トトガノート

「鍼灸治療室.トガシ」と「公文式小林教室」と「その他もろもろ」の情報を載せています。

Category:★鍼灸治療室トガシ > はりきゅう日記

助産師をされているクライアントから話を聞いた。

彼女自身は一年ほど前に出産を経験している。それまで何回も出産を見て来て、自分の番を楽しみにしていたという。

ある人は絶叫し、それまで穏やかだった人も全く違う人間になってしまう…それほど強い痛みとはどんなものなのだろう?と。

しかし、いざ経験してみると、それほどでなかった。もちろんそれまで経験したことない痛みではあったが、想像していたよりもずっと楽だった。

彼女のこれまでの観察によると、本などを読んでしっかり勉強している頭のいい人ほどいろいろ考えてしまい、痛みをより強く辛く感じてしまうし、お産も長引いてしまう傾向があるという。

彼女は「頭のいい人」と言ったが、そうなるとお産が楽だった彼女は「頭のよくない人」ということになる。しかし、彼女こそ頭のいい人だと私は常々思っていた。これまでの話からも分かるように、彼女の周囲を見る眼差しは静かで分析的である。

更に彼女は分析している。お産が楽に済む人の特徴は、「もう、痛いものはしょうがない。ジタバタしても仕方がない」と諦め、覚悟を決めて、ポジティブに痛みに向き合っていること。

彼女自身のお産が楽だった理由もこれだと思うし、「頭のいい人」というのはこれができなかった人だと思う。

この話で思い出すのは、ストレスの体への害を無くしてしまうホルモンDHEAのことである。覚悟を決めて、ポジティブに向かい合う人は、強烈な痛みのストレスの中で大量のDHEAを分泌しているに違いない。

で、当然のことながら、お産に限らず、他の痛みについても言えると思う。触察してみた時の感触で同程度の傷み具合と思われる場合でも、ひどく痛みを訴えるクライアントとそうでないクライアントがいるのである。前者は少しでも痛いと「痛い痛い」と言い続け、「歩けない」「眠れない」と言う。後者は「そりゃ痛いけど、騒いだって楽になるわけじゃないし」と諦め、それを忘れるための何かに没頭しようとしたりしている。

もちろん、「痛みを我慢しろ!」と言いたいのではない。

「痛みは感情である」という心理学者もいるらしい。同じ状況でも、怒る人もいれば怒らない人もいる。笑う人もいれば笑わない人もいる。泣く人もいれば泣かない人もいる。当然、怒るよりは怒らない方が良い。笑わないよりは笑った方が良い。泣くよりは泣かない方が良い。

痛みも同じだということだ。
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LS1という乳酸菌を口の中に飼い始めた話を書いた。こんな書き方をすると奇妙に聞こえるが、例えば毎日ヨーグルトを食べているとしたら、自分の腸にその乳酸菌を飼い始めるのと同じだ。乳酸菌はペットみたいなものだ。

腸内フローラという言葉で腸内細菌が注目され、60兆個と言われる「自分」の細胞よりも腸内細菌(100兆とも言われる)の方が多いことを知り、私も驚いた。下痢をしたりして腸内細菌を排除することができるから、主導権は「自分」(人間)の側にあるが、単に頭数で言えばどっちが宿主か分からない状況!人間の方がペットなのかもしれない。

一年前、糖質制限を試して、自分で怖くなるくらい痩せた。終いには寝ケーキをして痩せるのを止めようとしたほどだ。その時に考えた。糖質以外(蛋白質や脂肪)は全然我慢してないからカロリーは体内にたくさん取り込んでいる筈なのに、何で痩せるのか?

いろいろ考えを巡らすうちに、そもそも口から入るということと腸で吸収されるということは違う!という事に気がついた。腸まで辿り着いた食べ物と腸壁の間には、前述のように膨大な数の腸内細菌がいる。総重量は「自分」にはかなわないが、それでも肝臓と同じくらいの重さはあるらしい。立派な臓器である。この巨大なフィルタを通過したものだけが腸壁から吸収されるはずだ。つまり私たちは、腸内細菌の食べ残しや代謝産物(つまり腸内細菌のウンコ)を腸で吸収しているのだ。

だから、ウンコ移植なんてことも出てくるわけである。痩せている人の腸内細菌を太っている人に移植すると、太ってた人が痩せたりすることも有り得るらしい。立派な臓器移植だもんね。

腸内細菌というブラックボックスのインプットとアウトプットの関数関係を解析せずして、栄養学という学問は成立しえないような気がするのだが…。

逆に、「この細菌が腸内フローラの何%以上を占めていればビタミンとか必須アミノ酸の心配は要りません!」みたいなことも有り得るんじゃないだろうか。
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※身体の上の方から並べました。

・片頭痛
・パーキンソン病
・突発性難聴
・五十肩
・ばね指
・胃全摘の後…亜急性連合性脊髄変性症
・腰痛
・腰椎椎間板ヘルニア
・狭窄症手術の後…下肢の痛み
・膝関節痛〜ゴルフすると痛くなる
・膝関節痛2〜正座ができなくなった new!
・こむらがえり
・ふくらはぎの痛み

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「正座が、またできなくなってきたんです。」
このクライアントは、一か月に1回のペースで体のメンテナンスをしている。もう何年ものおつきあい。早速手元のタブレットで、カルテを遡ってみた。関係ある部分だけ抜粋すると…

2017/4/26:正座はできるが、座りはじめると左膝に違和感。歩いていては何ともない。
2017/5/24:正座できない。左膝が痛いので踵がお尻にくっつく所までは曲げられない。しかし、施術直後から痛みが解消し、正座できるようになった。
2017/6/28:前回の施術以来、正座はできている。
2017/7/26:左ふくらはぎは張るが、座ることはできる。
2017/8/23(今回):正座ができなくなった。

今回は、5月24日と同じ程度と思われた。しかし、よく聞いてみると、数日前に整形外科を受診していて、炎症止め(胃の薬も処方されたと言うから、よくある鎮痛剤だろう)を飲んでいる。それで、少し楽になっている。ということは5月24日よりはひどいことになる。

「(整形外科では)軟骨が減っていて、隙間が狭くなってるって言われたんです。私が(レントゲン写真を)見る分にはそんなでもない感じだったんだけど…。」

それから、大腿の外側が緊張しているのでマッサージをして、大腿の内側は鍛えるようにアドバイスを受けたとのこと。そこで、バランスボールを膝で挟む運動を始めた。

「おっしゃるように、膝はそんなに悪くないと思いますよ。皿(膝蓋骨)もスムーズに動きますし。」
「そうそう。皿を動かすと良いんだそうですね。テレビで見ました!」

「はい。でも、上下方向だけですよ。横方向には絶対に動かさないで下さい。外れる時がありますから。」
「えっ!知らなかった。」

膝は膝蓋骨がスライドすることで大きく曲がる構造になっている。しかし、関節の炎症状態が続くとくっついてしまってスライドしなくなる。それで可動域が狭くなり、正座ができなくなる。しかし、このクライアントの場合そこまで悪くはない。

触察すると、確かに大殿筋から腸脛靭帯にかけて緊張している。腓腹筋も硬くなっている。7/26のカルテにも書いているように、座った時に苦しいのは腓腹筋(ふくらはぎ)ではないだろうか。これらの緊張を取ることができれば、膝は楽になるだろう。

「歩き方は一直線上に足を置くように心がけると、大腿の内側の筋肉が自然と鍛えられますよ。モデルさんのような歩き方になりますし。ただ、年齢とともに平衡感覚が衰えてくると、その歩き方ではバランスを取りにくくなってきます。その時は、左右に足を広げた形で歩く歩き方に移行せざるを得なくなります。転倒して骨折でもしたら、元も子もないですからね。」
「あら、私、一本の線の上に足を置く歩き方って、練習したことがあるような気がするわ。」

私も、何だかそんな記憶があるので、カルテを更に遡ってみた。すると…

2015/10/29:仰向けになって左膝を曲げる時、ポキッといった。普段も膝に違和感を感じていると言うので、歩き方について説明。

とあった。

「それは、2年前かもしれませんね。その時、膝の違和感を訴えていらっしゃるので、歩き方の改善で事なきを得たのかもしれませんね。また、頑張りましょう!」

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このクライアントは、10日1回のペースで体のメンテナンスをしている。もう何年ものおつきあい。
「この前の日曜日、20キロ歩いてたら、途中で足が痛くなって歩けなくなったんですよ。妻に車で迎えに来てもらいました(笑)。一旦落ち着いたんだけど、またさっき、高いところに上がろうとして、やっちゃった。」と言って、左足の腓腹筋(ふくらはぎ)をさすっていたのは8月初めの施術の時だった。

「ウォークラリーに参加されるんでしたね?」

彼は一か月後のウォークラリーの大会に初参加する。日本ウォーキング協会主催のマーチングリーグ公式大会で、9月初めに庄内で開かれる。40、30、20、10キロのコースがあり、彼は初参加ながら40キロに挑戦するとのこと。

「ほとんどマラソンと同じ距離じゃないですか!いくら歩きとは言え…。」初めて聞いた時、私は叫んだ。

マラソン大会は珍しくなくなったが、ウォークラリーの大会が県内で行われているとは知らなかった。参加者は、北海道や鹿児島からも来るらしい。タイムを競ったりはしない。全員が完走ならぬ完歩を目指す。ただ、きりが無いから、早朝出発して16時までにゴールできなければ車に拾われる。

7月初めの施術日に、参加を決めてトレーニング(数キロ以上歩いたり、縄跳び1000回以上)を始めたことは聞いていた。面白いことに(と言ったら不謹慎だが)、このトレーニングを始めた途端、彼のコリのパターンが急に変わった。一番顕著だったのは、ふくらはぎ(腓腹筋)。それまで右ふくらはぎだけが硬かったのにその硬さはなくなり、左ふくらはぎが硬くなった。しかも腓腹筋内側頭だけ。

7月はその後2回施術したが、コロッという硬結は同じ。でも、痛みを訴えることは無かった。

それが、8月になって、トレーニング中に痛み出した。奥さんから迎えに来てもらってからは、トレーニングを休んだ。2日ほどで良くなったのでトレーニングを再開。ところが、ちょうどこの8月最初の施術の直前に、高いところに上がろうとした瞬間、腓腹筋に痛みが走った。

「ちょっと鍼やってみますか?」私は鍼を勧めてみた。
腓腹筋の硬いところに、1番鍼(直径が0.16mm)を6本。

施術後、彼は立って恐る恐る左足に重心を移した。
「どうですか?」と私が尋ねてみると、
「おっ!痛くない。さっきまでこんなふうにできなかったから。」

8月はその後も2回施術を行ったが、トレーニング・メニューを元に戻しても痛みは感じなくなったので鍼は行わなかった。

9月の初め、彼は大会に参加し、見事完歩した。さぞや満足かと思ったら、
「80歳越した人たちがいっぱい参加しててね〜、スイスイ抜いていくんだよ。いや〜まいったね。」

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以前も紹介しましたお客様の猫、ジャフくん

最近ご無沙汰でしたが、今朝はお休み中。シャッターの音で目を覚ましました。

今朝は朝帰りだったとのこと。昨夜は旧盆、満月で、真夜中は明るかったようです。

夜遊び、楽しんだ?まさか墓参りじゃないよね?
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ふと網戸越しに外を見たら、同じクモの巣にクモが4匹。

1匹だけ大きいから親なんだろうか?

蜘蛛の子をちらしたように…という表現があるように、小さいクモがパーッと広がって行く様は何度か見たことがある。だから、そんなふうに散らばっていくんだと思っていたんだが、同居したりするんだろうか?

別な場所に巣を張った方が絶対有利だと思うのだが、実家(?)に引っ掛かる獲物が圧倒的に多ければ同居も有りかもしれない…。

ちなみに山形県は人間の3世代同居率No.1。クモの同居率も高いのか?
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車のドアを開けたら蚊!飛蚊症じゃなくリアルな蚊だったので即購入!

以前、ハンドルを握る手に蚊が止まっているのに気がついて事故りそうになったことがある。

以来、おでかけカトリスは車内に常備。しかし、電池も切れて薬の効果も切れてる感じ。

新しいのを入れ替えたらギュンギュン回る…そして…




落ちてきました(^^)v
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「今日、お願いできますか?」と、若い男性の声だった。症状やら何やら、訪問する前に聞きたかったが、電話が鳴ったのは丁度別のクライアントの家の前に着いた瞬間。長電話をするわけにはいかない。住所と名前だけ聞いて、訪問時刻を決めて、そそくさと電話を切った。

その訪問時刻に伺ってみると、30代くらいの男性。左太腿の裏(承扶穴付近)が痛い。膝を伸ばしたまま股関節を曲げると痛みが走る。膝を曲げたままなら痛くない。典型的なヘルニア。こんな教科書通りの人はなかなかいない。

「ヘルニアって言われてますか?」と尋ねると「はい」。

数年前にヘルニアと言われていて、痛くなったり治まったりを繰り返している。先月、MRIを撮ったら、5番に大きなヘルニアが見つかったとのこと。

「一番下ですね。」と言ったら、「6番は無いんですね?」とおっしゃるので、
「腰は5番までです。首は7番まで、胸は12番までとなってます。大抵は(笑)」

会話のレスポンスが速い。目がクリっとしていて、表情の変化も速い。とても話しやすい感じ。

「手術は薦められましたか?」と尋ねたら「手術しなくても治ると言われました。」

「そうですね。なぜか分からないけど、ヘルニアは自然に治ることが分かったので、最近は手術はしないですね。」「そうそう、(主治医の)先生も『なぜか分からないけど』と言ってました。」

「ラッキーなことに、大きいヘルニアの方が治りやすいことが分かっています。ヘルニアは、椎間板が無いはずの所に飛び出して存在するので、白血球が異物と認識して食べるんじゃないかと言われてます。大きい方が異物だとハッキリ分かるから早く食べられるんじゃないかと。」
「(主治医の)先生もそう言ってました。」

「コルセットとかもやってるんですか?」
「はい、仕事の時は。そうじゃない時はしない方が良いんですよね?筋力が弱くなるから。」

「そうです!主治医の先生がそう説明されたんですね?」
「ええ。」

「良い先生ですね。なかなかそこまで説明して下さる先生が少ないみたいで、風呂に入る時以外はコルセットは外さないという方が結構いらっしゃるんですよね。寝ている時なんか意味が無いと思うんですが、お守りみたいな感覚なんでしょうかね…主治医の先生はどこの先生ですか?話が合いそうです(笑)」
「実は、こっちには今住んでないんですよ。お盆で帰省中なんです。かかっているのはあっちの先生でして。痛み止めとして飲み薬と座薬と両方もらっているんですが、昨日から座薬も効かなくなってきまして。鍼はどうかなと思ったのでした。」

触察してみると、腰の筋肉が非常に硬い。痛いのは太腿だけれども、痛みの原因はそこにはいない。腰に鍼をして硬い筋肉をほぐし、承扶穴付近には皮内鍼で痛みを抑えることにした。

腰の筋肉は硬く、鍼がなかなか入らなかった。しかも、筋肉の反応がいい。鍼を進めるごとに筋肉が伸縮を繰り返し、鍼先を確かめているみたいだ。鍼を抜いてみると、案の定、鍼は全部曲がっていた。この筋肉の反応の良さが、椎間板を潰してしまったのかもしれない…。

「お酒は飲みますか?」と尋ねると「ほとんど飲みません。必要なときしか。」

「お酒を毎日飲む人だと痛み止めの効きが悪いという事があるんですが、そうではないんですね。ずっと飲んでいるから効かなくなってきたということでしょうね…」
クリっとした目が笑っていた。これも主治医に言われたことらしい。

「こういう場合、痛み止めと鍼を交互に使うことによって、痛み止めの効果を持続させることができます。こちらにはいつまでいらっしゃいますか?」
「明日帰ります(苦笑)」

「では、鍼が合うようでしたら、あちらで鍼治療を受けてみて下さい(苦笑)」

クリっとした目が笑っていた。

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「足が痛くて歩けないんです。」と、そのクライアントは電話で訴えた。

足と言っても膝なのか、そうじゃないのか…歩けないと言っても立つことはできるのかどうか…いろいろ聞きたかったが、
「痛くて我慢できないので、なるべく早く来てください!」
ということだったので、早速伺うことにした。

玄関で「ごめんください!」と言うと、「はい!」という声がして、お婆さんが出て来てくれた。この人がクライアントだった。膝をなるべく曲げないようにしたぎこちない歩き方ではあるが、歩いていた。

一歩も歩けない訳ではないようだ…。

症状を伺うと、
「とにかく痛くて痛くて…足も腰も手も」とおっしゃる。首と腰の手術を受けているようだ。脇で聴いていた旦那さんは几帳面な性格のようで、奥さんの手術歴を書いたメモを私に見せてくれた。

それによると、10年ほど前に腰の手術、5年ほどの前に首の手術をした。何れも狭窄症らしい。しかし、痛みが改善することは無かった。整形外科には今も通院していて、痛み止めや貼薬(痛み止め)をもらっている。内科医からは、血圧の薬と睡眠導入剤。

「とにかく、何してもダメなんだな…。医者は良くしてあげようと思って手術してくれたんだろうけど、変わり無く痛いんだ。失敗したってことだろうな。○○さんは、あなたの治療で、立てないのが一か月で治ったって聞いたから、頼んでみたんです。この痛みが無くなったら、もう天にも昇る気持ちだよ!」

○○さんは、確かに私が一年前に治療して、一か月ほどで劇的に良くなったクライアント。しかし、一見症状は同じに見えても中味は一人一人全然違うので、今後の経過を予言することはできない旨を伝えた。実際、○○さんとこのクライアントの共通点は「痛い」ということだけで、場所も程度も微妙に違うし、手術歴は全く異なる。要するに、共通点は皆無と言って良い。
「○○さんは、私ほど酷くはなかったんだろうね…」心なしか自慢げに聞こえた。

「鍼治療は経験ありますか?」と尋ねてみると、前にやってもらったことがあるけど全然効果が無かったとのこと。そして、いろいろな治療を試した話をしてくれた。口に指を突っ込んでくる中国式(?)の治療法、たくさんのロウソクを灯してひたすら呪文を唱える治療法など特殊なものから、整体やカイロ、医師によるブロック注射も経験済み。ただ、結果は全て同じ。「全然効果が無かった!」

「どれも1回しか行かなかったとかじゃないですよね?」と尋ねると、「1回じゃ分からないでしょ!2回は行ったよ。」

2回だけか…。

「全然効果が無かったというのは、痛みが全く変わらなかったということですか?」
「そうだよ。」

「痛みが変わらなかったということですが、痛みって毎日変わるものだと思うんですよ。同じ日でも朝と夜で違いが有ったりします。全く変わらなかったというのは大雑把過ぎるような気がするんですが…(笑)」と、前置きして、

「こういう時は酷くなるとか、こういう時は比較的楽だとか、ありませんか?」と尋ねてみると、

「2分くらい歩くと、もう痛くて歩けなくなる。だから、ちょっと家の周りを一周するだけでも休憩しないといけないんだよ。」とおっしゃるので…

「ひょっとして、歩かないと痛くないんですか?」
「うん」

「えっ!座っていれば痛くないんですか?」
「正座は痛くてできないよ。でも、椅子に座ってたら痛くないよ。痛かったら座ってられないじゃないか!」

「じゃあ、寝てる時も痛くないんですか?」
「だから(笑)。痛かったら、寝てられないじゃないか。」

「そのための睡眠導入剤じゃないんですか?」
「年寄りだから、眠れないだけでしょ。」

「えーっと…じっとしてても痛いのを安静時痛と言いますが、これで悩んでいる人もいっぱいいるんですよ。○○さんは、寝てても痛いので眠れなかったとおっしゃってました。」

「腰を手術したのに痛いなんてことがあるの?」
「狭窄症の手術をしたのに安静時痛が全くないとしたら、大成功かもしれませんね…」

彼女はこれまで、首と腰への施術は、これ以上ひどくなると悪いからという理由でどこの治療院でも拒んできたとのこと。5年以上経過しているし、棘筋への施術は避けるし、背骨をひねったりもしないから心配無用であることを説明し、施術を行った。

2分以上歩いた時の運動時痛は流石に1回の施術で解消することはなかったが、肩や腰がとても軽くなったと喜んで下さった。

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