばなければならない、という非効率的な教育が行われている、という指摘は興味深いものです。…また、従来のように学習内容を学年ごとにヨコに決めるのではなく、タテに、つまり子どもの発達を学校就学期間全体を通じて継続的に捉え、より包括的な形で組織していくべきだ、と述べています。…さらに、「モンテッソーリ教育とイエナプラン教育の重要な点は、いずれも、タテの生徒グループを基本としていることである。異年齢の子どもからなるグループは、社会形成(相互の助け合い、グループワークなど)の可能性をより多く提供しているし、場合によっては組織上の利点もある」と述べ、画一教育に代わる方法を探るために、オールタナティブ教育の実例を採用する必要があると主張しています。
《引用終り》

討論ぽい授業や、たて割り班の活動など、似たような取り組みは、最近の日本の小学校にも見られるような気はしますが、基本的な骨格はまだ画一教育になっているように思います。

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「オランダの個別教育はなぜ成功したのか」の「第1部 オランダの個別教育」(p9〜77)「第二章 オランダの学校では今」(p26〜56)の「習熟度モニター制度とリュックサック政策(オランダ型特別支援教育)」(p38〜44)「スタディハウスとPBL方式」(p44〜56)を読みました。(小林教室収蔵

オランダの教育の特徴的な項目として、習熟度モニター制度、リュックサック政策、スタディハウス、PBL方式があります。

習熟度モニター制度は、初等教育における習熟度を客観的な測定法で定期的にモニターするものです。それで問題と判断された子どものためには、オーダーメイドとも言えるような教育を目指します。
リュックサック政策は、発達障害児への特別支援教育のことです。普通学校と特殊学校が協力して様々な活動が行われています。

中等教育では、進学コースとして大学進学準備コース(VWO)と高等専門学校進学準備コース(HAVO)、さらに職業準備コース(VMBO)として4レベル4種のコースがあります。中等教育進学後の2年間は、VWOとHAVOのブリッジクラスや、HAVOとVMBOのブリッジクラスも用意されており、自分の進学するコースが確定できていない子どもはそこで学ぶことができます。

この進学コース(VWOとHAVO)に99年に導入されたのがスタディハウスという制度です。

《以下引用(p49)》
スタディハウスの改革は、「習うから学ぶへ」の改革といわれるように、教員から授業を受ける形態を減少させ、生徒自身が、教科書や参考書を読みながら、また、自分で情報を収集しながら自立的に学ぶという授業形態を大きく増やしたものです。スタディハウスでは、教員は、教壇から教える時間を最小限に留め、自立的に学習をしている生徒の自発的な質問を受け、必要に応じてアドバイスを与える、という役割を担っています。…

また、自立学習によって知識を習得するばかりではなく、グループで進める共同学習の中では、プロジェクトや実験を行うことで企画・実施の能力を、議論・討論をすることで論理性を、プレゼンテーションや報告書の作成をすることでコミュニケーション能力を、といったように様々な方法で様々な能力を培っています。このような、筆記試験では評価できない能力を、学校の中で評価し、それを大学進学に必要な卒業資格の条件として重視していることは注目されます。
《引用終り》

VWOとHAVOで好成績を収めればディプロマという卒業資格が与えられ、いつでも大学または高等専門学校に入学することができます。

1976年に設立されたマーストリヒト大学では、独自に「PBL方式(問題解決型学習方式)」を行っています。

《以下引用(p52)》
PBL方式は、学生の〈自立性〉〈起業精神〉〈問題解決への指向性〉を養うことを目的とするものだと大学は説明しています。

大学生たちは、入学後すぐに10人未満の小グループで共同学習を始めます。それぞれの科目では指導段階ごとに、学生たちが〈問題解決〉研究に取り組むためのきっかけとなる事例がいくつも用意されています。この事例というのは、私生活の中で、あるいは、学生たちが将来就く仕事の現場で生じると考えられる様々な問題の場面や状況を設定、表記したものです。この事例の中に示された問題を解決するために、学習中の科目の知識を駆使して、小グループのディスカッションでブレーンストーミング(創造的集団思考法)をし、問題となる点を絞り、それを元にして自主研究をしていきます。

小グループのディスカッションには、それぞれチューターと呼ばれる指導者がついており、学生たちのグループ討議のプロセスを監督し、討議の進む方向やレベルによっては、必要に応じてコメントを加えます。

問題点が明らかになったら、今度は、学生たちがそれぞれ個人で問題の解決に必要な情報を収集します。そのために、充実した図書室と、IT機器やビデオなどの揃った快適な情報研究室が備えられています。ここで得た情報を元に、事例の中から抽出された問題に対する解決法を考えて報告書を書き、再びグループ内で互いにプレゼンテーションします。

グループ討議と自主研究による問題解決学習、1,2週間ほどの期間を設けて行われ、何度も繰り返されます。このような学習を通じて、理論だけではなく実践に即した知識を身につけていく、というのがPBL方式です。

もちろん、事例は、授業のために前もって慎重に企画・準備されたもので、PBLと並行して基本的な理論についての講義も行われます。しかし、講義とPBLの割合は、時間にして、およそ3対7の比率だといわれ、このことからも自立学習や共同学習がいかに重要な位置を占めているかがよくわかります。
《引用終り》

筆者自身2004年に、大学進学準備中の娘さんと一緒に、PBLのデモンストレーションをご覧になったそうです。

《以下引用(p52)》
デモンストレーションの様子を見ていて、大変面白いなと思ったのは、問題点の見つけ方や、ほかの学生とのコミュニケーションのとり方、グループ・ディスカッションでの発言の多寡などに、個々の学生の性格が大変強く現れることです。何よりも、理論がわかっているということと、その理論を実生活で生じる問題に応用できるということとは、どうやら別の能力であるらしいと興味深く思われました。おそらく学生自身も、このようなディスカッションの場を体験することで、ほかの学生と自身とが対照され、自分の能力や性格をより自覚することができるのではないでしょうか。
《引用終り》

講義形式の授業が自立学習の妨げになるというコンセンサスがオランダにはあるようで、先進性を感じます。

自他の能力を認め、コラボレーションを図っていくことを気づかせる共同学習も先進的ではありますが、飛鳥時代には我が国にもあったんですよね…。

《インデックス》

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「オランダの個別教育はなぜ成功したのか」の「第1部 オランダの個別教育」(p9〜77)「第二章 オランダの学校では今」(p26〜56)「個別教育を支える三つの要素」(p26〜37)を読みました。(小林教室収蔵

オランダが目指している教育を大きな枠で個別教育と言い、それを支える三つの要素として個別指導・自立学習・共同学習がある、という構成になっています。そして、生徒の自立学習と共同学習を実現するために、先生は個別指導を行う、という位置づけのようです。

《以下引用(p32)》
画一一斉授業で、先生がわからない子どもに時間を割けない理由の一つは、わかっている子どもがいつまでも先に進めずに待っていなくてはならないからでしょう。

わかる子どもは短い指導で理解できるものなのです。個別教育では、その短い指導でわかった子どもたちが、その新しい知識や技能をより確実なものとするために「自立学習」を行っています。

この自立学習がスムーズに行われるためには、子どもの個人差に応じた多様な教材がなければなりません。自立学習で使われる教材は、教科書のように、誰かが説明したり読んだりするものではなく、子どもが自分で読み、その日学んだ新しい知識や技能の復習をしたり、その知識や技能を使って実際に問題を解いていくためのものです。教員が説明しなくても、自分で学習方法がわかるものでなくてはなりません。
《引用終り》

非常に公文式と似ていると思います。

《以下引用(p35)》
…個別とはいっても、手取り足取り指導するのではなく、子どもが自分の能力や適性を自ら発見していくように指導するものでなければなりません。さらに、その発見を通じて、子ども自身が、自分の得意なことは何なのか、自分が特に興味を持っているのは何なのかを知り、そこから、いずれ彼らが参加していく社会の中で自分の役割を見出していけるよう援助するものでなければなりません。

ですから、オランダの学校は、先に述べた「自立学習」をさせる一方で、ほかの子どもたちとの相互作用を通じ、ほかの子どもとの関係の築き方や役割分担の仕方を学ぶ「共同学習」を重視しているのです。
《引用終り》

どうも日本では手取り足取り教えることがいいという風潮があります。しかし、社会に出てからまでやることを教え続けることはできません。

教えられなくとも自分で道を探し進んでいく力、そして、ほかの人たちと協力関係を築き役割分担して社会参加していく力。子どもが学ぶべき最も重要なことは、この2つに尽きるような気さえします。

《インデックス》

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「オランダの個別教育はなぜ成功したのか」の「第1部 オランダの個別教育」(p9〜77)「第一章 個別教育がどうして大切なのか」(p10〜25)を読みました。(小林教室収蔵

《以下引用(p16)》
オランダの小学校の光景です。

小学校の教室では、子どもたちはたいてい5〜6人ずつのグループを作って勉強します。もちろん授業中に先生が子どもたち全員に同じ説明をする時間がありますが、授業時間全体の中に占める割合はそれほど多くありません。一人ひとりの子どもたちがそれぞれ違う課題をこなしている光景がよく見られます。いつもグループの席に座っているばかりではなく、教室の隅のコンピューターに向かっている子どももいれば、廊下に設けられた机で勉強している子どももいます。先生は、黒板の前の教壇に立っているというよりも、グループごとの席に座って勉強している子どもたちの間を静かにゆっくりと回りながら、必要に応じて小声でアドバイスをしています。時々、子どもたちが自由に席を立って先生のところにやって来て質問をしたり、やり終えた課題を見せに来たりします。先生は、子どもの質問に答えたり、子どもが持ってきた課題の答えを点検しながら、よくわかっていない子どもには、教室の壁に備えられた棚に並ぶ様々な教材の中から、その子どもの学習情況に合ったものを取り出して、子どもたちが自分の力で理解するように助力しています。

オランダの学校では子どもたちを椅子に縛りつけることがあまりありません。ほかの子どもの邪魔にならない限り、また、取り組んでいる学習のためである限り、子どもたちは自由に席を立ち、教室の各隅に用意された読書コーナー、コンピューターコーナー、ゲームコーナー、資料棚、などに行って課題をこなしています。

課題を終えた子どもは、たとえば、教室の外の廊下やホールの明るい窓のそばなどで、その時間の教科以外の追加学習に取り組んだり、パズルやゲーム感覚でできるもっと挑戦的な課題に取り組んだりします。そのための、色彩豊かで、見ていて楽しくなるような教材が学校の備品としてふんだんに用意されています。

子どもたちの身体の動きには、不必要な制限がありません。普通は、先生が説明をしている時以外はトイレに立っていくことも制限されていません。かといって何もせずにボーッとしていたり、おしゃべりに夢中になっている子どもがいるわけではなく、どの子も授業の時間中一生懸命勉強しています。
《引用終り》

まるで天国…。登校拒否は少ないでしょうね。

《以下引用(p18)》
普通の子ども、平均的な子どもを基準にした教育では、それよりもできる子どもは常に時間を持てあまし、授業のスピードについていけない子どもは、わからないまま授業の進行に押し流されていきます。どちらの場合も、能力が最大限に効率的に伸ばされているとはいえません。そもそも普通の平均的な子どもというものが実数としてどれほどいるのでしょうか。
《引用終り》

この問題意識は、公文式と完全に共通するものです。

《以下引用(p19)》
そんなふうに子どもの行動や発言を許容してしまっては収拾がつかなくなり学級崩壊に陥る、と心配されるかもしれません。確かにその可能性は否定できません。だからこそ、そこには、子ども自身にとっても安心して行動し発言することのできる一定のルールが必要になります。混沌とした環境は子どもにとっても落ち着きのない不安定なものです。自発的な行動や発言を混乱の原因として抑えるのではなく、むしろこれを一定のルールの下で刺激し、学びのきっかけにするような学校での環境づくりは不可能ではありません。オランダの個別教育の現場で工夫されているのは、このような点です。
《引用終り》

公文式の教室では、子ども同士が協力して行動する(共同学習)ようなことは余りありませんが、共通の問題意識から出発していますから、参考になることは多々ありそうです。

《以下引用(p20)》
このような環境が作られておらず、ただ、先生の授業を静かに受動的に聞くことしか許されていない日本の学校では、ほかの子どもと共同で作業している際に、どんなふうにして感情を表現し、どんなふうに機会を捉えて発言をし、さらには、どんなふうにほかの子どもの感情表現や発言を受け止めるか、という、人間関係の訓練がほとんど行われていないのではないか、と思います。いずれ学校教育を終えて、社会に出て行く子どもたちには、受身に知識を吸収することのほかに、もっと、自立して、社会の中の人々と共に働き、関わっていく訓練が必要であるはずです。
《引用終り》

先日も、専門学校の同級生を殺害するという、痛ましい事件が起きました。そのきっかけとなったのが、LINEへの書き込みだと報じられれば、ITがいかにも問題であるように感じがちです。そういう分析もある程度は正しいかもしれません。

直接のやり取りで人間関係を構築する訓練ができていない子どもたちが、ネットでコミュニケーションを取るのは危険である、だから、子どもがメディアを使うのを制限しようという、時代の流れに消極的な動きがあります(アウトメディア)。反面、直接のやり取りで人間関係を構築する訓練を増やそうという積極的な議論や動きは見られないような気がします。

このような訓練は、子どもたちを最も長く拘束する学校において行われるのが当然効果的であり、オランダの共同学習のような形で養われるのが最も望ましいわけです。さらには、ネットのコミュニケーションによる健全な人間関係の構築の訓練にさえ、本来は学校が敢然と踏み込んでいくべきではないかと思います。

ただ、そんな余裕がないほど日本の学校が機能不全を起こしているのも周知の事実です。公文式の教室として何かできないか、この本を読みながら模索していきたいと思います。

Youtubeでもたくさんアップされています。その一部、リンクを張っておきます。









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