トトガノート

「鍼灸治療室.トガシ」と「公文式小林教室」と「その他もろもろ」の情報を載せています。

Category:★鍼灸治療室トガシ > 「大人のラジオ体操」

「大人のラジオ体操」の2番目「腕を振って脚を曲げ伸ばす運動」(p22〜p25)です。

脚をガバッと開く動作をするこの運動、おかしな動きをさせるものだと子供のころから思ってました。どう見てもコミカル。お笑い芸人がやるならともかく、NHKのテレビ体操ではレオタードを着た若くてきれいなお姉さん方がやっています。いかがなものか…とずっと思ってました。

ところが、本書によれば、「ラジオ体操第一を代表する重要なエレメント」で、バレエの動きとのこと。

《以下引用(p23)》
バランスをとる際に体幹筋が鍛えられ、つま先立ちで大腿四頭筋と下腿三頭筋が刺激されて脚のラインを、また屈伸でハムストリングスと殿筋群が刺激されてお尻の形を整えます。
《引用終わり》

体幹筋は前回の「背伸びの運動」でしっかりスイッチが入っているはずです。

「かかとが床につくのは一瞬だけ」というのがポイントで、その一瞬以外は下腿三頭筋(腓腹筋ひらめ筋)に力が入ります。ハイヒールは、この筋肉を美しく見せるために発明されたとも言われています。美脚のポイントですね。

この運動は頑張ってやれば脚全体の筋肉を使うことになります。が、脚は開くときより閉じる時に力が必要になりますから、股関節なら内転・内旋動作に関与する筋肉がより鍛えられるはずです。薄筋小殿筋半腱様筋半膜様筋長内転筋大内転筋など、主に大腿の内側の筋肉です。

この内側の筋肉群は普段の動作では使われにくい筋肉です。これを鍛えるとO脚の予防にもなりますし、今さかんにテレビで宣伝しているEXABODYのレッグマジックとほぼ同じ効果が期待できます。

バレエをやっている人や新体操の選手がやたらガニ股をするのは、大腿の正面にある大腿直筋をなるべく使わないようにするためだと聞いたことがあります。この筋肉が鍛えられて太くなると、大腿は非常に逞しくなり、女性の美脚では無くなってしまします。内側の筋肉は隠れて見えにくいので、これを使って、細い美しい脚を保つのだそうです。

こんなふうに見ていくと、この運動は、美脚のために非常に優れた運動であることが分かります。



《「大人のラジオ体操」インデックス》

「大人のラジオ体操」の一番目「背伸びの運動」(p20〜p21)です。

《以下引用(p21)》
これから始める体操を効果的に行うために、最初に正しい姿勢をとっていきます。正しい姿勢とは反りすぎず、前かがみにならず、床にしっかりと体の重心が乗っている状態です。
《引用終わり》

この「反りすぎず、前かがみにならず」というのが一番難しいところだと思います。中庸は、拮抗関係の均衡から実現するしかなく、姿勢の場合は背筋腹筋のバランスです。

大抵の人は、普段は腹筋をダラ〜ンと弛緩させていて、姿勢の維持作業はほとんど背筋に任せきりにしています。四つん這いの時は内臓が落ちないように自然と力が入っていたであろう腹筋ですが、直立になってしまったがためにサボることができるようになったのです。

この、背筋と腹筋のアンバランスが、内臓脂肪や皮下脂肪を付きやすくし、背筋だけが働き続け、腰痛を引き起こしています。また、ピラテスの理論が、腹筋の緊張が骨盤の歪みを矯正すると指摘していることを考えれば、骨盤の歪みを引き起こしていると言うこともできます。

背筋すなわち脊柱起立筋(腸肋筋最長筋棘筋)と腹筋群(腹横筋腹直筋内腹斜筋外腹斜筋)を均衡させることを、本書では「おなかを凹ませる」とか「上半身が上に引っぱられるイメージで!」と表現しています。

お腹を凹ませるということは、横隔膜を上に押し上げた状態ということで、腹式呼吸では吐き切った状態になります。そこで、「息を大きく吸いながら、腕を前から振り上げ」るので、完全な胸式呼吸になります。肋骨と背骨の動きによって、胸郭を前後左右上下に拡大することで息を吸います。両腕を挙げる動きは胸郭の拡大を助け、下げる動きは胸郭の縮小を助けます。

日常の作業でも、腹筋に力を入れるということは、腹式呼吸を(ある程度)諦めるということになります。抗ストレス・リラックスが声高に叫ばれる昨今、腹式呼吸は名声を博しましたが、「正しい姿勢」で腰を痛めずに作業を行うためには胸式呼吸を心がけるべきだと思います。

これから体操するぞ!という時に、この姿勢と胸式呼吸の確認を初めに行うことは重要ですし、これから仕事をするぞ!という時にも是非確認したいところです。

《「大人のラジオ体操」インデックス》

昨年、そのまんま筋トレというのを考えました。筋トレなんて、運動なんて、やろうと思えばいつでもできる!というものでした。これといった形はありませんでした。構えの無い武道、偶像を拝まない宗教、思想で言えば「空」…究極とも言えますが、達人でないと難しい。私にすらできない…と言うか何もしないまま過ごしてしまう。という、致命的な問題が発覚しました(笑)

今年の初めに新聞で知ったのが、「大人のラジオ体操」。近代日本においては最も古典的と言える運動、誰もが知っている体操、これを医師が細部に注意点を設けることで身体に効く体操にリフォームされました。

一時は、NHKでさえ「ラジオ体操は身体づくりには効かない」という衝撃的な内容を放送したことがあります。しかし、やり方しだいということだと思います。

運動など何でも構わない、というのが「そのまんま筋トレ」ですから、「ラジオ体操」でも勿論いいわけです。「大人のラジオ体操」に乗っかって、ひとつひとつの体操を見ていきたいと思います。

《「大人のラジオ体操」インデックス》

↑このページのトップヘ